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「和菓子に溶ける恋」 上

1分小説
この物語は2章構成になっています!


第1章:甘さの影



28歳の里田瑠璃は、和菓子屋「山猫」で働く日々を過ごしていた。店は町の古い商店街の一角にあり、和の趣と共に心地よい香りを漂わせていた。瑠璃はいつも元気いっぱいで、さりげない気遣いが自然にできる女性だった。だが、その裏には、自分の小さな願望を押し込めてきたという秘密があった。


ある日の夕方、瑠璃は閉店間際の店で、ふと訪れた男性客に目を奪われた。彼の名前は佐々木翔、35歳の建築家だった。彼は自分の手に取った「練り切り」をじっと見つめ、少しほほ笑んだ。その表情はどこか寂しげで、しかし魅力的でもあった。


「これは、どうしてこんなに美しいのかな?」翔は和菓子を眺めながらつぶやいた。その質問は彼の心の奥に隠された思いの一部のように響いた。瑠璃は返答に詰まりながらも、「色彩と、細やかな心ですかね」と答えた。その瞬間、店内の時間がほんのわずかに止まったような気がした。



つづく

#和菓子と恋
#静かなロマンス
#甘さの中の気持ち
#山猫の物語
#恋する和菓子屋


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よろつよ



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