2023年NHKマイルカップ 予想

全頭診断

簡易能力表

「最高速度」「瞬発力」「持続力」について
走法より推測
「東京競馬場」「良馬場」という条件で想定
距離適性による道中の消耗は考慮していません。
道悪適正についても想定のずれが大きくなりそうなので考慮していません。詳細は各馬の走法の欄を参照

簡易走法表

太字は手前によって差がある部分
詳細は各馬の走法欄を参照

①フロムダスク

【走法】
前肢は柔らかく回転させて、やや曲がった状態で中程度の位置まで上がって間もなく振り下ろす動作に入りながら伸び切り、そこからしなるように振り下ろして、強めに地面を叩く形。跳びは低いが後肢を引き付けた時の溜めはあって、前後の連動性も良いので多少伸びやかには走れている。ただ、終始首の位置がやや高めなので前肢の着地点が体に近い位置になってストライドが伸びきらない。また重心が高めで地面への力感が薄いので道悪も合わないだろう。
【過去レース】
(2走前)8番/10頭 / 3着 /武豊J
スタート1テンポ遅れたが強めに促してすぐさま先頭を奪取。直線入って残り500m辺りから追い始めるが、300mあたりですぐ後ろを走っていた2頭に躱されて差を広げられての3着。スタートで多少脚は使ったが影響も少なそうで、道中ペースを落として前を行った馬で決まる展開なので評価はできない。相手関係もまずまず。
(4走前)7番/18頭 / 2着 / 戸崎J
スタート上手く出たので少し促して逃げる形に。終始淀みないペースで、単純に内前を走った馬での決着。勝ち馬は良かったが、このトラックバイアス、内めの枠から簡単に逃げた上での結果なので、2着とはいえさほど評価出来ない。
【総合評価】
ストライドが伸びきらないので基本的には府中の直線はベストでは無いが、これまでのレースを見ると距離が短ければ回転力とのバランスでこなせているのだろう。
展開について、最内枠からなのでやはり今回もいつも通りに逃げたいのでは。国内の近2走ではゲートの出が悪いが、外2頭が出していくタイプでは無いので初っ端から埋もれることはなさそう。ただ、その外からはゲートの出が良く前に出ていくタイプが揃っているので逃げる形に持って行けるかは微妙。現実的なラインは4番ショーモンの後ろか。入りのペースは早くなりそうだが、短い距離を走ってきた当馬にとっては無理なペースではない。ただ1600mは長いので、この馬にとってのベストは前めのポジションにつけて道中ペースは落ち着いたペースで、直線勝負に持ち込める形。マイルG1においてそれが叶う可能性は薄いが仮にそれが叶ったとして、それでも府中の直線向きでは無い走法、更に道悪ともなると着内は厳しいと評価する。
→D評価

②モリアーナ

【走法】
前肢は柔らかく使って回転力高めで、程々の位置で伸びきってから折れ曲がりながら地面を叩く形で、掻き込みまではいかないものの力感はそこそこ強め。跳び低めで後肢の使い方に特に目立った特徴は無いが、前後の連動性が素晴らしく、回転力に対してストライドもそれなりに稼げている。トップスピードも持続力もある程度のレベルがありそう。回転力とストライドのバランスが武器なので府中コースは直線勝負に持ち込んだ方が良さそう。ハイペースラップになってもある程度はやれるとは思うが、ストライド優位で持続力に長けたタイプには粘り負けしてしまうかもしれない。
馬場は稍重くらいまでなら特に影響は無い。
【過去レース】
(1走前)14番/16頭 / 4着 / 武藤雅J
スタートは5分、出たなりで道中は中団前方、内3頭分開けた外側を追走。3-4角間早めに手を動かして位置を押し上げ、直線向いた時には大外4番手。直線では伸びきれず4着。道中ロス大きく早仕掛けで一見負けて強しの内容だが、前傾ラップの内前潰れ、外伸び馬場であったこと、また走法的にも中山は良さそうで過剰には評価できない。
(2走前)3番/16頭 / 3着 / 武藤雅J
スタート5分、内枠からだが出たなりペースでポジションを下げて内ラチ沿い中団後方で追走。4角で外に持ち出して追い出したが前2頭をギリギリ差し損ねての3着。相手はハーパー、ドゥアイズ、イングランドアイズの実力馬3頭で、どれも上手く立ち回っての結果。レースラップはラスト1F失速したものの基本的には持続ラップ。内ラチ沿い後方で走って脚を溜められた当馬のみスローからの瞬発力で伸びる走りになっており、この馬にとってはこれがベストで、前について行く形であればもう少し着順は下だったように思う。外から伸びたこの馬が1番強く見える内容だが、同等程度の評価としたい。とはいえやはり相手関係は強かったので素晴らしいレースであった。
【総合評価】
展開について、スタートは5分に切れるタイプなので押せば内枠から先行して行けそうだが、NHKマイルCに多く見られる入りが早くて直線外差し有利の傾向を考えると控える競馬をしてくるのでは。横山典Jは馬のリズムを大切にする人ということもあり、その可能性が高い。ちなみに武藤調教師は横山典Jの事を「皆ポツンを期待しているかもしれないが、その意表を突いてくる騎手」と評した上で「“過去レースを見てイメージが掴めた”と言っていたので展開はジョッキーに任せる」と言っている。
展開予想を踏まえた上で、後方で溜める展開で最後は内側を突いて末脚を発揮してきそうだが馬場が重すぎるとさすがにいっぱいになりそう。しかしスムーズに外側好位に出して運べたら怖い存在。外に出しすぎると逆に持続力の限界で最後は脚が上がりそう。今回は内を突く方に賭けてみる。
→C評価

