私のライターの原点は「ボランティア精神」。今もそれは全く変わっていない
私のライターの出発点は地元イベントのボランティア。つまりただ働きだ。そういう働き方をバカにする人もいるが、私はそれも大事な社会貢献の一つだし、立派な仕事のひとつだと思っている。
そんなボランティアライターとしてお金にもならない取材記事を書き続けて8年。今年もただ働きのボランティアとしてその仕事を続けている。それどころか、今年からはよりディープな形で関わっている。
◇
そんなただ働きの仕事が「手に職になるかもしれない」と思ったのは4年ほど前。そのイベントで私が書いた取材記事を、その取材対象の人(何度もメディア取材を受けているある道の有名人複数)が読んでくれたことだった。
その人は私の顔を見るなりこう言った。
「もしかしてあなたプロのライターさん?ここまで本質を突いた内容の記事を読んだのは久しぶりなんだけど」
また、その人のそばにいた人たちも同じような感想を述べた。聞けば彼らは元雑誌記者だと言うではないか。
……え?何言ってんのこの人たち。
と耳を疑った。他の人が書いた記事と勘違いしているんじゃないの?と思ったからだ。
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しかし、目の前にいるのは確かに私が記事を書いた取材対象の人。やはり私の記事を指して言っているらしい。
一方、元々雑誌記者の人は手放しに記事を誉めなかった。私の文章はまだプロとしての完成度がそれほど高くない。それに長すぎるので、人によっては途中で挫折するだろうと指摘した。
確かにそれは自分でも感じていたので、まあその通りだろうと思った。別に腹も立たず、その指摘が実な的確なことに「さすがプロ」と感心したものだ。
しかし、彼らは続けて耳を疑うようなことを言った。
「長いのに最後までテンポがいい。こんな長文を一気に読めるのは珍しい。これで素人ならすごいよ」
え????そんなこと言ったら私調子に乗っちゃうよ?と思った。と同時に、心が浮き立つ自分に危機感を覚えた。所詮リップサービスなのだから本気にするなと脳がアラームを鳴らしていた。なんとか大人の自制心を取り戻し、変な色気を出さないようにと自分を戒めた。
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その約4年後。私はWebライターとして記名記事まで書いている。
あれほど「いい年して調子に乗るな。夢を見るな」と自分を戒めたにもかかわらず、私はその時の彼らの言葉を真に受けてしまったのだ。
かくして、当時アンケートサイトだと思っていたランサーズで文章を書く仕事を始め、今ではまがりなりにもライターを名乗る人間になっている。
未だに、なにがどうしてそういうことになったのかわかっていない。ただ、自分の書いたものが商業ベースで運営されているメディアに掲載され、多くの人に読まれている。
最初は自分がプロライターであると名乗っていいのかどうか迷ったが、最近ようやく「ああ、私お金をもらって記事を書くプロライターと名乗っていいんだよね……」と認識した次第だ。3年半も経って今さらだけど。
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しかし、そもそもの原点がボランティアライターであるせいか、あまり収入に関してどん欲ではない節はある。多くの人が記事を読み、良くも悪くも反響があること自体がただうれしいし、読まれなければ自分の力のなさに落ち込む。収入が落ちるより辛いのはちょっとプロとしてどうかと思うことはあるけど。
収入への関心がないといったら大嘘になるし、報酬が入れば喜んで通帳の数字を眺めてはいる。でも、それよりも読者の反響やアクセスなどの数字の方がよほど気になって仕方ないのはなぜだろう?やはり私はまだまだフリーランスとして甘ちゃんなのだろうか。多分そうなんだろう。
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それでも私はこう思うのだ。
書いた記事が多くの人に読まれてこそライターはお金がもらえる。数字が取れればお金なんて黙っていてもついてくる。あとはどうやって必要とされるライターでいつづけられるかを常に追求していけばいい。
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もともと私は無償労働にあまり抵抗はない。長く専業主婦をやってきてそれに疑問を感じなかったのもそのためだ。誰かの喜ぶ顔が見られるならただ働き万歳だと思う節さえある。
お金をもらっているライターの仕事でもそのスタンスは同じ。ここでも原点は「ボランティア精神」だ。だから単価は高くても少々割に合わない仕事になることもしばしば。それでも私にとって一番大事なのは読者が読んでくれる記事、ひいては数字が取れて掲載媒体の利益になる記事を書くこと。報酬は二の次だ。
とはいえ、掲載媒体の利益が上がればそれが実績になって仕事が仕事を呼び収入が上がる。現にそのような実利につながっているからよしとしよう。
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なんか話がまとまっていないが、ここからは強引にまとめよう。
私自身は、プロのライターとして読者ファースト、クライアントの利益優先で仕事をするボランティア精神を持つことは決して悪くはないと思っている。多くの読者に自分の記事を届けるにあたり、読者の利益にもならないコピペ記事や内容が薄くて読みごたえに欠ける記事を書くならお金などもらう資格がない。そんな記事しか書けなくなったら、もはやライターを廃業するしかない。たいした稼ぎもない私だが、そういう切羽詰まった気持ちはいつでも持っている。
今後もそのスタンスで、読者ファーストのボランティア精神を忘れず、自分の収入よりもその収入の源になる数字を上げることを常に目標としたい。そのためにも、どれだけ他の人に甘いだなんだと言われようが私は私の道を貫く。本当に読者のためになる記事を書き、多くの人に記事を読んでもらえるライターになりたい。ボランティアライターだけやっていた頃と同じその気持ちを忘れたくない。今はそんな風に思っている。
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