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【業務関連】政治資金収支報告書を政治団体の枠を超えて項目検索ができる実装をしました。

現在作成中の政治資金関連サイトですが、調査側ソフトウェアで、政治団体の枠を超えて項目を検索できるような実装ができましたので、サンプルデータを手元で検索した状況とともにご報告します。

こんな感じで、期間と検索語を入れて、検索ボタンを押すと政治団体の支出/収入項目を検索できます。

期間と検索語で検索


支出の検索結果

たまたま件数を絞ったので、あまり問題になっていないのですが、大量にヒットした場合に備えて、該当するデータを抽出して別表にコピーすることができます。仮に、行の右側の「追加」ボタンを押してこの2行をチョイスしたとします。

ボタンでレポートに表示するよう抽出

政治団体ごとに見ることができたり、

政治団体視点

取引相手に視点を変えてみたり、

取引相手視点

必要に応じて支出から収入のようにフローで眺めることができます。※同じデータが視点を変えてみることができるよ!と言っているだけですので、このフローの視点には、業務的には全く意味がありません。意味のあるケースは後程紹介します。

フローの視点

本当はもっとUIに凝るべきなのでしょうけど、ページングも付けました。

ページング例1
ページング例2

ところで、このデータって何?というと、実データから起こした一部省略したサンプルで、2022年ホリエモン新党(政治資金団体)と2022年政治家女子48党(政党)の2件の政治資金収支報告書となります。

ホリエモン新党:政治資金収支報告書https://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20231124/0068300013.pdf

政治家女子48党:政治資金収支報告書https://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/SS20231124/0000650083.pdf

なぜ、よりによって(苦笑)、その政党…って、入力データが少なかったから。それ以上の理由はありません。pdfは画像タイプで総務省サイトにupされているので、キーボード入力による打ち換え作業が発生しました。途中からMicrosoft OneNoteのOCR機能を使って多少さぼりましたが、本来すべきことから寄り道している、という自覚を覚えれば覚えるほど、めっちゃくちゃ面倒くさかったです。

政党交付金使途報告書になると、もっと面倒くさくなります。ただ、手元に保持するのは手間なのですが、政治資金収支報告書のうち、政党交付金が入っている項目(だけ)を使途報告書に記載する、という関係があり、政治資金収支報告書≧政党交付金使途報告書、という図式が常に成り立ちます。政治資金収支報告書に入っていないが政党交付金使途報告書に入っているのは入力ミス、というわけですね。というわけで、先に政治資金収支報告書を入力しておくと、その入力済データから、目視で確認しながらコピペして未記載分を削除、みたいな感じで想像よりは楽でしたが、あくまでも先に苦労して同団体の政治資金収支報告書を打ち換え入力し終わった後だけに有効になる話です…

政治団体が報告書を作る時はどうしているの?って実は、公式ではこんな政治団体向けの包括的な収支報告ソフトウェアを提供していて、

1回入力したら両方作成しますって。使途報告書も提出義務がある議員の方は、すくなくとも心当たりがなければ現状ぜひともコレを使って!ということですかね。

ちょっと脱線しますが、政党としては報告書に記載しているデータ項目数は少ないのですが、ビジネスしていると明言するだけあって比較的金満の部類に入ります。キリのほうだと皆さんもよく知っている野党××の落選した議員が1年間で集めた寄付は0円とかざらなんで。よく○○○○○が「政治資金で野党も同じことしているはずだ~与党ばかり報道されて不公平だ~」とかコメントしてまわっていますが、コメントを見るたびに腹を抱えて大笑いしています。ぶっちゃけ世間の掟として職務権限のある人間にしかカネ渡さないんだから、野党にわたすわけねーだろ(笑)、おなじになんてしたくでもできねーよ(笑)って。0円に対して某党前副総裁は、年間個人団体だけ(地方政党支部は除く)で寄付・パーティなどで8000万円、地方政党支部を合わせると、議員報酬以外に自分が使い道を差配できる収入が1.5億になりますからね。たとえて言うならですね、無人販売所が2か所あります。1店舗は仕入れ代金300円、もう1店舗は仕入れ代金3億~600億です。監視カメラは1個しかありません、どちらの店舗に監視カメラを導入しますか、って後者の仕入れ代金3億~600億円の店舗にきまってるだろ!ってはなしです。
それでもまだ不公平だとの不満があるなら、地方自治体の首長なら一人で議会と同じだけ権限を持っている=結構な職務権限があるので、首長で野党系の人を自分で地道に調査して告発するんですね(○○○○○なので地道なことはしないと思うけど)

