二〇〇八年四月二二日
時よ
走れ走れ
涙も追いつかぬくらい
一時間は一分に
一分は一秒となって
そうして
さっさと時を通り抜け
はやく
はやく息絶えたい
目の前の出来事に
きらきらと目を輝かせているふりをして
つらい時を少しでも楽しくおもえればと
辛い人生なんて厭!厭!厭!
私の気高いプライドが許さない
はねのけて見せるわよ
と笑って歩く
感情を笑いでねじ伏せる
生々しい感情は
誰の目にも触れない暗闇へ
カチン
鍵を掛ける
代わりに取り出したのは
笑顔の仮面で
私は笑うこと、それ以外わすれ
感情を出すすべを忘れた
ねじ伏せられた感情は
ときに狂気となり人を傷つけ
酒という薬で洗い流す
感情を緩和すべく人生をあきらめ
人間に対して、こんなもんだと諦める
それが冷たい眼を作り
人を刺す
感受性が生みだす冷酷
それを眺める第三者の冷静な眼は
本当の意味での理解はしない
他人の傷に無頓着な
静かな眼を持つ第三者の私
己の傷に敏感な
熱い涙を滴らすわたし
みな
胸のうちに鍵の掛かった
箱を持つ切なさよ
(二〇〇八年四月二二日)