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【業務関連】党費(会費)チェッカー

こちらのSlowNewsさんの動画(←めっちゃわかりやすい!)で「党費を人数で割ってみると面白い」と聞いたのでプロトタイプを作ってみました。

実はback側もつくってあるんですけど、つないでません。つなぐと以前に作成した、一括取り込みして保存した、その保存済の政治資金収支報告書データから取り出せるのですが、今後機能を追加実装するときにいろいろと煩わしいので、ばらばらに作っています。今回はとりあえずfront側をちょろっと見ていただくだけで説明が進んでいきますのでご了承ください。

こちらが画面です。

党費チェッカースクショ(検索条件入力)
サンプル例1政党「動物園軍団」
サンプル例2政党「チーム植物園」

政党を選ぶセレクトボックスから『どうぶつ園軍団』または個別に政党を指定すると、政党どうぶつ園軍団に属するぞうさん大将やキリンさん次鋒が団体代表者を務める政治団体の党費情報が一覧されます。政党を選ぶセレクトボックスから『チーム植物園』を選ぶと、バラ大将やカトレヤ次鋒が代表を務める政治団体の党費情報が一覧されます。あらかじめ党費(月額または年額)を入力すると、ユーザさんが指定できる水準を基に、党費に対する倍率を算出し、指標にして水準化(警告・注意水準)します。党単位で呼び出すのがおすすめと判断したのですが、その理由は後程…
脱線的にSQLがわかる人向けの話をすると、政党と関連者の紐づけテーブルから関連者を抽出→関連者が政治団体の代表であるかつ最新の党費データを抽出という手順になっています。

党費チェッカー抽出

スクショを見て気づく方が多いと思いますが、動物園軍団は一人アタマの金額がバラバラかつ、団体によっては会費年額より多くなっています。「ぅを、不正じゃね」と思いたくなるかもしれませんが、実はそんな簡単な話ではないよ、という話です。
その結論を導くための練習問題を出します。
こちらの1年間のグループ名簿なのですが、このグループの構成員は何人ですか?

練習問題

自分をはじめ、ほぼ全員が現時点の6人と答えると思います。
ところが、実は退会をした人も含めて10人と答えますと、ミスの発見が速くなります。
こういうプロトタイプのサンプルデータはでたらめに作るのが通り相場なのですが、今回は整合性を持たせて作ってあります。たとえばこのぞうさん群れのデータは、実は練習問題通りで、途中で退会した人、途中で入会した人がいるんですよね。〇で示した月が会費納入した月となります。

ぞうさんの群れで実際に支払われた年集計表

ですので、現時点での人数を答える、かつ退出した人の数のほうが多いと、人数で割ったときに正式な会費より大きな値が出てしまうんです。ちなみに以下のキリンさん次鋒はトンでも下半身騒動で党員に逃げられた想定です。

キリンさんの群れで実際に支払われた年集計表

そしてかばさん副将は切り抜き動画がバズった想定。この場合は会費額より平均が減ります。

カバさんの群れで実際に支払われた年集計表

退会を含めた最大人数で答えますと、絶対に会費の数値を超えることがないので、万が一超えてしまった場合、なにか党費以外のものが混じっている、とすぐ検出可能です。
これ、作成するときに基準ないの?と思われる方が多いと思いますが、ありません。単に自由に項目と金額と員数を入れてね、という。

会計帳簿・収支報告書作成ソフト Ver 5 0) 操作マニュアル3-55

もともと個々人の明細を書かないでもOKな仕組み(法律)になっているので、1月にAさんが党費を納めたので1人、Aさんは2月にも納めたので1人、あわせて2人みたいな感じで、極論完全延べ人数で書くこともできるんですよね。実はチーム植物園はその方式で、党の指導があったのか、全員が同じ書き方をしているんです。で、なんと、カバさん副将と白百合さん副将は、どれだけの人数が、どの月に払ったか、という『支払いの構成』が全く一緒だったりします!(総金額算出のベースの党費額が異なっているので総計が大きく違いますが)ずいぶん見え方がちがうなぁ。

カバさん副将と全く同じ白百合副将の年集計表

人数が多いかつ明細を書かなくてもOKな場合はこの形式のほうが自然かと思います。そして公式政治資金会計簿ソフトウェアの仕様を決定した方は、この書法を想定していると思います、根拠はないけど。
その場合、名簿個人特定単位で書くより対党費に対してはミス検出基準が厳しくなります。というのは、基本単一設定されている会費を頭割りをしたら小数点以下端数なくきっちり割れないとおかしいはずで、せいぜい例えば、口座手数料を含めて振り込んできた人がいたのでちょっと割り込んじゃった程度はあるでしょうが、ほどほどでない乖離があれば、なにかイレギュラーなことが起きていることがはっきり検出できます。ただし、実総党員数(練習問題でいうところの6人)とはゆるーい関連があるかもしれない値しか取れなくなります。個々の政治団体の記載方針が明かされることがないので、この辺はやぶの中ですね。怪しそうかどうかのあたりはつけられるけれども、実際のところは聞いて明細まで調べてみないとわからない、と。

