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きょうを生きる友へ① 意識に染み付いていた男女差別
はじめに
大学を出て働き始めて20年弱。学生時代には感じたことのなかった女性差別に有形無形にあいながら、目の前の仕事に打ち込んできたら39歳になっていました。アラフォー、独身、子どもなし。バリキャリとは言えないけれど、誇りを持って働いてきました。
フェミニズムに関心が高まる今、自分の半生を振り返ることが記録にもなるかな~と思い、エンタメ小説のような、コラムのようなものを書いてみようと一念発起しました。
私の人生は私のもの。そして、これを読むあなたの人生もあなたのものです。それぞれの場所で懸命に生きる友へ…姉かもしれない、妹かもしれないあなたに向けて言葉を綴ります。
きょうを生きる友へ ① 意識に染み付いていた男女差別
この世の中には女性であることが不利に働くことがある。
私は社会に出るまで、そう実感する機会が少なかった。
働き始めた15年ほど前、肩をいからせて、「男性の3倍やって、ようやく認められるのだろうからがんばろう」と自分を励ましていた。なんて健気なんだろうとけれど、そこには無意識に「女性は社会で評価されない」という思い込みがあったと今なら思う。どうして男性の3倍がんばらなきゃいけないと思ったのだろうと笑えるが、当時の私は本気だった。男女雇用機会均等法が1985年に成立してから20年以上経っているというのに。
飲み会に行けば、偉い人の隣の席が空いていて…偉い人というのはもちろん男性だった…、そこに自動的に座らされる。断る選択はない。お酌もしたし、今ならセクハラと思うことも笑って流せて、「もー、やめてくださいよ!」と言うことが「出来る女」だと勘違いしていた。いや、勘違いだと気づいたのはこの数年のこと。3年前に財務省の事務次官が女性記者にセクハラ発言を繰り返し、辞任した報道を見て、ようやく気づいたのだった。
その頃は毎日のように上司に怒鳴られていたから、感覚もおかしくなっていた。飲み会に出掛けて、上司が怒鳴らなければ他のことはどうでもよかった。返すのに、言葉に詰まるような下ネタも、苦笑いで流した。
いま振り返っても、なんでこんなことを言われなきゃいけないのかと思うことばかりだったのに、言われたときはうまく振る舞えたと思っていたからたちが悪い。「最近、セックスしたのはいつですか?」。そんなことを聞かれたこともある。しらふだと口にできないような言葉も、酒席だと、どこからそんな自信が湧いてくるのだろうという豪快さでにじり寄ってくる。
今なら、苦笑いで流さずに、笑顔で「それ、セクハラですよ」と言える。でも、それは私が年齢を重ねたからだ。20代の頃、さまざまなチャンスは、セクハラの薄紙の向こうにあるかもしれないと錯覚していた。もちろん、そんなことで得たチャンスなどほとんどないのだけれど、「男性の3倍働かなければ」と、仕事にも人脈作りにも熱心だったから、そう思い込んでしまった。
新型コロナウイルスの流行で酒席は大幅に減った。残念に思う人もいる一方で、心の平穏を取り戻している人も少なくないはずだ。
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