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茅原実里さんアコースティックライブ「Sing a Song」。河口湖円形ホールに響き渡った女神の歌声は最高過ぎました
歌手・声優である茅原実里さんによる歌唱と、演奏家・アレンジャーである大嵜慶子さんによる演奏のみで披露されたアコースティックライブ「Sing a Song」について紹介します。
記事後半では円形ホールをはじめとする河口湖周辺の訪れた場所についても触れたいと思います(…と思ったのですが、あまりにも長くなり過ぎたので別記事として独立させました)。河口湖に興味がある方はこちらもどうぞ。
なお、本公演は12月20日から22日までの期間にて6回開催されました。
筆者は12月22日(日)昼公演のみ参加です。
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かつて茅原実里さんが本当のことをお話しした湖岸もこのあたりです。
それはアーティスト茅原実里さんの歌の真価を混じり気なしの直球で感じられた、鮮烈な音楽体験でした
いやもう、これで言いたいこと全部言っちゃったようなもんですけどね。
これを読んでいる皆様が普段どんな音楽をどれくらい聴いている方なのかは分かりませんが、もし貴方のお気に入りのアーティストが「アコースティックライブをやる」って知らせが入ったなら、貴方は万難を排してそのチケットを取りに行った方がいいです。
「アコースティックライブ」っていうのは、電気を使用しない生楽器だけで演奏する形式を指すのですが、今回の「Sing a Song」に関していうと、楽器については(ほぼ)ピアノのみで、後は茅原実里さんの歌声、それがすべてという世界です。
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圧倒的に静かな空気の中、響き渡るはピアノの音色と歌手の歌声だけ。その場のノリや勢いで誤魔化すことが許されない、歌とわずかな楽器の音だけで観客に伝える、まさに待った無しの一本勝負。
この環境がどのくらいアーティストの真価を引き出すものか、皆様に想像が付きますでしょうか?
今回歌われた茅原実里さんは、声優としても歌手としてもおよそ20年に渡るキャリアをお持ちの方で、その澄み渡るようなハイトーンの音域と良く通る声質は「クリスタルボイス」の呼び名で知られております。
その生声を至近距離で受け止めるこの音楽体験がどれほど素晴らしく感動的なものであるかは、如何なる文章をもってしても伝わりますまい。本公演の配信が期間限定で行なわれておりますが(本記事の末尾参照)、おそらくそれをいま一度観たところで、現場のあの呼吸すらも止まるかのような空気感を体験することは叶わないでしょう。
だからこれをお読みの皆様も、そのような機会がありましたなら、ぜひ体験していただきたいのです。
▲今回はセトリに入っていませんでしたが、近年で彼女を代表すると言って良い楽曲「みちしるべ」(アニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」ED主題歌)。聴いたことのない方はぜひ聴いてみてください。アコースティックの雰囲気を感じていただけるかと思います。
その眼が語る!表情で魅せる!歌声だけでなく全身全霊でその想いを放つ演者、茅原実里!