では説明が終わりましたので実践してみましょう。
例によって政治家女子48党(2022年:政党)ホリエモン新党(2022年:政治家48党の政治資金団体)です。実際のプロトタイプ作成画面にもMockで実際の値を突っ込んでみました。

ホリエモン新党2022年党費
政治家女子48党2022年党費
作成画面と同じレイアウト表示

ご覧の通り政治家女子48党は平均1,940円となります。年額1960-2880円、月額180-240円くらいだと、なんとなく相場観としていい感じ。常識的な線をついていると思います。(いちいちサイトに行って実会費を調べる気はないです)
それに引き換えホリエモン新党ときたら…頭割り金額で10倍の金額ってなによ。しかも会費にありがちな丸い数字じゃなくて端数なんですよね、端数だったら絶対おかしいなんてことはないけど、少なくとも政治家女子48党はきっちり『100円単位の丸い』数字なのに。10倍って、同じ党かつ政党本体とその唯一の資金管理団体なのに、同じ会費システム・同じ計算方式を採用していないのですかね?きっとVIP向けにプレミアムプランを用意しているに違いないとか…あるいはあれだけ「寄付は寄付者の住所も要るから教えて!!」ってお願いしたのに、住所を書いてこなくて、不明って書くのが嫌さに党費に算出したとか…明細を書かないことをいいことに、企業・団体とかも含めてわけわかんなくなっちゃった収入は、すべて党費の項目に突っ込んで『不明の収入投げ入れごみ箱』にしちゃったとか…という都市伝説的説明憶測を、信じるも、信じないも、あなた次第、です(決めポーズ)。あ、最初に引用した動画によると平均が5万円以上だったら、明らかに会費・党費ではなく、寄付で処理すべきものを寄付で処理していないとのことでした。適当な時に総平均金額チェック入れておきますね。
そう、所属党ごとに党費チェックをすると、同じシステムを採用していれば近い値が出てくるのが期待できていて、差がわかりやすいのがなんかよさげであるのが理由です。
党全体の党費合計、員数合計って何を期待しているのって、例えばこの記事読んでさ、党が発表している党費に接近させなきゃって、会計責任者の皆さんが焦って人数水増ししてさ、公称党員100万人の党の、政党会費支払者数合計が延べ9600万人とかになってさ、仮に月額で全員が12か月支払ったとしても、延べ人数計算で最大1200万人なのに、8倍の延べ9600万人(最大でも会員数800万)があなたの党で会費支払いするようになったの?急に党員数8倍?え~嘘ぉ~んって言えたらちょっと楽しいかもって。ナイショにしておいたらそうなったかもしれないけど、そこまで人悪くないんで自分。摘発より事前の抑止のほうが重要、ってのもほんのちょっとあるけど。
あ、指定した政治団体の経年遷移が見たいですか?SQLの発行回数は年数分だけ増えますが、ロジックそのものは、結構簡単なのでそれは折を見て。

いままで数が少ないからって理由でこの2団体でサンプルを作って、うーん、なんかね、とか言ってたけど、実はネタの宝庫の当たり団体を引いたのか??

※おまけ
不記載チェッカーのプロトタイプも作成しました。上記党費チェッカーと同じく、front側とback側をつないでいません。

不記載チェッカー検索条件入力部
不記載チェッカー明細表示部

政治団体を標準化したコードと、取引相手を標準化したコードを比較するパターンと、原文書の団体名と、取引相手名を比較するパターン両方を用意しています。1)現状『NHK』(日本語大文字)と『NHK』(半角英数)が別として扱われる、2)政治団体標準コード化ってぶっちゃけ何もできていない、のであくまでも概念実証というスタンスでよろしくお願いします。1)は、カラムを2つ増やして、両方とも『nhk』(半角小文字)で保存する(全文検索でこの変換実装をしている)と多少はヒット率は上がるけど。
SQLがわかる向け方に脱線すると、a)検索条件である政治団体に対して、収入のほうは、文書記載政治団体がイコールでデータを取得してワークテーブルに保存する、b)保存されたデータから取引相手のリストを抽出し、支出テーブルを、記載者が取引相手のリストかつ、その取引相手が検索条件である政治団体であるデータをワークテーブル保存する、c)保存下でデータを取引相手ごとにグループとして保存する、ということで実現しています。今気づきましたが、この実装では収入→支出という手順を踏んでいますが、ユーザさんの選択に合わせて支出→収入手順もないとダメっすね(支出にしか存在しない取引相手さんもいるから)。

不記載チェッカー抽出
不記載チェッカー抽出データをグループ化

不記載チェックはあくまでも、政治団体←→政治団体の関係だけで、個人←→政治団体、企業・団体←→政治団体というチェックは、個人と企業・団体に収支公開義務がないので、できません。こう考えると、もちろん『企業団体献金を禁止したって個人・政治団体に逃げるだけ、どういう経緯でもらうかは金に色がついていないからまったく制限に意味なし』、という論はその通りではありますが、取引相手が政治団体の場合、双方が収支公開義務を負うようになる分だけ透明度が上がる、という観点からだけ言うと、『制度的にはわずかに(いま作成している機能でも、個人と企業・団体が全体収支を出さなくてもよいことが問題になっています)前進になりそう』ですね…

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