発達を促す室内遊び☆大きなお出かけより小さな経験!①

世間様は夏休み。
親にとっては色んな意味で試練の1ヶ月強ですね。

通級で発達に偏りのあるお子さん達を指導していた経験から、

「夏休みは生きる力を育むチャンス」

「特別なお出かけに一回連れていくより、毎日家でほんの少しずつ、一緒に遊んであげて!」

と声を大にしてオススメしたい!

ということで、今回は、忙しいパパやママでもお付き合いできそうな、ちょっとした室内遊びを、お子さんの伸ばしたい力に分けて、オススメします。
(長くなるので、記事を分けます。すみません!)

発達の偏りの有無に関わらず、全てのお子さんにオススメです。

なお、幼児でも小学生でも中学生以上でも。
興味を示すなら、年齢なんて気にせず、どんな遊びも、どんどんさせることをオススメします。
興味がある……それってつまり、今のその子の求める知的刺激だということ。「今更?」とか「もう?」じゃなく、たまたま、このタイミングだったんです。




言葉の発達を促したいなら


おしゃべりを上手にしたい、口数や語彙を増やしたい、そんな時にオススメです。

どれも、「なんだ、ソレか。知ってる」というようなレベルの遊びですが、忙しくしていると、「一緒にやったことはある」けど「恒例化はしてないなぁ」という方が多いのではないでしょうか。

●しりとり

    言語性⤴⤴ 
    ワーキングメモリ⤴  
    ソーシャルスキル⤴

語彙を増やす! といえば、まずオススメしたいのが「しりとり」。
何せ、道具も何も必要ない♪
なんなら、改めて時間をとる必要もない♪

家事をしながら、移動しながら、「ながら」でできちゃう!

そもそも、単語を知らないとできないのが「しりとり」です。
あえて子どもの知らない単語を出して、「これだよ」とスマホ画像表示等で教えるのもオススメ。
語彙が増えたら、「食べ物の名前」や「動物はナシ」などのシバリをつけてもイイですよね。

言語性の中でも、語彙力、聴覚情報処理力のトレーニングだと感じています。
わたしは教室では、「あんまり喋りたがらないない子」「いつも同じ返事ばっかりの子」「ヒトの話を聞くのが苦手な子」とやっていました。
「声を出すのが嫌な子」とは、紙に文字や絵で。まぁ、その場合、聴覚情報処理じゃなく視覚情報処理になっちゃいますけど。

また、「一度出たものはNG」とすれば、既出単語を覚えなくてはならないため、ワーキングメモリ(短期記憶)のトレーニングにもなります。

順番を守る、シバリを守る、場所に合わせた声の大きさに調節する、といった面は、ソーシャルスキルトレーニングです。
どれだけ楽しくとも、「食事中にはやらないよ」なんてマナーを意識させるのも、ソーシャルスキルトレーニングになりますよね。

↑「しりとり」ベースのカードゲーム。
    ある程度大きなお子さんなら、辞書やスマホ片手に調べながら挑戦するのも楽しいです!


●読み聞かせ

   言語性⤴⤴
   集中力⤴
   想像力⤴

これまた王道。
寝かしつけに利用している方も多いことでしょう。

ちなみに、文字を覚えさせたいなら、紙の本を一緒に読むことがオススメです。

文字を単語単位で捉える力を育てたいなら、『ミッケ』のような遊び絵本を。
これは視覚情報処理能力を鍛えるヴィジョントレーニングにもなります。

起承転結や、文脈の捉え方に関する感性を育てたいなら、物語絵本や図鑑などの説明文を。
なお、こちらの力を伸ばしたい場合は、必ずしも紙の本は要りません
昔話をそらんじてあげても、その場の即興話でも、整合性の取れた話であれば十分です。

注意したいのは、荒唐無稽な話。
大人はその荒唐無稽さを楽しめるのですが、子どもは、荒唐無稽かどうかの基準をまだ持っていません。
荒唐無稽が「あたりまえ」になってしまうと、自分で作文を書く時に苦労するようになってしまいます。


●(遊びじゃないけど)日常会話

   言語性⤴⤴
   ソーシャルスキル⤴⤴
   愛着⤴⤴

何気に一番大事です。
子ども達が「聞いて!」と来るのは、なぜか大抵、大人が忙しくしている時。だから、ついつい、後回しになりがちですが……

今聞いとかないと、喋りたがらない子になっちゃうかもしれません。
喋り慣れてなちから喋らない、という子、わりと多い印象です。

「家事しながらでイイ?」
「疲れてるから、5分だけね」

など、条件をつけてでも、会話の時間を取ることをオススメします。
わたしは、お風呂や車の中を、会話チャンスと捉えていました。

子どもは常に学習中。
そのため、聞いて貰えない経験が重なると、話すこと自体を諦めてしまいます。また、なんとか聞いてもらおうとして、嘘話ばかりするようになることも。

おやつを食べながらおしゃべり!一緒に休憩!

育児中は、おしゃべりするゆとり、なかなか難しいですが、おしゃべりすることで家族が円滑に回り、ゆとりが生まれることもありました。


●カルタ

言語性⤴⤴
知覚推理⤴
ソーシャルスキル⤴

お正月遊びのイメージの強いカルタですが、ぜひ、オールシーズンやって欲しい!

ただ……時間、かかるんですよね。正直、わたしも仕事では多用すれど、家ではあまりできていません。

ただ、読むのも取るのも、ホント、あらゆらトレーニング要素を含んでるんです。

読み手であれば、文字の認識読解、文中の単語や文節の認識、読む声の強弱や速度の調整、全体の進行の把握……などなど。
言語性、視覚認知、ソーシャルスキルの練習ができます。

取り手であれば、聴覚情報処理、集中力、反射速度、視覚情報処理
言語性だけでなく、知覚推理の分野も強化できます。
さらにさらに、勝ち負けがある遊びなので、ソーシャルスキル、アンガーコントロールの練習にも。

百均には、いろんな種類のカルタが並んでいますし、印刷環境があるのであれば、ネットに無料のものもいろいろと出ています。
頻繁にやるのは時間的に難しい遊びのため、お盆休みのような、人が集まって遊び相手が確保できる時は、カルタチャンス。
何度かやることで、文を暗記し始める……ワーキングメモリや語彙の強化にも繋がりますし、ぜひ、遊びの候補に入れてみてください。


室内遊びは可哀想じゃない


「旅行に連れて行ってあげたいけど人混みは嫌」
「暑すぎて無理!」
「お金も時間も……」

ここ数年、我が家でも立ちはだかる問題です。

でも、そういった大きなことについつい、目が行きがちですが、実際のところ、日常の力になるのって、どこかに出かけた思い出よりも、日々、家族とやった細々としたあれこれの経験じゃないかと思っています。

アナログな遊び、昔遊びには、子どもが経験しておくべきあれこれが詰まっています。

今回は言語性に焦点を当ててオススメしました。
おいおい、他の分野を育てるのに良い遊びもオススメしていきたいと思っています。
……まぁ、いずれも、昔遊びや、大人世代が幼い頃やった地味な遊びのあれこれなんですけどね。

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