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男子公衆便所の詩人と人間模様

学生の時に男の先生が「公衆便所の落書きで上手い詩を読んでなァ」と披露した川柳があった。

コンドーム 今は産まない 今度産む

公衆便所の壁に書いてあったそうである。
地理の先生はダジャレの上手さにいたく感動していたが、高校生の私は「男子便所の壁には七五調で落書きがあるのか」といたく感動した。

それまでの十数年の人生で女子用公衆便所の数々に立ち寄って来たが、一度も壁の落書きが七五調で書かれているのを見たことがなかった。
その後、今日まで48年を費やして女子用公衆便所に立ち寄っているが、七五調で書かれた落書きを見た記憶が1回あるかないか。
そもそも女子便所には落書き自体が少ない。

女子便所では川柳は生まれないが、どうやら男子便所では落書きも貼り紙も七五調でひねりたくなる文化があるようだ。

私の性別は女なので便所ライターと名乗っていても添付する画像はどれもこれも基本的に女子便所の画像である。
たまに男女兼用の公衆便所で男性用小便器を撮ってみたり、無人の男子便所の入り口から見えている範囲を撮ってみたりする程度で、男子便所について記事を書くことはなく女子便所を記事にしているのだが、私が書いた女子便所記事に興味を示した知人男性が「男子便所の画像を送ろうか?」という奇特な提案をしてきたことがあり、彼の感性に任せてテキトーに写真を撮ってもらったことがある。

「これは!」とピンと来たポイントの「引きの画像」と「アップの画像」の二種類が欲しいと伝えたところ、男である彼が「これは!」とピンと来たポイントの「引きの画像」がコレで、

「アップの画像」がコレであった。

「いやいやいやいやいやいや!この場所にまだおる?!」
「いるよ」
「戻って!なんで看板のほうを?!そっちちゃうやろて」
「記事でよく看板の画像とか使ってるよね?」
「いやいやいやいやいやいやいや!この状況で

注目すべきはパンツのほうやろ!!!戻ってパンツをアップで撮って来んかいっ!」
「え~~~~?!本当に言ってる?!」
「なんで?本気でパンツどうでもいいの?男子便所で事件発生してるやん!こんなおもろいことある?そのパンツの持ち主はノーパンで便所を出て行った、てことやで?」
「まぁ…そうなるよね」
「なんなんその反応…男子便所では床にパンツがよく落ちてるん?」
「いいや?」
「じゃぁ注目しろよっ!」
「だって男のパンツになんか興味無いよ」
出来事に注目しろっ!私だって男のパンツに興味なんかねぇわっ!男子便所にも個室はあるだろうに、その個室にひっそりと捨てたとかではなく、共有スペースらしき場所に堂々と捨てたのだね、てポイントに着目せんかいっ!捨てられたパンツをオマエが捨て置いてる場合じゃねぇっ!

男子便所の緊急事態

男子用公衆便所では女子用公衆便所では起こらない事件が起こっているし、女子便所では詠まれない句がひねられている。

「きんえん」と読む漢字の候補が日々増える落書きも、男子便所の壁。

女子便所ではタバコが酷い言われよう

公衆便所の個室は平和な世界。

便器に座って悩んでいる人を心配してくれる人がいる。
電話で話しも聞いてくれる。

一方、男性用小便器付近では、

無料Wi-Fiが飛び交う。
…いるかな…ココで?

用を足しながらもインターネットでエンジョイしたいのか男性は。

便所ポエムというジャンルの詩は、便所で誰かの心に刺さっているだろう。

励まされたり、してるのかな。

涙してたりも、するのかな。

トイレはみんなの部屋。
便座はみんなの椅子。

「椅子だから」ゆぅといてからに

和式なんかいっ!!!

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千徒馬丁
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