③ウンブライル

【走法】
前肢は投げ出すように上がって低めの位置で伸び切り、そのまま曲げられながらやら掻き込み気味に地面に入る形。跳びは低いが後肢の可動域は広く、多少ストライドは伸びている。全体的に低い位置で四肢を回転させる形はピッチ優位で瞬間的なスピードは高そう。前肢の掻き込みや、首の使い方の硬さからもパワーも高そうに見え、道悪は相対的に良いだろう。ただ、全体的に忙しすぎるので府中の長い直線が合うとは思えないし、直線瞬発力勝負ならまだしもだが、1600mも基本的には長い。
【過去レース】
(1走前)15番/16頭 / 2着 / ルメールJ
スタートつかず、中団後方外側につけて追走。3-4角中間あたりで早めから手が動き始め、直線も後方外側からじわじわと伸びていき、勝ち馬を差しきれずの2着。レースラップは前傾で、馬場も外側を回ってきた馬が伸びる外差し展開が向いた。中山の稍重ともなるとパワーも求められそうで、この馬の走法もハマった感じはある。
(2走前)15番/16頭 / 6着 / ルメールJ
スタート5分。やや促しつつ中団外側
4角から手が動いて進出を図るが伸びきれず。最後はやや失速を見せて6着。走法評価通り、府中の長い直線は厳しいのだろう。
【総合評価】
展開について、内枠スタートになったがゲートの出が悪いこと、外側に先行馬が多数居ることを考えるとかなり控える競馬になりそう。ラチ沿いをロスなく運べる分距離の融通は効くので懸念事項は1つ減るが。道悪もパワー質な走りの当馬にとって有利に働きそうで、あとは展開が向くかどうかと、持続力をどこまで評価するのかという点のみ。
展開予想を踏まえた上で、外を回してくるなら最後はいっぱいいっぱいになりそう。ストライド優位では無い馬の府中大外一気はあまり評価できない。仮に終始内側を運んで、そのまま内を突いてくるなら3着までならあっても良さそうだが、今回は外に出す方に賭ける。
→C評価

④ショーモン

【走法】
前肢の使い方が非常に柔らかく、靱やかに回転させて地面を力強く叩きつつも脚抜きは軽やか。跳びは高く後肢の可動域も広め。前後の連動性も良く滞空時間も長いので、とても綺麗な形でストライドを伸ばせている。後肢の蹴り出しのしなり方は標準的で、全体的な体の使い方からもスローからの直線勝負などではキレ負けしそうで、確実にハイペース〜ミドルペースがベスト。ストライドの大きさからも広いコースの適性は高そう。ただ、滞空時間に頼って多少ゆったりとした体の使い方はマイルG1での極限の時計勝負になればどうか。という気もするが、多少の道悪なら面白い。ストライドの大きさからも、回転力で勝負する馬に対して消耗度合いの面で相対的に有利になりそう。
【過去レース】
(1走前)1番/18頭 / 3着 / 鮫島克J
スタート上手く出て、二の脚もついたが外2番ユリーシャ、4番セッションも同じタイプで逃げ争いに。セッションは早めに諦めたが、ユリーシャがなかなか諦めず、しばらくら2頭で争った後にユリーシャに譲る形になった。ただ、ユリーシャがそのまま飛ばしていって大逃げになり、馬群のペースメイク、実質的な逃げ馬はショーモンであった。レースラップが途中までユリーシャの刻んだものなので正確には分からないが、恐らく入が早くなった後は12.0前後の無理ないペースで追走したのではないか。直線は内2頭分程度開けて入って追い出し、最後は後ろから伸びてきた馬もいたが粘って粘って3着。前有利に見えそうな展開だったが、1着2着を見るとパワーのありそうな馬。馬場による影響が大きいのかもしれない。同タイプの4番セッションに負けたのに関しては、馬場の重さも阪神の急坂も走法面でパワーが1つ上なセッションの方が向いたと感じる。また、序盤に長く脚を使わされたのも痛かった。
(2走前)10番/10頭 / 1着 / 松山J
スタート5分。促しつつじわじわと前に出していくが、内9番プッシュオンも同様に出していき番手争いに。プッシュオンが下げて番手を確保した後、逃げ馬をびっしりマークする形で追走。直線入りで並びかけて抜かすと、内するりと抜けて来たプッシュオンとの競り合いに。一瞬離されるが、じわじわと伸び続けて差し切って1着。先行した馬同士の決着とはいえ、最初に脚を使った上で、ラスト1F減速する展開を粘って粘って勝ちきったのは当馬の持続力の高さを伺わせた。
【総合評価】
展開について、内の偶数枠4番に入ったので、前走同様出してくのは間違いなさそう。スタートも二の脚も良いので難易度は高くない。そのまま逃げられたら逃げるし、強引に競りかけてくる馬がいるなら早めに譲る判断をするだろう。逃げ争い候補は、フロムダスク、オールパルフェ、セッション、ドルチェモア、ユリーシャ、カルロヴェローチェあたりで、その内1頭くらいは被せてくるかもしれないので現実的には2~3番手あたりか。オールパルフェ、ユリーシャあたりは特に怪しいが、各馬の展開予想はそれぞれの診断で触れる。
展開予想を踏まえた上で、割と控える位置になりそうだが逆にそれがいい。序盤になるべく脚を使わず、直線に入って持続力勝負に持ち込めばかなり有力。
→S評価

