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[逆噴射小説大賞2023] 勝手にピックアップ&ライナーノーツ的なやつ

今年の逆噴射小説大賞の募集期間が終了しました。
あっとゆうまでしたね。

逆噴射小説大賞とはなんぞや? という人に簡単に説明すると、長編パルプ小説の冒頭800文字を書いて面白さを競う大会です。

投稿作品一覧はこちらに。

わ、私、がんばって全部読みましたよぉ!!!
最終日、めっちゃ増えて震えましたが、読みましたよ!!!

安定の…クセ強でした!!!!

いや…何も全部読むことないとは思うんですけどね…面白くて読んじゃうんですよね。
全部読んじゃう人って私以外にもいると思うんですけど、変態ですね

というわけで、まずは勝手にピックアップ行きたいと思います。
何か、今回ハンマー率高くありませんでした?

◎逆噴射小説大賞2023 勝手にピックアップ

私が純粋に面白いっ!!!! って思ったやつです。
だいたい投稿順。


討手は闇に

RTGさん

これはっ!!!! 剣士フェチの私としてはもう、たまらない設定です。
もはや人とは思えない研ぎ澄まされ過ぎた感覚を持つ盲目の剣士の戦いを私は見たいです。


おかみ様の遣わすもの

azitarouさん

日常の風景…と思わせておきながら、急変する世界観。
それが二段階あるのがすごいです。

世界観を見失ったところで【続く】になっちゃうので気になります!


ドラゴンアンドデートドラッグ

白蔵主さん

これはヤバイ。
映像が次々脳裏に浮かぶようなスピード感あふれる文章で、これが映画の告知だったら絶対見に行くやつです。
発情期こわい…。


アローン・イン・ザ・メイズ

K-22さん

謎が謎を呼ぶ世界。次々と展開する場面に必死に食らいつかないと振り落とされる感じがたまらんです。
何となく私が見る夢に似ていて、こんな不安定な世界なのに、ちょっと安心しちゃったりして…。


【空港税関-怪物図鑑】 #逆噴射小説大賞2023

Laundryman Lv.Maxさん

危険生物とUMAたちが入り乱れる…。
文章から映像を想像して、そのあまりのカオスっぷりに笑ってしまった…。
このあとどうするんだろう。。


夜山踏み

三宅つのさん

不吉な物語の始まり。
物の怪のお話トキメキます。森が普段と違った異様な姿。
ワクワクゾクゾクです。


ひとんかつ

akuzumeさん

今回の投稿作品の中で猟奇的ナンバーワンでした。
この気味悪さは私が説明するよりぜひ読んでみてほしいです!
ゾゾっとするけど、手際がよさそうで少し笑ってしまう感じもなんかすごいっす。


庭付きの古い家

lizardfolkさん

コソコソと他人のプライベートを覗いて快楽を得ている主人公が、何かもっと不穏なものに巻き込まれそうな感じの物語。
この後、ホラーにもサスペンスにもSFにもファンタジーにもなり得る雰囲気で【続く】なので気になっちゃいます。


おかえり。ただいま。

ゆめくらげさん

パパがどうしちゃったのか、この800文字ではわからず…それがとっても怖かったです。
何がどうしてそうなったのか、とても気になる…。


黄金ザクロ

しゅげんじゃさん

なにかすべてが意味深な800文字!!!
おどろおどろしい映像に低い声で淡々と朗読する声が聞こえて来るような文章です。
前回王者すごす。

そして、ここだけの話ですが(あ、ここ割と公かもしれないけど)、私の息子の名は「奏太」(読みはカナタ)です。
私も叫びましたよ、「奏太ー!」って!!!
無事でいてくれ奏太…。


『それ』

yama娘さん

私はSF脳なので、現在の文明が完全に崩壊した後の世界を常々妄想しています。
ずっと未来で、人間かそれに近い思考を持った者たちが、この文明の遺産を見た時に何を想うだろうか…とか。
なので、このお話はそんな私の妄想とシンクロしていて、どんな世界が待っているのかなーと先を期待しています。


