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【駐在同行、決断を後押ししてくれた言葉】
おそらく、多くの駐在ファミリーが、駐在同行生活をするにあたって、不安や迷いと葛藤しながら渡航されたと思います。
私自身も大いに迷い、まるでブランコのように気持ちが変わりました。
結婚当初から、夫が海外赴任を希望していることは分かっていましたし、コロナ前には一度赴任内示の経緯があったので、ある程度心づもりはできていました。それでも、いざ渡航となると、やらなければないタスクがあまりにも多く、「やっぱりやーめた‼️」と言えたらラクなのに、と思ったことは何度もありました。
私が渡航に際して不安だったことは、大きく2つありました。
①夫と2人だけで子育てできるのか。
私たちは、結婚当初から実家のすぐ近くに住みました。夫が1か月ごとに海外出張に出る生活だったので、家事育児の多くを実家の両親に助けてもらっていました。そうしたサポートが一切なく、海外で本当に育児ができるのか。ましてや、当時は任地に子連れ赴任されている方はいらっしゃらず、子ども周りの情報は一から集めなければなりません。今でこそ、市内に住まれている日本人ともご縁をいただいていますが、それも赴任1年ぐらい経ってからようやくでした。そうした陸の孤島のような場所で、子育てにまだまだ不慣れな夫と二人だけで子育てができるのか、とても不安でした。
案の定、私のキャパシティはすぐにオーバー。気持ちが不安底になること、夫婦でぶつかる事もしょっちゅうでした。
ただ、1年ぐらい経ってようやく、それまで両親ありきの子育てだったのが、夫婦で取り組むもの、夫は子育てのパートナーなのだと意識を変えることができました。
夫とのパートナーシップについては、また別でまとめたいと思います。
②次男の健康問題
早産で産まれた次男は、出生児1400gの極低体重児でした。出生後、1ヶ月半の入院を経て退院することができました。
1年間は経過観察のために月に1度は大学病院に通いました。
幸い大きな問題なく過ごせましたが、日系クリニックはもちろんない環境で、もしも緊急な対応が必要になったらどうしようかと、不安でした。
担当医とは、夫の赴任前から何度か相談していたのですが、子どもの成長がある程度順調だと目処がついたころ、先生の言葉が、私の迷いを振り払ってくれ、渡航を決断することができました。
「父親は、子どもと一緒にいないと、なかなか父性って育ちにくいからね。」
あくまでも、個人の考えと前置きした上で、先生のご親戚の経験などを踏まえてお話してくださいました。
おそらく、次男が入院中、毎日面会に行っていた私とは違って、数えるほどしか面会に行けなかった夫のこと、我が家の事情も気にかけてくださっていたのだと思います。
ですが、担当医のこの言葉が「夫婦で一緒に子育てしたい。」という私の本心に改めて気づかせ、決断を後押ししてくれることになりました。
もちろん、それぞれのご家庭の事情、仕事内容など様々な理由で駐在同行できない方もいらっしゃると思います。また、お子さんの年齢、特性から、必ずしも同行することが家族の最適解ではないと思います。
ただ、私にとっては、あの時、担当医の先生に相談し、決断したことで今があると思うと感謝しかありません。父ちゃんが大好きな子どもたち。この先、例え先に本帰国することになっても、この2年5か月を一緒に過ごせたことはとてもよかったと思います。