茅原実里さんは歌だけのアーティストではありません。長年に渡る声優としてのキャリア、そしてここ近年において歌手活動を休止していた時期に挑戦した「一人芝居」、そしてミュージカルへの出演といった経験が、彼女を演者として大きく成長させしめました。
今回の茅原実里さんによる「Sing a Song」。その透き通った歌声もさることながら、その演技力もまた圧倒的なものでありました。
激情を宿した瞳。
憂いを含んだ表情。
指先一本までぴんと張り詰めた手。
凄まじさすら感じさせたこれらの表出は、これまでのライブでは見ることが叶わなかった茅原実里さんの新たな境地と言って良いでしょう。
「ここからどう変わっていくのか。変わっていくべきなのか」っていうことを考えるようになって、いまは一人のシンガーとして、アーティストとして、ひとつ階段を上りたい、ステップアップしたいなと思っています。そんな私の変化の過程をお見せ出来たら、というのが、今回のライブのテーマになります。
有言実行。まさに彼女はご自身の仰ったことを、想像以上の形で私たちに見せつけてくれました。
そしてここが重要なところなのですが、その「微に入り細を穿つ」かの如きパフォーマンスは、それが演者自身の息遣いもろとも間近で感じられる環境だったからこそ、観客である私たちに正しく伝わったのだろうと思います。
そう、ここで大切なのはまさにその「環境」です。
茅原実里さんはこの場所で映像収録や一人芝居を実施した経験から、「この河口湖円形ホールならば、自らの理想の音楽をやり切れる!」と確信していたに違いありません。ということでここから少し、今回の会場である河口湖円形ホールについて語りたいと思います。
河口湖円形ホールと茅原実里さん
河口湖円形ホールは河口湖の北岸に佇む、文字通り円形なのが特徴の非常に美しい建造物です。
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茅原実里さんが夏にライブを行なった河口湖ステラシアターと同系列の会場ですが、あちらが3,000人の収容人数を誇っているのに対し、こちらは100人程度といかにもこじんまりとしたホールとなっております。
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円形ホール外観。
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玄関はこんな感じ。
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円形ホールのすぐ後ろからは、河口湖の向こうに富士山を一望できます。
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ホール内はこんな感じ。これは2023年9月音楽熱想フェスのときに撮影したものですが、その規模感が伝わるでしょうか。
茅原実里さんは2021年に発売したミニアルバム「Re:Contact」の中の一曲「Sing」を、ここ河口湖円形ホールにて作曲者の須藤賢一氏(ケニー)のピアノ伴奏にて歌っています(この様子は「Re:Contact」豪華盤に同梱されている特典映像BD「Message05」に収録)。
この時は茅原実里さんが音楽活動を休止する直前でありましたが、今にして思えば、彼女はこの収録を通じて河口湖円形ホールの可能性を見出していたのではないかとも思われます。最もそれがご自身のアコースティックライブという形で実を結ぶのは、しばらく先のことになるのですが…。
そしてまた、茅原実里さんにとって河口湖円形ホールは新たな挑戦への舞台でもありました。そう、歌手活動を休止した後に彼女が「新しいエンタメを届ける」という主旨の宣言をして公演を実施した一人芝居です。
茅原実里さんの一人芝居は2022年の「メリーの不思議な夢」、そして2023年の「ヘルプミー」と2年連続で行なわれたのですが、いずれも茅原実里さんの演者としての新たな可能性を引き出した公演でありました。
そして2024年、夏に河口湖ステラシアターでのライブを成功させた彼女は、ついにこの河口湖円形ホールにて、アコースティックライブを行なうことになったのです。いろいろ端折った部分もありますが、これが茅原実里さんと河口湖円形ホールについてのおおよその流れです。
ライブを観る側としての河口湖円形ホールはどうか。これはもう「演者との距離が近い!」のひと言に尽きます。近いんですよ!本当に。最前列とかに座ったら、アーティストとの距離2mくらいしかないですから!!
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これも2023年9月音楽熱想フェスのときに最前列で撮影したものです。ここに歌手が立ったら、どんだけ近い距離で感じることができるか想像してみてください。この接近戦ヤバ過ぎだって分かるでしょう?
ちなみに私は当日A席(前から4列目)くらいのところで茅原実里さんを見たのですが、それにしたって数mくらいなもんですよ。こんな目の前に女神がいていいの?って感じです。いま思い出しても鳥肌が立つくらい神々しさが伝わる会場。それがここ、河口湖円形ホールなのです。
最もこの規模の会場であるがゆえに、公演1回あたりの収容人数はどうしても100名程度に限られてしまいます。そのため今回は3日間に渡り何と6公演を行なうことで少しでも多くの方に鑑賞機会を提供しようとされたと思いますが、それでも結構な落選者が出たということ。いかに茅原実里さんの歌唱に対する期待が高かったかが伺えるというものです。
いよいよライブ!!
前置きが長くなり過ぎました。いよいよライブの中身について語ります。
胸が高まります!!