本題に戻りますが、このソフトウェアを使ってデータ登録する場合についても、全体に流れを理解するために有効なので触れておきます。今回、データを作るにあたって

  1. 総務省のサイトから政治資金収支報告書のpdfを落としてくる

  2. 公式ソフトウェアにpdfの内容を公式ソフトウェアに入力

  3. 公式ソフトウェアから(オンライン申請用の)XMLを作成(変換)する

  4. 自分が作成したソフトウェアで読み取りする

という手順で作成しています。なんかわざわざ公式ソフトウェアに入力しなおしているのは隔靴掻痒の感あるよね、と思われる方も多いでしょうが、こっちのほうが最終的なより良い選択になります。
そもそも、こういうサンプルデータでない本番ではそういう作り方をしているということのほかに、現在総務省あるいは県選挙管理委員会では報告書のオンライン申請を受け付けていますが、その規格が公式ソフトウェアから作成した(3の過程で作成している)XMLで行うようになっています。従いまして、このXMLが事実上の収支報告書のデータをやり取りする伝送規格業界標準デファクトスタンダードとなります。その他の変な規格を採用すると、オンライン申請できなくなってしまいますからね…
で、個人の今後の予想なのですが、(一部外国では検索機能まで完備して提供しているようですが)解析に資するデータだけを提供して、解析、必要なソフトウェアの準備はそっち(民間)でやってね、ということになりそうです。今までも後ろ向きな姿勢からして。実際、各種経済指標はデータだけcsv,excelファイルで提供してるので、全然不自然ではありません。2026年だったかの国会議員関係団体オンライン申請義務化=議員間のオンライン申請しているしていないの不公平がなくなると、こんな感じでPDFとXML両方を提供するだけで済ますんじゃないんですか。

データ提供の想定図

仮にXMLが提供されないしても、できうる限り業界標準対応のデータファイルが増えることが全員の利益にかなうので、そっちの方向に進むと思います。せっかく公式の形式でデータ作成したら、自分一人で囲っておくのはもったいので、公開して提供する代わりに、ほかのひとが打ちこみした公開された標準データをもらって調査の精度をさらにあげる、でも調査する人によってそれぞれ調査の特徴ありますよ、みたいな。

で、自ソフトウェアでも、調査用に業界標準(になるであろう)XML読み取りに登録対応しており、実際その機能を使ってデータベースに登録(前述の手順でいうと4に相当)したのですが、間違えて登録してしまった場合の巻き戻しなどイレギュラーな事態に対応するためには、システムに登録済の政治団体情報と照合が必要(ということは政治団体情報もソフトウェアから簡単に登録できて既に存在しなければならない)など、考慮が必要なことがたくさんあるので、現状使いにくい状態になっています。
というわけで、このソフトウェアでの公式規格での一括登録は今しばらくお待ちを~(リクエストがあれば予定は早めますが)

では、いろいろ検索して遊んで(!?)みましょう。

検索結果・キーワード:+寄附(2022.11.15~2022.12.31)

『寄付』で検索

ホリエモン新党から政治家女子48党に7,500,000円寄付(というより政治資金管理団体→党なので資本移動ですね)したのですが、政治家女子48党が資金(寄附)を受け入れた記録がないように見えます。専門家じゃないので、この資金移動について記載の義務があるかないかわからず、一概にそれが起きていると断言しにくいのがちょっと、って不記載事案ですよね。ちなみにホリエモン新党としては、株式会社スイッチ(斎藤健一郎氏:ホリエモン新党の当時会計責任者)から寄付を受けてそれを政治家女子48党に寄付を行っているので、資金管理団体全体としては単に『行って来い(トンネル)』しています。

ホリエモン新党では750万円が右から左に



検索結果・キーワード:+淡路町

『淡路町』で検索

市井の人が300万円寄附!!ってナニごと!!っと思いきや、立候補の供託金を個人でねん出して、党から収めてもらっていた、党は資金を中継しただけという(爆)。この方、市井の方じゃなくて『応援する会』を持っている『プロ』なのでネタにしちゃっていいかなと。とりあえずこの年だけを見る限りでは、供託金を党が支払っているけど、個人として寄付しているようには見えない方がそれなりにいます(落選したら党の持ち出し)。こういう不公平がわかるから、政治活動費が公開できない、って本当でしょうか。
なお、このパターンは前述したフローの視点に意味があるケースとなります。

興味本位で著名人の方にご登場いただきましょう。

検索結果・キーワード:+上杉

『上杉』で検索

支出の目的が和解金。あ、触れちゃいけないところでしたね。失礼いたしました。

検索結果・キーワード:+河合

『河合』で検索

あなた、ジョーカー議員、ですよね?