⑤シングザットソング

【走法】
前肢の使い方が少し硬め。やや低めの位置で伸びきって折れ曲がりながら地面を撫でるように入る形で、跳びはやや高めで、一定の間隔で後肢を強く蹴り出している。前後の連動性がイマイチで、首が低いのもあって跳びの高さをストライドに繋げられておらず、のめった形で全体的な姿勢は前傾になっている。ピッチ優位で四肢を低い位置で動かしており、回転力は高くスピードがあるが府中の直線では持久力面で評価しづらい。そもそも1600mも長いのではと感じる。
【過去レース】
(1走前)12番/18頭 / 7着 / 岩田望J
スタート5分。促して先行しやや外側4番手辺りにつけて、3角入り前に内のスペースが空いたのを確認するとスっとラチ沿いにつけてロスなく追走。直線を向いて追い出しに入るが全く伸びず、前の馬にも離されて7着。勝ち馬以外は前めにつけた馬で決まる展開。やれるだけのことをやってこの結果なのだからやはり1600mは長いと評価せざるを得ない。
(2走前)12番/18頭 / 1着 / 吉田隼J
スタート上手く出たが、内から出していく馬が多くポジション取りに苦労しそうと見てか、先団後方内3頭分くらい開けた外側につけて追走。直線に入って間もなく追い始め、スっと伸びると前を躱して先頭に立ち、後続の追っ手を寄せ付けつつも粘り込んで1着。終始外を回すロスはあったが、入りが早くなった展開で先行を譲ったのが良く前を走った馬に対して有利になった。追い出すと素直に反応できる瞬発力。一瞬のスピードも評価できる。ただし、阪神1400mは内回りなので使える脚は短いのだということも分かる。
【総合評価】
展開について、吉田隼人騎手は既にこの馬に何度か騎乗しており、これまでのレースと枠を考慮すれば、前走同様に先行してなるべくロスの無い位置を運びたいと考えるだろう。並び的にはやはり最初に狙うのはショーモンの1つ後ろあたりか。
展開予想を踏まえた上で、ロスなく運べそうではあるのだがやはり走法的に評価は出来ない。
→D評価

⑥エエヤン

【走法】
前肢の使い方は少々ダラっとした感じで、地面をやや掻き込むような形で入っている。跳びは低く、地面への蹴り出しの強さからも、前後のグリップ力は高く、それを生かせる馬場が良さそう。前後の連動性や前肢のゆったりとした回転からある程度の滞空時間はあるが、強調できるほどストライドが大きいという訳でもなく府中コース適正の面では推しづらい。絶対的なスピードがあるタイプでもないので、時計もかかった方が良い。
【過去レース】
(1走前)5番/16頭 / 1着 / M.デムーロJ
スタート5分。やや促したら必要以上に行きたがったので抑え気味の形で内ラチ沿い4番手の位置を確保。2角出口でやや外に持ち出し、内2頭分程度開けて追走。3角入りでは上手く外側を走っていたと前の馬とスペースを見つけて体を入れ、3番手の位置を確保。4角→直線入りでは大きく外側に持ち出して、直線を向いてもやや追い出し我慢して、手を大きく動かしたのはラスト300mあたりからで、追い出すと一気に末脚が弾けた。内側を走った馬が壊滅する馬場、直線瞬発力勝負に持ち込んでの完勝。まさに100点の騎乗だった。馬場やコースへの適性もありそうで、それを考えるとこの着差をそのまま評価はしたくない。
(2走前)4番/12頭 / 1着 / M.デムーロJ
スタート決まって二の足もつき、逃げる形になりそうで馬も行きたがっていたが抑えて外から来た馬を行かせて番手で追走。3-4角でも逃げ馬に終始並びかけながら抑えられ続け、手が動き始めたのは残り200mあたりから。相手関係を考えても、単純に能力で勝った感じ。
【総合評価】
スタートは安定して上手いタイプではないのだがこれまでのレースを見ると、かなり行きたがる面があるようでいつも抑えられている。外側から被せる馬がないと終始喧嘩になりそう。
展開について、内枠からなのである程度は先行しそうだが、気性面を考慮すると狙いたいのは内側。内から行きそうなフロムダスク、ショーモンの後ろあたりか。外から被せてきそうな馬も沢山いるので今回に関しては最初さえ抑えられれば折り合いは問題なさそう。
展開予想を踏まえた上で、今回はロスなく運んで脚を溜められそうで、展開と馬場は最高なのだが走法的にはそこまで評価できない。
→C評価

⑦オールパルフェ

【走法】
前肢は適度な位置で柔らかく回転させてやや低めの位置で伸びきった後地面を強く叩くように入る形。地面へのタッチは強めで脚抜きが若干重くは見える。跳びはやや高めで後肢はしなるように蹴り出されているが前後の連動はイマイチで、後肢の蹴り出しから前肢の着地までが早くてあまりストライドは伸びていない。首の位置、全体的な重心もやや高めで、ぴょこぴょこしたような走りになっている。前肢の捌きの強さからも馬場がある程度湿っても影響を受けるタイプでは無いが、府中の直線ではスピード負けしそう。持久力勝負になってもストライドがさほど大きくないので厳しい。
【過去レース】
(1走前)11番/16頭 / 7着 / 大野J
スタート上手く出て、やや促してじわじわと出していき、前の馬とやや間隔空いた4番手につけて内ラチ沿いを追走。4角→直線入りでロスありつつも大きく外に出し追い出すが一瞬伸びた後失速して7着。中山コースへの適性は決して悪くなさそうで、重馬場の急坂で伸びるほどの力感は無かったと見るべきか。
(2走前)3番/17頭 / 6着 / 大野J
スタートを決めて、1つ内から更に良いスタートを決めていた3番ドルチェモアとしばらく競り合った末にハナを奪って逃げる形に。直線に入ってもじっと我慢して、手が大きく動いたのは残り300m辺りから。残り150m辺りまで先頭を譲らなかったがそこから大きく失速して6着。結局ほぼ外差しで決まったが、ハイペース逃げでここまで粘れたのはそれなりに評価はしたい。
【総合評価】
馬場による影響もあっただろうが、これまで逃げてきたのを前走控えて失敗している。基本的には逃げて粘ってのキャラ。
展開について、前回の反省も踏まえて前に行きたいはずで、今回はそれなりに良い枠にも入ったので、無理やり若しくは暴走気味に逃げる馬さえ出てこなければこの馬が行きそう。
展開予想を踏まえた上で、序盤に脚を使う可能性が高いこと、また走法的にも重馬場の府中ではあまり評価できない。
→D評価