ボウルにバスタブ

六徳(りっとく)さん

文体がとっても好きでした。
お喋り言葉で物語を進めていくの、憧れです。
いやもうこんなことになってしまって、この先どうなるのかしら??と気になっています。


ドラゴンを、誘拐する

Hugo Tanakaさん

なんかこういう奴いるな…という喋り口調で映像が見えるようでした。
実在するものが出てきますので、どうなるんだろう…とワクワクです。


【短編小説】貓咪(マオミー)・エクソダス

lemonnight77さん

ネコが居ない…ということで半分くらい使っていて、いかに表現を削って要素を詰め込むかに頭を悩ませていた私は衝撃をうけました。
ネコが居ない…で400文字以上使うなんてっ!!!
とてもシュールな世界観で私はこの物語に没頭してみたいです。


グリッチマン

高柳総一郎さん

何かよくわからない感じが好きです。
バグっているものがバグっている思考で世界を見ている感じ?
この後、どうやってこの世界にピントがあっていくのかな~と気になります。


幸運の女神

デッドコピーたこはちさん

主人公が立っている場所の情景描写で半分以上文字が使われていて、驚きでした。
しかもその文章が美しい…。

私は臆病なので、これができません。もう少し先まで書いておきたいと思って、情景描写はごっそり削ってしまうかも。
それをしないでもこんなに惹きつけられる世界を作れるのだ!!と感動してしいます。


75年ぶりの挑戦者《チャレンジャー》

へるまさん

本題に入る前に、エドモンド・ハンクマンの性質た生い立ちについて淡々と説明が続くのですが、それが、とてつもない味わいとなって最後の一文に注ぎ込まれます。
ぎゃっふん、です。


天不動説

景山八十八 (かげやま やそはち)さん

独特な世界観の中に一気に飛び込める800文字です。
超大作…大河ファンタジーの予感をさせる始まりでワクワクが止まりません。


ヒュドラを運ぶ

大塚葛さん

引き込まれる文章でした。
何からかわらないけれど、逃げている。川を泳いで子供たちをひとりずつ運んでいる母親…。
私も母親をやっているので、胸が苦しくなりました。
啓子のことを私はもっと知りたい…。


Damian 6

狐さん

興味をそそられる内容でした。山羊が怖いです。
ダミアン・サンダース、どうするんだ~!!!

ここから先を知らずにはおれない感じです。


ぼくは(狂った)王さま

グエンさん

すごく狂っています。
最後には、あれ?ここはどこ?となりました…。

こんな出だしの絵本があったら私は即買います。
この先は子どもが読めない感じになるのかしら…。



以上が私がいいな☆と思った物語の冒頭でした。
作者さんの意図と違った解釈してるところもあるかもです。そこはご愛敬で…。

さて、次は、ライナーノーツ的なことをやりたいと思います。
私はいろいろな人のライナーノーツを読むのが好きなので自分も書いてみてます。


◎物語の冒頭を書くにあたってまずは…

やってみた方は解ると思いますが、800文字で「これはやべぇ…」と思わせるのって本当に難しいんですよ。

世界観の説明と、物語のとっかかりくらいを言って終わってしまう。

それだと逆噴射小説大賞では弱い…。弱いのです。

で、何となく、既存の物語の中で逆噴射小説大賞っぽくできるやつって何かなーとか考えていました。
(ネタが降りてこなかったので…)

↓これ、何かわかりますか?

家を空けていた主人公が山の自宅に帰ると、家族全員が惨殺されている。唯一の生き残りの妹を見つけるが様子がおかしい。彼女を背負って山を下りている途中で妹は鬼化し、偶然通りかかった鬼殺隊を名乗る剣士に兄妹は救われる。剣士はとある人物を訪ねるよう主人公に言いその場を去る…。

ニューヨークのストリートキッズのボスである主人公は、マフィアがらみで銃撃され瀕死となった男から “ある言葉” を聞かされる。その言葉はベトナム戦争で廃人となってしまった兄が度々口にする言葉だった。
主人公は、かつて自分を男娼として使っていた親代わりのマフィアのボスがこれらのことに関わっていると推測する。