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12月22日13時開演前の様子。
全国から河口湖に集まった茅原実里さんファン同志でワイワイするの本当に楽しい!!
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ささやかながら一応お手紙らしきものを用意してきました(ホントに中身は大したこと書いてないのですが…)。
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手荷物検査。
今回はいつになく厳重にやっていた気がしました。
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ついに入口へ。
この中に…この中にみのりん(茅原実里さんの愛称)がっ!!
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楽曲(セトリ)のご紹介
それでは今回のライブで披露された楽曲について、私の個人的感想や歌詞に対する思いなども交えてお届けします。
このパートは私もファン視点で書くので、茅原実里さんについて知らないと理解が難しいかもしれません。そのあたりについては、分かりにくい記述は適度に読み飛ばしていただけますよう、どうかよろしくお願いいたします。
注記①:
記事内における歌詞の一部掲載につきましては、JASRACならびに文化庁等のWebページを確認した結果、引用の範囲に適合するよう配慮して行なっております。ただし権利関係者よりご指摘があった際には然るべき対応をさせていただく所存ですので、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
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注記②:
記事内で「茅原実里さん」と「みのりん」(愛称)が入り乱れていますが、深い意味はありません。あえて言えば執筆時の私の感情がそこに反映されているのだと思ってください。
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注記③:
読者の皆様にもなるべく実際の音楽を聴いてほしいという狙いから、貼れるところはなるべくランティスまたは配信会社による公式のYouTube動画を貼り付けてお届けします。いずれもこのライブとは別の動画ですので、そこのところを誤解されませんようお願いします。
1.NEO FANTASIA
この楽曲が大嵜さんのピアノから流れ始めたとき、しんと静まり返っていたはずの会場の空気か一瞬「!?」って揺らいだような気がしたことを覚えています。
2013年に発売されたアルバムのタイトルにもなっているこの「NEO FANTASIA」は、あたかも交響曲であるかの如き壮大さを感じさせる雰囲気の楽曲です。どちらかというとオーケストラが似合いそうなこのタイトルが、まさかピアノ単体による演奏で行なわれるアコースティックライブの一発目に出てくるなんて、このオープニングを予想できた人はほとんどいなかったのではないでしょうか。
思いもがけないタイトルのいきなりの登場に少々面食らいつつも、円形ホールに放たれた茅原実里さんの美声は神々しく響き渡り、またたく間に私たちを非日常の音楽世界へと誘ってくれました。これ以上はないというくらいの前奏曲!!初っ端から魅せ付けてくれました、茅原実里!!
2.Awakening the World
うわまた2曲目でえらくタイプの違う曲を持ってきたもんですな。みのりんてファンのセトリ予想を覆すことに命懸けてるんじゃないかと時々思うことがあります(笑)。
この曲が収録されているアルバム「Innocent Age」は全編を通じて恋愛感情~恋から愛に変わっていくその瞬間~をテーマとして作成されたコンセプトアルバムです。この「Awakening the World」はその中の2曲目に入っていおり、恋愛模様の初っ端も初っ端、恋に恋する乙女のココロをポエムのように綴った歌詞となっています。
このポップでキュートな楽曲がピアノ演奏+歌唱のアコースティックに合うか?と思いましたが、なかなかこれがどうして。しっとりと、かつ伸び伸びと響いた茅原実里さんの歌声は、少女から大人になって過ぎし日のあの頃を懐かしみながら語っているかのように、私には感じられました。
3.ありがとう、だいすき
これも前述したアルバム「Innocent Age」の中に入っているのですが、曲順としては14曲目。恋愛模様で言うと恋が愛に変わっていく中で、喜び悲しみ妬みの感情を経験し、期待と不安を繰り返した末に到達した境地…といったところです。「ありがとう、だいすき」って素直な気持ちで相手に伝えられるまでに、どれくらい相手への想いで七転八倒してきたことか。でもそうした過程を経て、恋は愛へと昇華していくものなんですね。
曲調もスローでバラード調。語りかけるように歌うこの曲は、まさに今回のアコースティックライブにピッタリなタイトル。みのりん特有の透き通るような声は艶めきを増し、胸に、心に沁み渡ります。何故この方はこんなにも美しい声が出せるのだろう…。私はいま、世界で最高の「ありがとう」と「だいすき」をいただいている…そんなことを思いながら聴きました。
みのりんありがとう、だいすきです💕
4.そのとき僕は髪飾りを買う
茅原実里さん楽曲の中でも特にストーリー性が強い歌詞のタイトル。この曲もまた恋愛感情がベースになっているのですが、男子視点で女子への憧れが綴られていることが前2曲とは異なっています。
私の中では取り立てて凄く好きな楽曲というわけでもありませんでしたが、今回のアコースティックライブで私的に最も評価が爆上がりした一曲となりました。こんないい歌詞だったんだこれ…。「自分もいつか誇れるような大人になって申し込もう」というフレーズが特に最高で、いつまでも私の耳に残り続けています。
それにしてもこの歌詞をあらためて見返してみると、意中の女性はロングヘアのようなので、もしかしたら茅原実里さんはこの物語に登場する女性に自らを見立てて歌っている…のかも知れません。
5.Remained dream
いやいやいや、それ持ってきますか!?