⑧セッション

【走法】
前肢はゆったりと投げ出すような感じで上がって高めの位置で伸びきって、力強く振り下ろしながら地面に掻き込み気味に入る形。パワーがありつつも、跳びは高めで後肢の可動域も広く、前後の連動性も良いので大きなストライドで走れている。全体的にゆったりとした走りではあるが、一定のペースで体を大きく使う走りから持続力も高そう。スピード感は無く本質的にはマイル馬という感じでは無い。キレは間違いなく無いので前に行けるかどうか。そしてどこまで粘り込めるか。道悪で相対的にチャンスにはなりほう。脚質含め、タイプのイメージはショーモンに近い。走法のみの部分では前肢の入りの深さ的には良〜稍重ならショーモン、重〜不良ならこちらを評価したい。
【過去レース】
(1走前)4番/18頭 / 2着 / 団野J
スタート上手く決めたが、内1番ショーモンと2番ユリーシャが更にスタートを決めており、どちらも譲る気配が無かったので少し抑えて3番手、内1頭分開ける形で番手(実質的な逃げ馬)のショーモンをびっしりマークして追走。直線に入って手が動き、しばらくショーモンとの競り合いになるが、残り300mあたりで鞭が入るとグンとひと伸びし先頭に躍り出る。残り200mあたりで手前を右→左に変えて一瞬もたついた隙にショーモンに差し返されかけるが、再び競り合いになってショーモンにはクビ差勝ち。しかし外から伸びてきたオオバンブルマイに躱されて2着。単純にパワーのある馬で決まったような展開だが、番手から粘った持続力は評価したい。
(2走前)8番/10頭 / 7着 / ムルザバエフJ
スタート5分。促して前に行き、内1頭分空けた外側2番手につけて追走。道中スローペースからの直線勝負の形になったが、4角から手を動かし始めるも直線を向くなり外側から後続に並びかけられて馬群に沈んでいった。馬がバテたというよりも単純にトップスピードで負けた感じ。瞬発力勝負が合わなかった。
【総合評価】
トップスピードと瞬発力は無いが持続力には長けており逃げて粘ってのタイプ。
展開について、前には行きたいだろうが、前走(実質的な)逃げ馬をマークして直線躱しにかかって成功したので同じ展開に持ち込みたいはず。1つ内のオールパルフェが行きそうなのでそれについて行く形が濃厚か。
展開予想を踏まえた上で、この馬にとっては苦にならない展開で行けそうで、展開と馬場は最高なのだがスピード面で疑問が残ったので評価は下げた。
→C評価

⑨ナヴォーナ

【走法】
前肢は中程度の高さまで上がって綺麗に伸び切り、しなやかに曲がって軽めに地面を叩くような形で入っている。跳びは高め、後肢は可動域広めで引き付けてグッと一瞬溜めがあってからややしなり気味に蹴り出される形。前後の連動性はイマイチで後肢の蹴り出しから前肢の着地が早くなっており体を大きく使えてはいないのだが、後肢の影響で一完歩あたりは大きく、いかにも府中向き。また、首が高く使い方も固い影響で地面へのタッチが軽くスピード質な走りになっている。力感の薄さは逆に道悪では評価を落とさなければならないが。
【過去レース】
(1走前)5番/18頭 / 7着 / 川田J
スタートやや遅れ、出たなりで中団内ラチ沿いにつけて追走。4角→直線入りで追い出しながら大きく外に持ち出したが、直線全く伸びず7着。
ストライドも小さくなって、かなり重馬場に脚を取られていたように見えた。
(2走前)2番/16頭 / 1着 / 坂井J
スタート5分。ポジションを下げて中団でラチ沿い内1頭開けた位置を追走。3-4角で外に運びつつ、直線では大外に持ち出して、残り400m辺りから追い始めると一気に伸びて1着。道中スローペース、直線を向いても前の馬が追い出しを我慢するほど先行馬にとって余裕のあるレースで大外から馬群を飲み込むのは、当然能力の差もあったが適性の高さも伺わせた。
【総合評価】
展開について、スタートはまずまずだが促しても行き脚つかないタイプなので控えるだろう。
展開を踏まえた上で、どうしても後方からになりそうで、良馬場であれば末脚を生かす展開で良いものの、道悪ならば走法的には評価できなかった。
→D評価

⑩オオバンブルマイ

【走法】
前肢は適度な位置で伸びきって瞬発的に折り曲げながら地面を強く叩く形。跳びは若干低めだが後肢の可動域は広めで、追ってから終いの首の位置も低くなっており、硬さもないので前方向への推進力が高い。前後の連動性も高くストライドも伸びる形で府中の直線への適性も高そう。加えて全体的な重心が低く、地面への力の伝わり方も充分でスピードとパワーを高いレベルで兼ね備えている。ある程度の渋った馬場になればパワー面でも相対的に有利になって更にプラスか。低い位置で体を大きく使ってフルパワーで走る形は消耗が激しそうではある。
【過去レース】
(1走前)6番/18頭 / 1着 / 武豊J
スタート5分。軽く促して内のポジションを取りに行き、外から行く馬を行かせて馬群に入れて、中団内1頭分空けた位置を確保。直線に入って追い始めるが進路開かず、外に持ち出して鞭を入れ直すとじわりと伸びて最後は切れ味見せながらアタマ差差しきり。ハイペースのレースラップを中団馬群で溜めれたのも良かったが、スムーズならまだ着差のあった内容。パワーの要る馬場での切れ味は1級品。
(2走前)7番/17頭 / 7着 / ルメールJ
出遅れ。出たなりで後方集団内2頭分程度空けた外側につけて追走。4角→直線入りで追い出しながら大外に振って、内に入れながらグングンと伸びを見せるが追いつけず。ハイペース気味の展開で後ろに着けた影響もありつつ、伸び脚は良かったが出遅れが響いた形。最後の伸び脚だけで言えば同じく後ろの方から運んだ2着ダノンタッチダウンと同じか1つ下くらいだった。キレる脚はあるが、やはり馬場の助けは欲しい。
【総合評価】
展開について、メンバー的に前が早くなりそうなのであまり前には出して行かなそうで、出たなりの形が濃厚か。気性に問題があるタイプでもなく、重馬場なら外側が有利と見てスムーズに出して行ける外側の位置で運びそう。
展開を踏まえた上で、多少ロスはありそうだがある程度前が潰れそうなこと、馬場的に最後は他馬よりも切れ味を発揮できそうという点でかなり評価出来る。
→S評価