近未来東京。新型兵器によって破壊された旧市街を、主人公のバイクチームが走行中、仲間の一人が事故ってしまう。駆けつけた主人公はその現場で白髪の老人のような子供を目撃する。が目の前で子供は消える。事故の処理になぜかアーミーが対応にあたり、事故った仲間も回収されて音沙汰なくなってしまう…。

上から、『鬼滅の刃』『BANANA FISH』『AKIRA』です。

これくらいやりたい!! と思いながら妄想を膨らましていたのですが、凡人にはなかなかこんな発想は出て来ませんね…。
やっぱり自分が書けることを書こう…ということになりました。


戦争解体屋

ひとつは戦争をテーマにしようと漠然とイメージはありました。
キナ臭いパルプ小説を書くにのにこの世界情勢は無視できないな…って思ったんです。

紛争や戦争がなぜ起きているのか…をいろいろな方向から調べたりしていると、これでは人類は永遠に戦争から抜け出せないな…って思うのです。

話し合いで解決できないほどに事態はこじれていき、報復の報復…人命救助のための攻撃…信念を貫くための戦い…自分たちの居場所を守るための戦い…。
こうして戦う他に道はなくなっていきます。そこに、外部からの介入もあって、どんどん状況は悪化していく…。

正義の名の元に剣を振りかざして相手を徹底的に壊滅的に根絶やしにしても、火種は消えないし戦争もなくならない。
主導者を殺しても信念や思想はなくならない。

これ、どうしたらいいの? って私にはもうわかりません。

もしも我々の生活の中に戦争がやってきたら、我々は戦うのか?
…きっと戦うだろう。目の前のことだけで精一杯になって、生きるために戦うだろう。どうしたら手を止めることができる?

私はかつて、もしも、人類が共通の脅威に晒されたら、戦争などしている場合ではなくなるのでは? って考えていました。

例えば、地球外知的生命体がやってくるとか…。

戦争とかしてる場合じゃなくなるでしょう??

そんなことを考えている中で、あれが起こりました。

新型ウィルスのパンデミック。

世界の主要都市がロックダウンするなんて、本当にSFみたいなことがありました。
世界中がひとつの脅威にさらされたのです。

だけども、人類は戦争をやめていません。むしろ悪化してる?

…いや…これ宇宙人来てもダメなんじゃ…。
そう私は思いました。

そんな中で私は「戦争を終わらせる」物語を書きたいってずっと思っているのです。
人類はなぜ戦争をするのか…。これは私には永遠に解らない問かもしれません。

みんなが平和を望んでも戦争は終わりません。
当事者たちは話がこじれまくっている。戦うことを止められない。

それだったら、戦争屋が戦争を終わらせるとしたらどうするのかなって思ったのです。

なんだけど、本当に血も涙もない部外者の戦争で儲けている奴を主人公にしてしまうと、お話として熱量が足りませんでした。

それでこんな感じになったのです。

逆噴射小説大賞としてはちょっと弱いですかね。
でも書きたいように書けたので満足してます。

この続きは私にはまだわかりません。。。
戦争の神 セトに委ねます…。


遺物混入

最初に書いたやつがちょっと固めだったので、もうひとつはバカっぽいのがいいなと思いました。

実は全く別の物語を1本書いたのですが、没にしてます。
その没のやつは、一部屋に一体、神のような悪魔のようなものがいて、全部で四二〇体。それらを破壊することで解放していくというお話でした。
なんかありがちになってやめました。

この「遺物混入」はそのボツったお話の影響も少しあるかも。

私は前々から気が触れた人の独白みたいな文章を書いてみたいなって思っていたので、最初の方でそれをやってみました。
狂っている人がまずいて、それより狂ってるもので上書きされる物語…みたいのをやってみたかったのです。

でもずっと狂ってるだけでは面白みがないので、もういくつかの視点を追加してみました。
最後の一文が蛇足だったのかどうか…。

と、いろいろ考察ぽく書いてみたけど、結局、腐れチンポって言いたかっただかもしれません。



以上です。

毎回、投稿を終えて他の作品を読みに行くと、自分の物語は薄味だな~ってヒシヒシと感じるほどに、みなさんの熱量がすごいです。

・・・

あとは結果発表か…。毎回、今度こそ全滅?…と思いながら待つこの期間。
くるしい…。

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