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対物性愛者、記録してもらうの巻
今日も今日とて刀に本気で恋をしている。
ほぼ毎週のように博物館に通っては1時間単位で同じ刀を見続けている。
今日はフォロワーさんに見守られながら愛する刀を見ていたのだが、フォロワーさんがそんなわたしの姿を写真に残してくれた。
正直、その発想は無かったのだ。なんというか、わたしにとってあの刀は手の届かない、本当は好きだなんて、愛してるだなんて烏滸がましいほどのものだと思っていたから。
でも、一緒に写真撮りますよと言っていただいて、撮っていただいて、そしてその写真を沢山のフォロワーさんに褒めていただいて、なんというか、わたしはあの刀を愛していてもいいんだな、と思えた。
わたしはあの刀を初めて見た時、目が合ったと思ったのだ。確かに、ほんの一瞬だったかもしれないけれど、向こうからすれば一瞥しただけだったかもしれないけれど。でも確かに目が合った、と。
だから、わたしが刀を見ている後ろ姿を撮っていただいたことが、まるで目を合わせている瞬間を撮ってもらったようで、今少し泣きそうになっている。
いろんな人に、こんなにもあたたかくわたしの対物性愛を受け入れてもらえていることは、本当に幸福なことだと思う。
そして、何よりあの刀が千年の時を健やかにあり続けて、現代でこうしてわたしにも姿を見せてくれていることが、何より幸福だ、と思うのだ。
恋をしてから、言葉にするのが難しい感情が増えたなと思う。嬉しいような、泣きたいような、苦しいような、でもやっぱり幸せなような。
多くを望みたくないような、でもあの刀に常に関わっていたいような。
でもただ一つ、これだけはいついかなる時も考えている。
どうか、この先も幾千年。あの刀が健やかであるように。今日も明日もそのずっと先も。わたしはずっと、祈ってやまないのだ。