⑪シャンパンカラー

【走法】
前肢はゆったりした使い方でフワッと中程度の位置まで上がって、振り下ろしながらやや低めの位置で伸びきって折り曲げながら弾みをつけて地面を叩く形。追ってから終いの形は首が沈んで前肢の入りが深くなってやや掻き込み気味。跳びがやや高めで後肢を引き付けて溜めがあって蹴り出される形に加えて前後の連動性も良く、ある程度のストライドがあって、全体的な体の使い方も非常に柔らかなので瞬発力勝負よりも持久力勝負が良さそう。
前肢の力感に関して、序盤の形は渋った馬場に向いているとは言えないが、府中の長い直線なら終いの掻き込み気味の形である程度の距離を走れることになりそうで、ラストの伸びは良くなりそう。どこから追い出す展開になるか。道中に待ち受ける坂も課題になりそうで、差し損ねも視野に。
【過去レース】
(1走前)6番/16頭 / 3着 / 内田J
スタート5分。促して出していこうという所で内2番の斜行の影響で進路がなくなり抑えて馬群の中に入り、中団前走内3頭分程度空けた外側を追走。直線に入り追い出しを開始するが、前も外も塞がりややスムーズに行かない中で内に切り込みながら3着。外を通った馬が有利なレースではあったが、最初と最後にスムーズに行かない中で強いレースだった。渋った馬場、持続力の勝負もハマった感じ。
(2走前)9番/9頭 / 6着 / 戸崎J
スタート5分。内側の馬の出方を確認し、内8番グラニットが逃げるのを追うような形で楽に番手内1頭分程度空けた外側を確保。グラニットがどんどん逃げる中、やや間隔を開ける形で追走。4角で促して並びかけ、直線そのまま内側で追い出すが外側から伸びてくる馬に差されて6着。道中かなりスローの直線瞬発力勝負であったが、トップスピードに長けてはいないのだろう。距離も1800mまでならやれて良さそうだが、2000mは長かったか。
【総合評価】
展開について、田中調教師は枠を見た上で「行く馬を行かせて、いい所につけられそう。」とコメントしている。出たなりで好位につけるのでは。
展開を踏まえた上で、かなり外を回されそうなことを考えると差し損ねの可能性は高そうだと感じた。走法的に道悪馬場の府中直線は最高なので評価は下げきれなかった。
→B評価

⑬ドルチェモア

【走法】
前肢は高めに上がって柔らかく回転し、地面に着く前に伸びきってそこから折り曲げられながら強めに叩く形。跳びはやや高く、前肢の上がりの高さと前後の連動性から生まれるストライドと回転の早さの総合力で勝負するタイプ。ストライド優位な形では無いので、府中コースではハイペースよりもスローペースの直線勝負に持ち込んだ方が分があるのでは。
ただし前肢の使い方について、サウジRCの直線で右手前で走っている時は前肢が良く上がっており伸び切るのも早く、左手前と比べてストライドがやや伸びやかに見えるので左回りの方が良さそう。こちらの形なら府中の直線も合うし、左手前に比べてややストライド伸びればミドルペース程度までなら許容出来そうだ。ただ、伸び切るタイミングが早くなる分地面への入りもやや浅くなる。道悪の部分では多少評価を落としたい。
おまけ?追い切りについて↓
1週前追い(栗東CW/重)
上記で右手前について触れたが、今回の追い切り時、終いで左→右手前に変えた際には前肢の上がりが悪くストライドが全く伸びておらず、併せた相手にすぐに並ばれているのが気になる。馬場状態や傾斜によって使い方を変えるタイプだとすれば、道悪の場合に前肢の上がりと跳びの高さから生まれるストライドが失われることになる。という訳で最終追いに注目した。
最終追い(栗東坂路/良)
→途中まで右手前で、ラスト左手前に変えて走っていた。問題の右手前時だが、相変わらず高く上がっていたので1週前追いのは単純に足が上がっただけか。
【過去レース】
(1走前)8番/16頭 / 7着 / 横山和J
スタート良く出て、促しながら先頭に立って内ラチに沿って逃げる形に。終始番手にマークされ、3角から横にビッタリと並びかけられストレスのある道中になった。直線に入って残り300mあたりまでは先頭に立ったまま抑え気味で、そこから大きく手を動かすが手応え無く沈んで7着。ペースもそこそこ早めになり道中多少の力みもあったのだろうが、それよりも坂に入っての失速が著しく思えた。中山急坂の重馬場に脚を取られ、道中にもストレスがかかる最悪の内容。度外視でいい。
(2走前)
スタート上手く決めて先頭に立つが、外から3馬オールパルフェ他1頭が主張して来たので行かせて、内ラチ沿い3番手で追走。直線に入って300mまでは軽く促す程度で、そこから軽く外に出して前が開けると追い出し始めてじわじわと伸びて、外から迫ってくる馬を振り切ってクビ差1着。先行馬が軒並み潰れる展開ではあったが、当馬はスタートを上手く決めて、終始内側ロスなく運べたので競り合いによる消耗というのはあまり無かった。ただやはり道中のペースは序盤少し早くなったので、そこで脚を使った上で最後もうひと伸び出来たのは強かった。持続的な展開はこの馬にとってベストではないはず。
【総合評価】
前走内容から、やはり重馬場は向きそうでは無い。得意であろう府中でどこまで本来のパフォーマンスを維持できるか。
展開について、朝日杯FS先行で結果を残した後に、前走逃げて失敗してるので逃げる線は薄いのではないか。NHKマイルCが基本的に入りが早くなった外差し有利というのもあるし、Twitterで見たソースが曖昧な話なので信憑性は微妙だが、オーナーが前走の横山Jに騎乗に不満があっての乗り替わりという話もある。先行はするだろうが、あまり前には行かなそう。
展開予想を踏まえた上で、終始外側を回って来そうで、最後はいっぱいいっぱいになりそうだと予想する。ただ、やはり能力や走法面では評価を下げきれなかった。
→A評価

