現場からは以上です~子供たちよアスファルトをキャンバスにせよ~
「最近は地面の落書きもなくなったよなァ…景観・景観ゆぅて。人々の暮らしが景観の邪魔になるってさ。オシャレなマンションでは景観を損ねるゆぅて布団をベランダにかけたらアカンらしいわ」
「洗濯物が外に干されへんくなるのも時間の問題やな」
「洗濯物を室内干しするしか方法がなくなってや、梅雨の時季なんか室内の湿度が高すぎてカビ発生すんで。そんで肺ヤラれて病気になったひとに景観重視派のマンションの役員組織の会長が回覧板持ってくんのんちゃう?『健康のためにウォーキングをしながら森林浴はいかがですか?マイナスイオンを吸い込んで心も体もリフレッシュ!』とか書いてんねん。マンションの横に整備されてる森みたいなウォーキングコースの宣伝やで」
「そのウォーキングコースの景観のためにベランダに洗濯物を干すなゆぅてマンションに住んでるひとたちの肺にカビが生えてるのにな」
日本人はまだまだ乾燥機より天日干しが好き、景観重視も考えものである。
何がしたいねんっと突っ込まれる前に、布団が干されまくっているマンションを眺め「あぁ満室!過疎ってない!人口の潤い!」と、未来ある日本を思って感動する心にシフトしてはいかがだろうか。
駄菓子屋でローセキを買って地面に落書き、健全ではないか。
雨で流れるローセキ、風流ですらある。
ローセキが「消えた!」と不思議がる子供たち。
そら消えるで1本20円やねんから。
風雨に晒されても消えないなら1本500円はしとるで。
売ってる場所も駄菓子屋ちゃう、職人が出入りする店や。
「ううむ…事件やな」
「これは…バカが鈍器のようなもので殴られた模様です。犯人は目の部分が格子状にあいた覆面を被り、つむじ風が巻き起こるほどの助走をつけて鈍器を下から上に振り上げバカを吹っ飛ばしたとみられます。なお凶器と自身は現場に残っており逃走の恐れは今のところありません」
子供たちよ、アスファルトをキャンバスにしてローセキで落書きをしておいてくれ。
現場からは私がお伝えしておくから。