「文章力」は暴力から我が身を守る武器となる
「文章力」について書いたnoteが、今でも多くの人に読まれています。
このエントリーを書いてから3年近く経ちますが、今でも「スキ」を押してくださる人がポツポツ存在します。ありがとうございます。
コロナ禍の影響でますます文字でのやり取りが増えている今は、文章力があると非常に有利だと思います。
ともすれば誤解も生まれやすい文字だけのやり取りでも巧みに言葉を駆使して上手にコミュニケーションを取れるからです。
けれども、「文章力」のメリットはそれだけではありません。誰かに理不尽な暴力を受けた時、文章力が強力な「武器」として役に立つのです。
暴力の証拠に動画・写真・音声を撮るのはとても難しい
DV、モラハラ、パワハラ、セクハラ、いじめ、痴漢、レイプ、恐喝
など、暴力の種類は数え切れぬほどあります。
それらの暴力を受けたことを周囲に知らせるには「証拠」が必要となります。
一番わかりやすいのが動画や写真、音声などのストレートな証拠ですが、その形で証拠を残すのは非常に難しいのも確かです。
経済的DVを受けていればスマホすら持たせてもらえないケースもあるでしょう。
また、機材を用意できたとしても暴力を受けてギリギリの精神状態で冷静に暴力の証拠を撮る(録る)のはとても難しいことです。
下手すると加害者に撮影(録音)していることが見つかり、さらに激しい暴力を受けるかもしれません。
暴力が行われた場所が職場、加害者が上司であれば、被害者であるはずの自分が職を追われる可能性もあるでしょう。
そのようなリスクが伴う記録を録るのは容易ではないのが実情です。
その場合は、別の手段で証拠を残すことが必要となります。
「文章による記録」は暴力を受けた有力な証拠となる
「撮る」「録る」以外の方法で、証拠を残す有力な手段となるのが「文章による記録」です。
文章であれば機材がなくてもペンと紙があればOKです。また、暴力を受けたあとでもその時の様子を思い出しながら書くことも可能でしょう。
もちろん、動画や画像、音声よりも証拠として弱いことは否めません。
しかし、文章で暴力を受けた事実を細かく記録していれば、それが離婚調停や裁判などで有効な証拠となることは周知のとおりです。弁護士なども文書で暴力の証拠を残すことを勧めています。
文章を有効な証拠にするにはある程度の文章力が必要
ただ、文章による記録を有力な証拠にするにはある程度の文章力が必要となります。
つたない文章でも意図は伝わるでしょうが、やはり誰もが一読して状況がわかる文章を書いた方が証拠として強いでしょう。
文章力があれば動画や写真に次ぐ効力を持つ証拠を作ることができ、数々の理不尽な暴力からわが身を守れる可能性が高くなります。
そのため、ぜひすべての人に文章力を身に着けることをおすすめします。
といっても、文章力は一朝一夕で身につくものではありません。ふだん文章を書き慣れていない人が、いきなり証拠として有力な文章を書くのは難しいかもしれません。
そこで、ここからは私自身が実生活で経験したことをもとに、誰でもすぐに「わが身を守れる文章」を書くコツをお伝えします。
実例:暴力を受けた証拠を文章で残す方法
ここでは、「約20年前に我が子が担任から激しい暴力を受けて学校に行けなくなった」時のことを実例として話します。
(1)暴力が起こった背景やその後の顛末
最初に状況説明として、暴力が起こった背景やその後の顛末について簡単に記します。
暴力教師が我が子の担任となり、多くの子どもが担任から暴力を受けて学校を休みがちになりました。
我が子もその一人でした。
学校にもその件について相談していましたが、保身でのらりくらりとかわすばかりで埒があきません。
そこで、子どもへの暴力に私が気づいた時点から事細かに書き溜めていた
・「暴力を受けた記録と子どもの様子」を記録したノート
・「子どもについて担任と話し合ったことが記載された連絡帳」
・腹痛の際に小児科で処方された精神安定剤の処方箋(医師の同意を得てコピーも取った)
※いずれもコピー。元本は手元に保管。
を持参し、改めて他の保護者とともに学校との話し合いに臨みました。
学校は、証拠を持参しなかった他の保護者相手の話をのらりくらりとかわしていましたが、私が証拠となる記録を手に話し出したら雰囲気が一変。
あっけないほど態度を豹変させて保護者への謝罪と具体的な対処を行いました。
その時、つくづく「自分に有力な証拠を作れる文章力があってよかった」と思いました。
(2)学校に持参した「証拠となる文書」はどのように書いたか?
次は学校に持参した「証拠となる文書」について、どのように書いたかを具体的に説明します。
まず、「証拠となる文書」の要素となるのは、「When」「Where」「Who」「How」の4つです。
1.When=「いつ」
2.Where=「どこで」
3.Who=「だれが暴力をふるったか」
4.How=「どのような暴力を受けたか」
などが「暴力を受けた時の状況」の説明になります。
次は、上の4つの要素に以下の補足事項を足していきましょう。
私の場合は
・暴力を受けた時子どもはどう感じたか
・なにが暴力を受ける引き金になったか
・その時の加害者の様子はどうだったか
などについて子どもから聞き出し、その内容が事実と相違が生じないように気を付けながら丁寧に記録していきました。
ただ、暴力を受けた状況によっては別の補足事項も必要になります。
その場合は状況に合わせて補足事項を付記し、証拠として残しておくことをおすすめします。
あと、医師の処方箋や診断書などがあると、より強力な証拠の裏付けとして非常に有効です。
スマホがあれば暴力を受けた傷の写真も撮りやすいでしょう。それも撮っておくことを強くすすめます。
傷の写真は、医師の処方箋等と同じく「証拠となる文章」の強力な裏付けとなります。
当時はスマホも携帯もない時代で、ちょうど家のカメラも壊れていました。
それを理由に傷の写真を撮らなかったため、担任から「証拠がない」と言い張られて悔しい思いをしました。暴力による傷の写真はぜひ残しましょう。
わが身を助ける武器になる「文章力」をつけよう
他者から理不尽な暴力を受けた場合は、わが身を守るために動き出すことが必要です。
そのためには、暴力を受けていることがわかる「証拠」を残し、周囲の人に助けを求める必要があります。
暴力の証拠を残す方法はいくつかありますが、その中でもっとも安全に証拠を残せるのが「文章」です。
文章で暴力を受けている事実を証拠として残し、周囲の人がすぐに暴力に気づく形にできればわが身を守れる可能性がぐっと高まります。
文中でも繰り返し申し上げましたが、ぜひわが身を守る手段として「文章力」をつけ、いざと言う場合に備えてほしいです。
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