⑭ユリーシャ

【走法】
前肢の使い方がダラっとした感じで、やや曲がり気味のまま低めの位置に上がって間もなく振り下ろす動作に入りながら伸び切り、曲げながら軽く地面を叩くような形で、力感薄め。跳びは低めで、後肢を引き付けてある程度の溜めはあるもののペースは単調。前後の連動性はまずまずだが、前肢を振り上げる時間、後肢の溜めの時間が長く、全体的な重心も高い位置にあって滞空時間はやや長め。加えて、四肢の地面への力感は薄くフットワーク軽めでスピード優位な走りになっている。その分パワーが無いので道悪は合わないだろう。
【過去レース】
(1走前)2番/18頭 / 11着 / 松山J
スタート上手く決めて出していくが、内1番ショーモンも同様にスタートを決めており、しばらく争った後に譲られる形での逃げ。道中後ろを大きく離して、リードを保ったまま直線に入りしばらくは粘ったが、残り200mあたりで並びかけられ、そこから大きく失速して11着。道中のペースは11.7~11.9秒で無理なさそうだが、流石に入りが早すぎた影響があっただろう。重馬場も響いたし、坂を登る力も無かった。
(2走前)5番/11頭 / 1着 / 松山J
スタートを決め、内側から出してきた馬としばらく争って逃げる形に。道中後ろを離して、リードを保ったまま直線入り。後続を寄せつけずに逃げ切り。最初に争う場面はあったが無理なペースでもなく、道中も2F程12.1秒ペースに落として運べたので直線余力があったか。走法的に直線長いコースも向いていた。
【総合評価】
フットワーク軽めにスピードある走法で、伸び伸びと逃げらせたら怖いタイプ。府中の直線では中京よりも更にパフォーマンスを上げてきそうなのだが、道悪はマイナス。またこの馬の大逃げの形について大事なのは、暴走しての大逃げなのか、鞍上が気分良く行かせただけなのか、という部分。映像を見るも引っ張っているのは確認できないので恐らく後者だろう。つわぶき賞でも番手の位置で抑えた鞍上に素直に従っているので制御は問題なく可能。
展開について、前走道悪大逃げで大きく失速したのを考えると、直線の長い府中、道悪で同じことはやって来ないと考える。ただスタートは抜群に良い馬なのでその強みを殺すことなく前には行くだろう。先頭に立って後続を離さずに行く標準的な逃げか、はたまた簡単に行けなければ番手か。基礎スピードが高く、逃げ争いには強い面を見る今回も恐らく行ききるのではないか。
展開予想を踏まえた上で、逃げる可能性が濃厚でそれが大逃げなら、府中である分、前走程では無いがまた負けてしまうだろう。引き付けて逃げる形なら怖い存在だが、走法的に道悪はかなり悪そうだという評価に至った。
→C評価

⑮カルロヴェローチェ

【走法】
前肢は高めに上がって柔らかく回転し、そこそこ高めの位置で伸びきって、そこから折り曲げられながら強めに叩く形。脚抜きは早いが、地面への力の伝わり方は充分高い。跳びはやや低めも後肢の可動域は広く、全体的な推進力は後肢の力感の強さから生み出されている。首も低い位置で上手く使えており、前方向への推進力が高いスピード質な走法。ただし前後の連動性はイマイチで、後肢の蹴り出しから前肢の着地までが早く、前肢の上がりの割に着地点が体に近い位置になっておりやや伸びやかさには欠ける。ここが上手く噛み合えばスピードは更に上のレベルに行けそうだが。今はパワーもある程度求められる条件が相対的に良さそうで、良馬場でもそれなりのパフォーマンスを発揮してきそうだが、稍重程度の道悪なら相対的にベストか。
【過去レース】
(1走前)2番/14頭 / 2着 / 武豊J
一瞬出遅れたが、即座に促して内に切り込みながら先行。ある程度の位置を取りそこで抑えようとするが、行きたがってなかなか言う事を聞かず。3角入りまでずっと騎手と喧嘩していた。直線に入っても囲まれたままでなかなか前が開かず、ようやく外に出して追い出し始めたのが残り200m辺り。一気に末脚弾けたがハナ差2着。レースラップはミドル。やや早いペースでの追走でもあるが、基礎スピードの高いこの馬にとって苦では無かった。ポジション取りに関して、やはり気性面の不安が大きく、スタートから明らかに馬群に入れることを意識していた。結果的にそれが仇となったが。追い出しがスムーズなら確実に差し切れていただろう。スピードありつつも力感ある走法のこの馬にとって、中京コースもよかった。
(2走前)4番/7頭 / 1着 / 福永J
スタート5分。やや抑え気味だったが馬が行きたがり逃げる形に。終始抑え気味のままコーナーを回り、直線に入って追い出しはじめ、後続をどんどん離して逃げ切り。ペースもそこそこ早かったが、ここは能力が違った。福永騎手が本番以外で簡単に逃げさせるとは思えず、可能なら番手あたりにつけたかったが、思った以上に他の馬が行かずに逃げの形になってしまったのではと推測する。
【総合評価】
外に馬を置かないと行きたがってしまう気性に問題のある馬。そんな中で外枠を引いてしまった。
展開について、マイルG1で気持ちよく行かせて簡単に逃げ切り勝ち出来ると陣営及び騎手が考えるとは思えず。最後方はないだろうが、前後特に拘らずにとにかく外に馬を置ける位置に入れる事を試みるのではないか。
展開予想を踏まえた上で、外枠からだとなかなか内に入れるのに苦労しそうで、折り合い面での心配が大きいと判断した。気持ちよく行かせたとしてもやはり簡単に勝てる相手ではない。能力は高いので一定の評価はするが。
→B評価