強烈過ぎるでしょうこのタイトルは。
とにかく全編を通じて絶望感に塗りつぶされているのが特徴の歌で、これが茅原実里さん特有の突き抜けるような高い声で歌われることによりその救いの無さをまざまざと思い知らされる一曲となっています。
誰か絶望の意味を教えて欲しいんだ
今ここにあるのは違うのか?
という歌詞は何度聴いても強烈に胸に突き刺さります。
茅原実里さんの深さ、凄さを見せつけてくれるこの楽曲、ピアノと歌のみで聴くとさらに心の奥底に突き刺さるような感じがしました。
6.蒼い孤島
このタイトルは割と茅原実里さんライブにおける定番ナンバーのような気がします。実際の楽曲もピアノ演奏から始まるので、そういう意味ではスッとイメージ通りに入ってきたように思います。
それにしても激しい愛の歌ですよねこれ。愛し合う二人の逢引きを「他には誰もいない情熱の島」になぞらえ、そのまま「燃え尽きてもかまわない」と叫ぶ「私」。その歌を聴くだけで、いままさに愛し合っている二人の姿がありありと浮かんでくるかのよう。ピアノ伴奏だけで歌われるこの「蒼い孤島」は、いつものライブなどよりもよほど凄みがありました。
なおこの楽曲を作曲したのは俊龍さんという方なのですが、この方の音楽プロジェクト「Sizuk」の中でAYAME(from AliA)さんのボーカルによりカバーされたことも触れておきます。茅原実里さん楽曲を数多く手掛けられた俊龍さんですが、このタイトルはやはり作曲者ご本人にとっても格別の思い入れがあったのではと感じさせられます。
(以下、2025年1月3日追記)
なお、この歌は4月に中国の上海・武漢で開催された「茅原実里オーケストラコンサート2024」において大嵜さんのピアノにて、大嵜さんと2人で歌われたのだそうです。茅原実里さんMCより。
7.Re:Contact
ちょっと長文にてお話しします。
この楽曲は茅原実里さんが2021年に歌手活動を休止する直前にリリースしたミニアルバム「Re:Contact」に収録された中の1曲目です。アルバムの楽曲はいずれも茅原実里さんと関わりのある作詞家・作曲家が、これから歌手活動を休止して新たな道を目指す茅原実里さんへのメッセージという意味合いを込めて制作されたものとなっています(アルバム最後の曲「Sing」のみ茅原実里さんが作詞。これについては後述します)。
特にアルバム自体のタイトルともなっている本曲「Re:Contact」はとりわけメッセージ性が強く、当時の茅原実里さんに対する「覚悟」を促す歌詞内容となっております。
翼がないままでも 明日を飛ぼう
嵐の中でも 凍えながら進もう
それにしても、と私は思ったものです。確かに当時の茅原実里さんはそれくらいの覚悟を持って歌手活動休止を宣言したと思うのですが、はたしてそこまで言われなければならないものなのか、と。
とは言え当のご本人はこれを「背中を押してくれた」と受け止めたらしく、当時ラストライブと呼ばれたステージに立った茅原実里さんは、声高らかに満面の笑みをたたえながらこの曲を歌い上げました。いまでもそのときの光景が私の脳裏に焼き付いています。
あれから3年。
茅原実里さんはこの日のMCで「かつて背中を押してもらっていた私は、いまや自分が誰かの背中を押してあげられるようになった」という主旨のことを語られました(表現は正確でないかも知れません)。
夏に河口湖ステラシアターで行なわれたライブ「Historical Parade」2日目もこの楽曲が歌われたのですが、茅原実里さんはきっとこの「Re:Contact」を歌に対する新たな思いと共に、自身の定番曲として育てていくつもりなのかもしれません。多分に私の考え過ぎかもしれませんが。
