![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/134004017/rectangle_large_type_2_bf236aed33f5ba0982f811b564c70d03.png?width=1200)
生きにくい人へ
生きにくい、生き難い、と思っている全ての人がそれでも生きるのだと、踏ん張れますように。
生きにくい、生き難い、と思っている全ての人に理解者がいますように。
豆から淹れるコーヒーの楽しさを教えてくれたのは彼でした。
花火を見たいのに調子が悪くなり3度もお預けになったり、朝からの予定は絶対に組めなかったり、そもそも予定すら負担になるから立てれなかったり。
それでも。
猫と暮らす豊かさを教えてくれたのは彼でした。
さっきまで普通に話していたのに急に不機嫌になったり、夜は楽しそうに沢山話したのに、朝は絶望していたり。
それでも。
お通じの話ができるのも、痔のお薬を一緒に買いに行ってくれたのも彼でした。
一緒に暮らし始めてからうまく眠れない、と言われたり、軽い相談が負担になってイライラされたり。
それでも。
病気になった時、全力で介抱してくれたのは彼でした。
海のそばで暮らしたいとやる気満々で古い家を手入れしたのに、半年も経たない内に「もう暮らせない」と言ってみたり。
その海岸を歩くことすら辛い思い出になったり。
それでも。
私が本を出したいんだ、と言った時にバカにせず、絶対書くべきだよ、と言ってくれたのは彼でした。
ここまで書くのに、嬉しかったことや楽しかったことは沢山思い出せるのに、嫌だな、と思うことは一生懸命思い出さないと書けなかった。
生きにくい、生き難い、と思っている全ての人へ。
そうだとしても。
あなたがいる事で嬉しいと、楽しいと思う人がいます。
毎日のほんの一瞬でもそのことを思い出す時間がありますように。
どうか心安らぐ瞬間が少しでもありますように。
photo by saba