⑯タマモブラックタイ

【走法】
前肢は非常に柔らかく使えており、中程度の位置まで上がって伸び切り、折り曲げながら軽く地面を叩くように入る形。その柔らかさによって地面へのタッチは軽めで脚抜きが良い。跳びは低く、後肢の蹴り出しは弱めで、全体的に見て力があるようには感じない。首の位置も低く全体的な重心が低めで前方向への推進力が高い。加えて前後の連動性が悪いので後肢の蹴り出しから前肢の着地までが短く、ピッチ優位になっている。その2つが噛み合ってかなりスピードに優れた走りになっているように思う。ただ、この忙しい走りから持久力は無さそうなので府中コースでは評価しづらく、1600mも長いだろう。力感の薄い走法から本質的には渋った馬場も良くないと感じる。
【過去レース】
(1走前)6番/14頭 / 1着 / 幸J
スタートを決め、軽く促しつつ行きたい馬を行かせて先団につけ、内2~3頭分程度空けた位置を追走。直線を向き、追い出しながら内ラチ沿いに切り込み、最後は後ろから来たカルロヴェローチェに迫られながらもハナ差勝ち。道中そこそこ早いペースであったが、基礎スピードの高いこの馬は問題なく追走。どちらかと言えば持続質なレースであったが、2着カルロヴェローチェはスムーズさを欠きつつだったので本来は差されていただろうが、他の馬には能力で勝ちきった。
(2走前)10番/15頭 / 1着 / 幸J
スタート5分。促して前に行きつつも、他に行きたい馬は行かせて先団につけて内1頭程度空けた外側を追走。4角→直線入りで他の先行馬と同様に大きく外に持ち出して、並びかけながら追い出して一気に先頭に立った。最後、外側後方から2着馬に迫られながらも振り切った。道中ハイペースで持続質のレースであったが、ここは能力の違いで勝ちきった。しかし1200mでも劣らないスピード感を伺わせた。
【総合評価】
展開について、短距離向きの馬なのでスピードの違いで先行してきそう。ただ、道中はなるべく脚を溜められるように落ち着いて追走したいと考えるはずで、いつも通り前には行き過ぎず、3~5番手辺りを狙うのではないか。
展開予想を踏まえた上で、距離ロス少なく回ってきそうではあるものの、さすがに距離が厳しいだろう。評価は出来ない。
→D評価

⑰ミシシッピテソーロ

【走法】
前肢は柔らかく使えているが、上がりが低く地面の近くで回転させており、脚抜き悪く掻き込み気味に入っている。跳びはやや高めでペースは単調。前後の連動性が悪く、ストライドが伸びずにピッチ優位になっており、回転力はそこそこあるが跳びの高さが邪魔をして中途半端な状態になっている。その前後のバランスの悪さから少し前傾姿勢にもなっており、そこが前肢の捌きの硬さに出ているのか。道悪は相対的に良くなりそうではあるが、府中の適性面ではストライドの伸びない走法は評価しづらい。そもそものスピード面でも、同じ位置から競馬をしそうな周りのメンバーには1枚落ちる。
【過去レース】
(1走前)11番/16頭 / 5着 / 柴田大J
やや出遅れ気味のスタート。ポジションを下げて後方外側追走。3-4角間から手が動き始め、直線入りでは大外に持ち出しながら一気に伸びてくるが、届かず5着。持続質なラップで外差し有利になった展開の利を受ける形で、走法的にも重馬場の中山は高いパフォーマンスを発揮できたか。
(2走前)16番/16頭 / 15着 / 戸崎J
スタート決まり、内の馬の動きを確認しながらやや促して先団につけて、内3頭分空けた外側を追走。4角→直線入りで追い出していくが、手応え無く沈んでいく形で大敗。コース適性は勿論、内を運んだ馬が特に有利な展開で外を回し続けた事が大きく響いた。
【総合評価】
展開について、外枠に入って、スタートも安定しない馬なので、かなり抜群のスタートを決めない限りは前につけることはあまり考えていないだろう。また、前走追い込みでいい所まで迫っていることや、NHKマイルCが基本的に外差し優勢である事を考えると後ろに構える展開が濃厚か。
展開予想を踏まえた上で、最後方の位置からになりそうで、必要以上に外を回されそう。さすがにこの相手を差していくのは難しいと考える。
→D評価

⑱ダノンタッチダウン

【走法】
前肢は低めの位置で柔らかく回転し、地面に着く前に伸びきって、そこから折り曲げられながら強く掻き込むような形。跳びは低く踏み込み強めに蹴り出される形で、グリップの強さで前方向への推進力を生み出しており、尚且つ後肢をしっかりと引きつけて溜めのある形や、前後の連動性からストライドもそれなりにあって回転力+ストライドで優れたトップスピードを生み出している。ストライドの大きさから府中の直線は問題なさそう。ただ、足を回転させる位置の低さ、ややパワー質な走りから持続力に優れているようには見えず、今回は直線のみの勝負に持ち込める形がベストか。馬場適性だけの面で言えば、良馬場では無い方が相対的には良さそう。
【過去レース】
(1走前)12番/18頭 / 18着 / 川田J
スタート遅れたが、促して先団を確保。内大きく空けた外側につけて追走。3-4角間で大きく手が動き始めるが全く手応えなく、直線を向く頃には最後方に。直線、一応川田Jも追っていた(恐らく本気ではなくポーズだけ?)が、大敗となった。
安田調教師曰く「距離云々より道悪に尽きる」との事だが、多少馬場は影響しつつも、個人的には距離適性の方が大きかったのではと思う。あれだけ力感ある走法で、2000mで外を回し続けたらさすがにキツい。追走ペース的にも距離の誤魔化しが効かない。
(2走前)12番/17頭 / 2着 / 川田J
やや出遅れ。多少促しつつ内ラチ沿いに入れて中団後方を追走。4角→直線入りで手が動きつつわ進路を探して外に出して行き、残り300mあたりで前が開けて外側からグングンと伸びていくが、勝ち馬をクビ差で差しきれず2着。直線スムーズなら差しきれた内容。先行した馬のペースが早く内前が潰れる展開で、後方でロスなく運んで脚を溜められたのは良かった。ただし、勝ち馬は先行争いに参加して脚を使った上であの内容なので過剰に評価はできない。
【総合評価】
展開について、大外からだが直線長い府中での末脚勝負にするべく、恐らく2走前の朝日杯FSの時と同様にスタート後まず内に入れるだろう。
展開予想を踏まえた上で、後方からになりそうではあるもののある程度ロスの少ない乗り方をしてきそうで、後方から脚を溜めて直線で末脚を発揮出来るなら良さそうだと感じた。
→A評価