楽曲自体は疾走感あふれるメロディーと強い意志を持った言葉で構成されており、私的には茅原実里さんにおける神曲のひとつだと思っています。ただ今回のようなピアノと歌のみで届けられるアコースティックにまさかこれを持ってくるとは思いませんでしたが、それだけ茅原実里さんにとっても思い入れの強い楽曲ということなのでしょう。彼女の思いは十分に受け取ることができました。これからの「Re:Contact」も楽しみです!
8.境界の彼方
これは割と茅原実里さんの楽曲の中で定番ナンバーですね。彼女自身のライブだけでなくアニメイベントなどでもしばしば歌われるタイトルなので、茅原実里さんのことをあまりご存知ないアニメファンの方でもこの曲は知っているという方もいるかもしれません。
(以下、2025年1月3日改変)
なおこの曲も4月に中国の上海・武漢で開催された「茅原実里オーケストラコンサート2024」にて演奏されたらしいです。「青い孤島」もそうですが、今回の「Sing a Song」は茅原実里さんの海外遠征公演のおすそ分けをいただいている部分もあるのかもしれませんね。
9.エイミー
何てタイトルを持ってくるんですか!?ダメだ、この曲だけは…どうしても、泣いて…しまう…。
ほらしっかりしろ私、ライブ中だぞ!幸せに浸りながら全身で茅原実里さんの音楽を受け止めているのに泣くやつがいるか…うぅ………涙が…あふれてきて…みのりんが、見えな………
「エイミー」は劇場版アニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-」のエンディング主題歌として、茅原実里さん自らが作詞された楽曲です。
劇中でとある理由から離れ離れになってしまった幼子のテイラーに対し、その子の親代わりだったエイミー(後のイザベラ・ヨーク)が送った手紙の中に籠めたメッセージ。自身は捨ててしまったけれど、テイラーにだけは覚えていて欲しかった自分の名前。エイミーと別れて別々の人生を生きることになったテイラーの心にずっと残り続けた「ねえね」との思い出の記憶。
ダメだ…思い出しただけで、涙がボロボロとこぼれてきて、これ以上書き進めることもできやしない…。
みのりんの歌唱はどうだったか。そんなの決まってるじゃないですか。最高です。最高のひとことに尽きます。最高過ぎて泣いてしまい、みのりんの表情があまり良く見られなかったことだけが心残りです。
「エイミー」…。
10.凛の花
アンコール前の最後の曲として披露された「凛の花」。私が知る限り茅原実里さんのアルバムには収録されていない(と思うんだけど…)楽曲で、私がこれを聴いたのは2021年の夏に行なわれた、歌手活動休止前最後の河口湖ライブ「SUMMER CHAMPION 2021」のときのみです(なのでどんな曲なのか、実は良くワカラナイ…)。
あらためて歌詞内容を見ると「いつだって背中を押されてる」というフレーズがあるのに気付きました。SNSでのファン同志皆様の感想を見ていて特に評価が高かったように思うこの楽曲。それは茅原実里さんが仰られた「背中を押す」という言葉が、この曲の歌詞にシンクロして聴き手の心を揺さぶったからなのかも知れません。
この曲で今回初めて茅原実里さんがピアノ伴奏も止めてのアカペラを披露。いや本当にこれは神がかってましたよ!お世辞抜きでなく、歌の女神が直に言葉を届けてくれるような、そんな気持ちがしました。
演奏の大嵜さんもこの楽曲の際に何とピアノだけでなくピアニカ?のような楽器を持ち出し、吹きながら演奏するという神業を見せたのも興味深かったです。あれどうやって両方演奏してたんだろう…?