検索結果・キーワード:+高橋洋一

『高橋洋一』で検索

高橋洋一センセを講師ですか…あんまり知られていないことかもしれませんが、この方、フィリップス曲線の原理に基づき、2010年前半:失業率が4%を切ったら給与が上がると主張する→あがらない、2010年後半:失業率が3%を切ったら給与が上がると主張する→あがらない、コロナ禍で失業率が3%を超える→もちろん上がらない、ウクライナ紛争でブロック経済発生想定下で供給予想が極端に引き締まり、(全体としては5%だが)生活必需品・消耗品の物価が年25%上昇した→それでも実質賃金が上がらない、と何度もハードル下げても(ゴールを移動しても)全然超えられない、というように約15年にわたって、理論からの予測を外しまくっている研究者さんですよね…余計なお世話ですが、講師は選んだほうがいいと思います。上場企業じゃないところは、ホームページに年商はくらいは書いてありますが、企業内労働分配率も利益総額も、社員に開示する義務がないので(開示しているところは善意でしている)、「払えないものは払えない(でもその内容はヒ・ミ・ツ)」という理由で、企業側って、給与交渉では、超圧っっっっっっ倒的強者(なにせ労働者側は、そもそも自己の主張を展開する根拠を全く持ってないので、「なんか割に合わないことしている」という個人の感想でしか交渉の申し入れすらできない)って感じなんですけど、そういった下々の世情に疎いのでしょうがないですかね……
あ、別件ですが時計の話はもう許してあげてください。ホントに手癖悪けりゃ再〇してるでしょ。(銭湯の脱衣場、って監視カメラつけられないところ、他人をじろじろ見れないところなので、物証も目撃者も容易に探せない、と気づいた瞬間の冷や汗感といったら…)

検索結果・キーワード:+寄附 -NHK

資本関係表1
資本関係表2

2022年段階で、あの界隈で『資本関係』があったのがこちらの団体です。あの、うわさの、『つばさの党』が入っていますね。パチンコとか、麻とか、歯周病とかなかなかアグレッシブですね。「(外部から)守る」って言っときゃなんかいい事をしている風になっちゃったのはいつ頃からだったでしょうか。きっと日々の生活が苦しくなってからだと思います。ご本人豪語通り、まさに選挙ビジネスとかそんな感じ。ちなみにこの方々は、党と名乗っているので、ついつい党と思いがちですが、厳密には政党要件を満たしていないので、『法律上の政党』ではありません。政治家女子48党(当時)は要件を満たしているので政党ですが。あぁややこしい…

検索結果・キーワード:+利息

『利息』で検索

12月も押し迫ると、1年分の借入金の利子をお支払いしています。その数372件。同一人への複数支払いがありますので、借りている人としてはもうちょっと少なくなります。元金も利息も返済しきったケースもあります。
題名を忘れてしまいましたが、落語で、Aがまんじゅう?を10文でBに売る。BはAからお茶?を10文で買う。何回も同じ取引をしていると、最後は…?という話を思い出してしまいました。でも資金を回してそこから少額利潤を得て、積み上げるって商売の本質でもあるので、一概にダメとはいえないですけど。ま、今ここで話題になっているのは商売じゃなくて政治なんですけどね…
供託金あるいは支出としての寄付金と、収入としての寄付金の取引相手が同一人、というケースはそこそこあるんですけど、借入先人脈は割と別系統なんですね。1年分複利計算とはいえ利子が結構な高額で、この中に『厳密にいえば意図せず闇金に該当する人』っていないんですかね、って心配になってしまいました。

検索とは関係ないのですが、これ、ホリエモン新党の組織対策費。

ホリエモン新党組織対策費(2022)

記載する必要のない、その他の項目だけですべて約2,000,000円分が構成されている、ってなかなか刺激的ですよね…政治資金収支報告書を見慣れている方には当然かもしれませんが。

ざっとこんな感じです。データがそろえばそろうほど精度が高くなるので、あとはこのソフトウェアを検索と登録部分を切り出してクラウドに上げて、データをそろえるだけ、なんですけど、なんですけど、そのデータをそろえるだけが、少なくともチーム戦で、オートメーション化しないと、単純だけど、気の遠くなりそうな作業なんですよね…自分はソフトウェア機能実装しているので、1件政党交付金使途報告書をデータ化するくらいで、しばらく手を出せないです…

で、これが本格的に稼働できれば、

1)企業・政治団体・個人に限らず年単位のパーティ・寄附といった分野を問わない総額キャップがはめれると思います。

2)政治家自身が、どのような職業・業界から資金提供を受けているか、比率表の作成が可能になると思います。

で、業界から金をもらっているという話なのですが、あんまり『金をもらっていると影響下にある』という言辞と、実際に行動してしまうのはどうかと。金をもらったら、くれた人の政策を実現しなければならない→贈収賄の色合いが濃くなる、のループに入るんじゃないですかね。確かに資金はもらっているけど、資金をくれたあなたのしてほしいことをかなえたら、社会全体が壊れてしまうので、要求のうち、その件だけは絶対にしないよ、くらいのスタンスでいないと贈収賄的『性格』を否定できないでしょ、基本。
そりゃぁ刑法上の贈収賄の場合は職務権限の認定幅が狭いかもしれませんが、政治資金規正法で、地方で補助金を受けた企業が特定の政党に寄付ができない理由とされる、政党が影響力が及ぼしうる範囲って、『単に議席を確保している』だけで認定されているわけで、影響力の範囲って法的ですらこれほど幅があるんだから、道義的には、さらにいろいろ考えられる気がするんですけどねぇ。

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