⑫クルゼイロドスル(※出走取消)

【走法】
手前によって前肢の使い方が違って見える。
(右手前)
前肢が高く上がって伸び切り、そこから力強く瞬発的に振り下ろす形で地面を強く叩く。力感はあるが地面への入りは浅めなので馬場は軽い方が良さそう。
(左手前)
前肢は高く上がるが1番上で伸び切らず、振り下ろされながらやや低めの位置で伸び切り、地面への入り方も右手前の時に比べて若干深めになっているように見える。こちらならある程度パワーの求められる馬場でも。
後肢の使い方については、跳びはやや低めだがグッと引き付けられて可動域広く、しなるように強めに蹴り出されており力感充分。その力強さで推進力を生み出し、前後の連動性も良いので、特に右手前においては前肢の使い方と噛み合って一層ストライドを伸ばせる形になっている。左手前においてもある程度の滞空時間はあるが、やや前肢の入りが早くなっており、ストライドが伸びきらない。総合的に左回りの方が良さそうだが、馬場が悪くなった時には右手前の際の前肢の入りの浅さは裏目に出そうではある。

展開予想

スタート後ポジション争い(前方⇔後方)

⑭…スタート良好。逃げ狙いで⑦と争った後行ききる
⑦…スタート良好。逃げ狙いで⑭と争った後譲る
⑧…スタート良好。⑦をマークするポジションに
⑯…スタート良好。なるべく先行したいが、ある程度控える
④…スタート良好。ある程度出していくが、積極的に争いには参加せず
①…やや出遅れ。内に隙間があればなるべく前に行きたい
⑬…スタート良好。ある程度出していくが、積極的に争いには参加せず
⑮…5分のスタート。馬は行きたがる。鞍上はとにかく馬群に入れたい
⑤…スタート良好。ロスなく運べる位置に
⑪…5分のスタート。行く馬は行かせて、好位に
⑥…5分のスタート。馬が行きたがらないよう、なるべく馬群に入れたまま運べる位置に
②…5分のスタート。出たなり、馬のペースで
⑩…5分のスタート。出たなり、外で運べる位置で
③…やや出遅れ。馬のペースで。やや外側に
⑨…5分のスタート。馬のペースで
⑰…出遅れ。馬のペースで。
⑱…5分のスタート。最初は内に。

3角入り(前方⇔後方)

⑭…後ろを引き付けつつの逃げ
⑦…そのまま追走
⑧…そのまま追走
①…④に内から並びかける
④…①を内に行かせてやや外に
⑯…そのまま追走
⑤…そのまま追走
⑬…そのまま追走
⑥…そのまま追走
⑮…鞍上が抑えながら馬群の中へ
⑪…ポジション下げてきた⑮を躱す
⑩…そのまま追走
③…いつでも外に出せる位置へ
②…そのまま追走
⑱…そのまま追走
⑨…そのまま追走
⑰…そのまま追走

4角→直線入り(後方⇔前方)

⑭…馬場を気にしてやや外に持ち出し、後ろをやや離しながら直線へ
⑦…⑭について行く
①…外に行きたいが、外に進路なく仕方なく内へ
④…瞬発力の差で前にスパートで遅れを取る。やや外に持ち出す。
⑧…瞬発力の差で前にスパートで遅れを取る。やや外に持ち出す。
⑤…そのまま追走
⑯…そのまま追走
⑬…そのまま追走
⑩…外に振られすぎないよう、少し内を狙う
⑪…そのまま追走。かなり外に振られる。
⑥…そのまま追走
⑮…そのまま追走
⑨…そのまま追走。かなり外に振られる。
②…一か八かのイン突き
⑱…そのまま追走
③…そのまま追走。かなり外に振られる。
⑰…そのまま追走。かなり外に振られる。

先頭馬ラスト200m(後方⇔前方)

⑭…リード保ったまま。馬場に脚を取られそろそろ厳しい。
④…ペースは一定。まだまだ行ける。
⑧…ペースは一定。まだまだ行ける。しかしスピードがやや足りない。
⑬…終始外回しと馬場に脚を取られて少し厳しくなってくる。
②…切れ味発揮。ただ内側はやはり厳しく、馬場に脚を取られそろそろ厳しい。
⑥…ペースは一定。もう少し行ける。しかしスピードがやや足りない。
⑦…序盤の逃げ争い響いて既に厳しい。スピードもやや足りない。
⑩…切れ味発揮。ここからもうひと伸び出来る。外回しのロスあってラストはいっぱいになりそう。
⑭…道中外回しのロスありつつ、もう少し行ける。スピードはやや足りない。
①…距離の限界。内側も厳しい。
⑱…切れ味発揮。ここからもうひと伸び出来る。
⑤…距離の限界。
⑯…距離の限界。
⑮…切れ味発揮。ここからもうひと伸び出来る。道中引っ掛かり通しの影響あってラストはいっぱいになりそう。
③…距離の限界。
⑨…外回しのロス響いて限界。馬場も厳しい。
⑰…もう少し行ける。しかしスピードやや足りない。

評価・印・買い目

【評価】
○S評価
4.ショーモン
10.オオバンブルマイ
○A評価
13.ドルチェモア
18.ダノンタッチダウン
○B評価
11.シャンパンカラー
15.カルロヴェローチェ
○C評価
2.モリアーナ
3.ウンブライル
9.エエヤン
8.セッション
14.ユリーシャ
○D評価
その他

【印】
◎4.ショーモン
○10.オオバンブルマイ
▲18.ダノンタッチダウン
△13.ドルチェモア
×11.シャンパンカラー
×15.カルロヴェローチェ

【買い目】
単勝 ◎,○
馬連 ◎○-◎○▲△××
馬単BOX ◎○

いいなと思ったら応援しよう!