EN1.Sing
この楽曲は前述したアルバム「Re:Contact」のラストに収録されたタイトルであり、茅原実里さんご自身が作詞を手掛けられたタイトルです。
このアコースティックライブのタイトルが「Sing a Song」だから、絶対にこれはやると思っていました。もともとがピアノ伴奏と歌のみという構成の曲なので、ある意味このライブのためみたいにも感じましたね。
「Re:Contact」と同じく、これも歌手活動休止を経て3年の歳月が経ち、歌う茅原実里さんの心持ちもずいぶんと変わっております。「笑って 笑って 貴方の笑顔が大好きだから」というフレーズなんて、もうまんま私たちの背中を押してくれているではありませんか。最初に聞いたときは物悲しく聴こえた「Sing」の歌詞も、いまは心安らかに受け止めることが出来る。それが本当に、たまらなく嬉しいのです。
最後の方で一緒に歌ったのもいい思い出ですね。しかし…実際に歌ってみた感想は…うわこの曲難しッ!!何度も聴いて知ってるはずなのに、何でだか自分で歌うと外してる感がするのですよね…?うぅ、やはり茅原実里楽曲は奥が深いっ!!
EN2.羊とノクターン(from メリーの不思議な夢)
そんなタイトルだったんだこの曲!!
ということで今回のアコースティックライブの最後を飾ったのは、何とまさかまさかの一人芝居「メリーの不思議な夢」にて披露された楽曲でした。もちろんこれが収録されたアルバムはおろかシングルも出ていません。そりゃ誰も予想できないよね…。
「メリーと不思議な夢」は歌手活動を休止した茅原実里さんがここ河口湖円形ホールで最初に披露した一人芝居です。いまあらためて見てもその挑戦の凄さ、茅原実里さんの演者としてのクオリティには目を見張るものがあります。この劇中に歌われた楽曲を本公演のラストに選んだのは、自身の再出発の舞台となった河口湖円形ホールに対する思い…いや「あれから一段と成長してここに帰ってきたよ!」という気持ちゆえなのかもです。
なお、この「メリーと不思議な夢」は何と茅原実里さんの公式YouTubeにて公開されております。ご興味がありましたらぜひご覧になってください。なお、歌われた楽曲はだいたい6:17~くらいから聴くことができます。
はぁ…はぁ…。最後まで何とか語り切りました。
全編を通じてのアコースティックライブ、茅原実里さんの生の歌声をずっと聴いていられる至福の時間はあっと言う間でした。
いつまでもこの歌声に身を浸していたいと思う反面、MCもあまり入れずこんな立て続けに歌っていて、みのりん大丈夫かとないう気持ちもありました。でもさすがみのりん、最後まできれいな歌声を保ち続けていました!
やっぱりみのりんは歌手だよ!!
歌ってこその茅原実里だ!!
みのりん、再びマイクを握ってくれてありがとう!!
