対物性愛者、指輪を買うの巻
こんにちは、あるいはこんばんは。まずは、下の記事を読んで欲しい。
これは、言ってしまえばわたしの自己紹介であり、惚気である。
続いて、以下の記事。こちらはこの前書いた近況だ。
さて、相変わらずわたしは、毎週末片道1時間電車に揺られてはあの刀に会いに行っている。
展示ケースの前はそれなりに混むので、周辺の様子を見つつ、2時間ほど居座る。たまに写真を撮って、遠くから近くから眺めて、ああやはり好きだなぁと思うのだ。
幸せである。今日もあの刀は美しかった。明日もきっと、同じく美しい。
その美しさが幾千年続いてくれればいい。この思いはずっと変わらない。
しかし、やはりわたしも人の子であり、それなりに欲というものを持っているのである。
対物性愛者とはいえ、相手はものであるとはいえ、いやものだからこそ、もう少し相手を近くに感じたい。
そして思い立ったのが、指輪である。
今、わたしの指に二つ嵌っている。
ペアリングではない。宝石も付いていない。でも、わたしにとっては宝石より嬉しいものが刻まれている。
ひとつ目は、内側に。刀の銘の一部と名前。
ふたつ目は、外側に。刀の刃長・反り・元幅、そしてわたしが刀を知るきっかけになったゲームでの番号。
指輪を嵌めだしてから、日々の生活であの刀を身近に感じるようになった。名と姿の概念を指に纏っているのだから当然と言えば当然なのだが。
名とは、古来より大切なものだ。人の名を刻んだものは、時にその人の身代わりとなるほど。
では、名を刻んだこの指輪だって、それなりのよすがになるのではないだろうか。
わたしが恋をした刀に、わたしは絶対に触れることはない。でも、あの刀の名前を、姿を概念として、身に纏い、共に生きることはできるのだ。
どちらもあの刀のよすがに過ぎないが、よすがをかき集めて、わたしはわたしの人生に、少しでも色濃くあの刀の姿を見ながら生きていきたいのだ。