【本能のお知らせ機能】省エネの日をお知らせする「ダル寝返り」
「昨日からどうやら省エネモードに入ったみたいで…いつまで続くんやろな…おかずがどんどん余っていくねんけど」
「それ、ちょいちょいあるよな?何なん?」
「ん~…省エネの日みたいなのが定期的にあんねん。あんま食べなくてイイてパターンとあんま寝なくてイイてパターンとあって、今回のは食べなくてイイのほう」
「食べないのと寝ないのが同時に来る日てないん?」
「2~3回あったかなァ…さすがに無敵すぎて怖くなるで3日以上続くと」
「そんなに続く時あるんや?」
「たいてい1日2日で終わるけど、1週間くらい続く時もある」
「1週間?!…長いな」
「もしかして寿命が来たのかな?て思うねんけどこうしてまだ生きてるよね。食べない寝ないだと死ぬて、さすがに」
「飲まず食わず寝らずなん?」
「それやったらとっくに死んどるわ。省エネなダケよ、まァ死なん程度には食べて寝てる、必要最低限て感じ」
人間の最期は飲まず食わずになって眠るように死んで行くが、それを定期的に疑似体験してる感じ。
唯一違うのは「眠らない」こと。
これで眠った暁には理想的に死んでいけるように思う。
私のカラダにはいくつかの「本能のお知らせ機能」が搭載されている。
それが「省エネの日」をお知らせする「ダル寝返り」である。
「ダル寝返り」がお知らせしているのは低燃費
多い時で年2~5回、少ない時は年に1回か2年に1回くらい、私には「省エネの日」という特別な日がやって来る。
飲食の量がいつもより極端に減るか、睡眠の時間がいつもより極端に減る燃費の良い日である。
睡眠時間がもともと短いからか、睡眠省エネの日よりも飲食省エネの日のほうが多い。
その「省エネの日」をお知らせする機能が「ダル寝返り」である。
睡眠中目を閉じているのだがおおかた意識があるという状態で眠るおかしな夜が来る。
体は休んでいるので疲れは取れるのだが、寝返りに体力を使うので新たに疲れることになる。
寝返りは無意識で打ってこそで、意識があって打つものではない。
寝返りが疲れるので「ダル寝返り」と呼んでいるがこの感じがくると省エネモードに入ったコトだけは一応、予兆としてはわかる。
メカニズムはわかんないけど、低燃費でイける始まりが「ダル寝返り」なのはわかるけど、飲食なのか睡眠なのかはわかんないのよ。
食べてみて「ちょっとで満腹になる」からわかる。
夜になっても眠気がないまま「朝になる」からわかる。
飲食省エネの日
「食パン半分でお腹いっぱいになって無理して半分食べてん朝。燃費イイから昼は食べてないけど…夜もこのまま省エネなんやろか…おかずどのくらい作ればいんやろ」
「自分でわからんの?空腹かどうか」
「わからん。食べてみるまでわからん。食欲があるような気もするし、空腹な気もするし、満腹な気もする。どれが本当かは食べたらわかる。1口2口で満腹になればまだ省エネ続いてるな~て」
「作るだけ無駄やん」
「代わりに食べる家族がいる時はまだ無駄にならんけど、独り暮らしの時は食べる人おらんから近所のチャリ屋の兄ちゃんに『おかず作りすぎたから食べへん?』つって食べてもらった。外食1発目で省エネに気付いた時がヤバいのよ、自分で頼んどいてほぼ食べんと残すねんからな『何あのひと?』てなるわけよ」
省エネモードはダル寝返りから起きて朝から始まるというわけではない。
「近々省エネの日がやって参りますよ~」くらいのアバウトなお知らせで、昼に始まったり夜に始まったり、3日後におやつ食べようとした時に始まったりする。
ダル寝返りから2日間、普段と変わらない食事をして普段と変わらない睡眠時間で「あれ?ダル寝返りあったけど省エネ来ないな…」と思っていると3日目、朝ごはんを抜いて11時くらいに開封したポテチを1枚食べて省エネの日突入を自覚する。
「あ…今からか…」
ポテチ1枚を咀嚼して感じる食べなくてイイ感覚。
満腹て感じでも空腹て感じでもないが、お腹はすかない。
味覚変化の特徴がひとつだけある。
水が、とんでもなく甘くて吐いてしまう。
省エネの日には水が飲めないのだ、私は甘い物を吐いてしまうド偏食だから。
省エネの日は健康管理の本能のひとつだと思うんだけど、私の予想では自分の身体に必要な栄養素だけを受け付けているのだと思う。
不必要な栄養素を避け、必要な栄養素で満たし、カラダをリセットする機能が人間には備わっているのだろう「なんか無性にアレが食べたい」てのがあるが、それがこの健康管理本能の感覚である。
しかし私は自分の身体が必要としてる栄養素ではなく、スナック菓子やカップラーメンを入れようとするド偏食を患っている。