そして今回、至極の演奏で茅原実里さんの歌に寄り添ってくれた大嵜慶子さんにも惜しむことなきエールを送らせていただきます。大嵜さんどうもありがとうございました!!貴方の演奏だからこそ、茅原実里さんがあそこまで輝けたと思います。そしてあのピアノとピアニカ?の同時演奏は今も私の中で「あれどうやってたんだろう…?」と謎に包まれています。
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演目が終わり、外に出てきた私たちを、少しだけ西にずれた太陽が優しく照らしてくれました。ミスサンシャインの名に相応しく、この日も見事な晴れ模様。日曜の午後はいつだって青空。
Minori Chihara
— 茅原実里 (@minori_contact) December 23, 2024
20th Anniversary LIVE
“Sing a Song”
セットリストは同じでも、決められたことをこなしていくようなライブじゃありませんでした。1公演ごと、1曲ごとに違うライブでした。
大嵜慶子さん。… pic.twitter.com/0vZGzUbbqd
茅原実里さんを生で観てみたくなった方へ
2025年2月28日、茅原実里ライブ「Message」のご紹介
この文章をここまで読んで「そんなに言うんなら、私も一度くらい茅原実里さんとやらのライブに行ってみようかな?」と思ってくださったそこの貴方(そんな方がいるといいなぁ)。
来年の2月28日(金)、東京・渋谷のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて茅原実里さんのライブが開催されます!いままさに先行チケット(オフィシャル先行2次)の受付中となっております。
<開催概要>
Minori Chihara LIVE "Message"
開催日:
2025年2月28日(金)
開催時間:
18:00開場/19:00開演
場所:
LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
〒150-0042東京都渋谷区宇田川町1−1
出演:
ボーカル:茅原実里
ギター:山本陽介
ベース:二家本亮介
ドラム:青山英樹(Rockon Social Club)
キーボード:柴﨑洋輔(PENGUIN RESEARCH)
アコースティックで歌う茅原実里さんも良いけど、バンドメンバーと一緒に弾けて歌う茅原実里さんも良きです。今回は演奏するメンバーも一新されているので、そこもちょっと注目です(山本陽介さんは以前も茅原実里さんのバンドメンバーとして参加したことがありますね)。
ということで、ちょっと茅原実里さんが気になってきた方は、ぜひチェックしてみてくださいませっ!!
なんと今回の「Sing a Song」が期間限定でオンデマンド配信されているのですって!!
なんだってー!!
上記公式サイトによれば、配信期間は2024年12月28日12:00から2025年1月26日23:59までとのこと。
気になる料金は何と3,850円(安っ!!)。
アンコールは含まれていないそうですが、それでもあの奇跡のコンサートを再び見られるというのは僥倖というものです。
ということで、本記事を見てこのアコースティックライブを見てみたくなった方がもしおられましたら、この機会にどうか是非、茅原実里さんの素敵な歌声に触れてみてくださいませ。
本記事まとめ~いま思っていることについて
気付けばもう1万文字を超えているよ…。相変わらずみのりんについて書くと止まらないなぁ。
長々と書いてはいるものの、この文章で茅原実里さんの歌の魅力をちゃんと伝えられたかどうか。正直言ってまったく自信が持てません。
今回の記事は正直言って難産でした。全公演が終了し、ネタバレ解禁になってからファン同志皆様が続々とXなどSNSに書き込みしてるのを見て、その表現力の高さとみのりんに対する愛の深さの違いを思い知らされたからです。
(それに引き換え、この小学生の感想文みたいな私の文章は何だ…)
と、自分の文章力の無さに絶望し、もう何も言わない方がいいんじゃないかくらい落ち込みました。
それでも、あえて私がレポート記事を書く理由があるとすれば、それは私のnoteの原点である「その対象を知らない人に向けて発信する」ということに他なりません。
なので、今回は(今回も)ハッキリと「茅原実里さんをまだ知らない人」に向けて、こんな素晴らしい歌手がいるんだよってことを伝えようという気持ちで、とにかく何とか書き上げました。
茅原実里さんをご存知の方からしてみたらいろいろ噴飯モノの記事かも知れませんが、とにかくこれで誰かひとりでも「茅原実里」の名前を心に留めてくださったならば、もうそれだけでも十分です。読み方は「ちはらみのり」です。皆様どうかぜひ、彼女の名を、その歌を、心の片隅にでも。
あまりにも長くなり過ぎたので、河口湖を巡る旅の写真集は別の記事にまとめることにしました。こちらもどうか合わせて見ていただければなお幸いでございます。それでは皆様、よいお年を。
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(了)