それで食欲そのものを全体的に低下させることで健康管理をする策を講じているのだ、プチ断食のような状態を強制的に作ってデトックスをやっている。
闘病をしていて寝込み1食やっと食べれるくらいの日が3日続いたら、体重は確実に減る。
朝ごはんにノースライスのパンをサンドイッチくらいうす~く切っても半分で終わる。
昼ごはんには、小さなおにぎりを1個。
ふだん2Lほど飲んでるインスタントコーヒーは300ml飲めばいいほう。
夜ごはんは、2品おかずとごはんとスープ、すべて2口でごちそうさま。
夜中のおやつも食べない。
省エネモードではこんな食生活が1週間続いてもなぜか体重は減らないのである、人体の不思議だ。
水分も食物もいつもより極端に摂取しないが、省エネの日に脱水になったことはまだ無い。
睡眠省エネの日
睡眠時間が極端に短くなる省エネの日も、何らかの健康管理の本能のひとつだと思うんだけど「短くなる意味がわかんない」と通常は思うだろう。
健康管理なら「睡眠時間を長く」するほうが健康でいれそうだもんね。
これも私の予想だが、睡眠省エネの健康管理の本能は「眠らせずに疲れさせて爆睡させる」という回りくどい方法を編み出したのだ、私の睡眠が遺伝により特殊だから。
祖父も父もたぶん睡眠障害を患っていて、睡眠時間が短い。
その遺伝で私も年齢が二桁になったあたりからあまり眠らなくなった。
小6から今日中には眠っていないし「ぐっすり眠る」なんて病気の時くらい。
眠るのは日付を超えて早くて2時、遅ければ5時、まとまった睡眠は2~5時間で、睡眠時間が5時間に満たない日は30分以下の仮眠を日に3~5回することでトータルで眠った時間をだいたい5時間くらいにしている。
5時間くらいは眠ったほうがいいんじゃないかな~と思うので仮眠を取っているが、仮眠が取れない状況であればとくに寝なくてもいい。
そんな異常な睡眠のクセがあるので、私はすんなりと長時間眠るのが遺伝的に無理なんである。
睡眠省エネの日が来ると私は眠くならないまま朝を迎える。
省エネの日ではなくても普段の生活でそんな日はザラにあるのであまり区別はついていないが、徹夜したから今夜は11時とかの今日中に眠りそうと思っているとその夜も眠気が来ないまま朝になる。
するとさすがに区別が付く。
「あれ…そういやダル寝返りしたな…睡眠か今回は」
夕食後、座椅子に座ったまま10分くらいウトウトしてスッキリと目覚める。
…ん?コレで睡眠はイケたってコトか?
2日間徹夜してんのに夕食後のたった10分の仮眠で3日目の徹夜が出来てみ?
さすがに自分がコワくなるで。
「今ちょっと車の運転やめとこかな…」
「なんで?」
「眠らないほうの省エネの日が続いてて徹夜3日目やねん」
「あぁ昨日遅くまで電気点いてるおもたら」
「2~3回は消して眠ろうとしたんだけど全く眠れないからもうあきらめて動画見てた。睡眠不足で判断力の低下とかある、て言うやん?運転しないほうがいんちゃうかな…」
「そやな~せぇへんほうがえんちゃう?自転車で行ける範囲内で生活しといたら?」
「せやんなァ…一応そうするか」
判断力低下の自覚症状があるわけではなく、省エネモード中の日中に急に睡魔に襲われたこともまだ、ない。
睡眠省エネの日が終わるのはいつも夜。
「眠らせずに疲れさせて爆睡させる」ためには2~3日必要なので徹夜が続くが必ず夜に、それもいつも通りの日を跨いだ2時とか3時に眠気がちゃんと来る。
「ああ~省エネの日が終わったな~」と眠ったら、私は爆睡をかますのだ。
だいたい7時間から10時間は爆睡していて寝坊をする、起こされても起きなかったらしい。
起こされたことにも気付かず、死んだように眠っているようだ。
ショートスリーパーは特殊な遺伝だとの研究結果が出ているがその通りだと思うし「休日の寝だめはよくない」は一理アリ、だと思う。
老人のボケは昼寝から始まるし、日中の眠気は健康を害してる証拠だと思う。
遺伝だから祖父も父も兄も私も睡眠時間が短いショートスリーパーであるが、そういう遺伝を持ってる人間に限っては「本能による寝だめ」で夜に眠気が来て爆睡するなら、それは健康管理上の「寝だめ」であり、素直に寝たほうがいいと思う。
我が父の本能の寝だめは爆睡しても3時間くらいしか無いのだが、本人にとっては長い睡眠時間らしく「おぉ~3時間気絶しちょったど!よぉ寝たな~」と大満足して悦に入って言い触らす。
「珍しいやん」
「おぉ~たまにコレがあるかい普段寝らんじいくっとぞ」
本能には素直に従え、ということである。