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【本能のお知らせ機能】アナタはこれから風邪をひくことになっております

私のカラダにはいくつかの「本能のお知らせ機能」が搭載されている。
ほとんどは本能で私自身に何かをお知らせする機能だから、他人を巻き込むことはあまりない。

「他人を巻き込むことは絶対ない」と断言したいところだが「あまりない」が事実である、つまり「ある」のよ他人を巻き込むことが。


「病気のニオイ」は「毒化してる」ニオイ


「アンタ風邪のニオイしてるわ、たくさん寝たほうがええで」
27歳の息子に言うと、これまで何百回と聞いてきた言葉が返って来た。
「え?!全然体調悪いとか無いけど?」
「やろ?元気やねんやろ?今の自覚症状はゼロやもんな?風邪ひく前のニオイがしてるから今は元気なのよまだドコも悪くない。この元気が続いてる時に風呂でしっかり汗かいてたくさん食べてたくさん寝るから悪化せへんと治るねんけどサ…アンタ次第やからなァ行動は。せめて早く寝たほうが身のためやと思うで」
「ふぅ~ん…」

さすがに27ともなると小学生の時のような素直さはなくなるな。
小学生の時は「ダラダラ汗出るまでお風呂浸かりよ~」ゆぅたらバカ正直に浸って「これ頑張って全部食べ~」ゆぅたらアホほど食べ「今日は早く寝ぇや~」ゆぅたらとっとと寝ていたが、27ではそうはいかん。

小5で第一次反抗期を迎えた長男は「アンタ風邪のニオイしてるからはよ寝ぇや」と言うと「風邪のニオイて何やねんっ風邪なんかひかんわっチビラムネ飲んでみよ~っと」と反抗して翌日に熱を出していた。
本人は初めての炭酸だったので熱が出たと思っておいでだ。
知恵熱が出たみたいな感覚で「ラム熱出たわ~」とほざいていた。
早く寝ればいいものを炭酸をチビチビやってた夜更かしが祟って風邪を悪化さしとんのんや、アホが。

病気にはそれぞれ「ニオイ」がある。
機会があれば、配偶者をがんで看取った経験のある妻や、女性看護師に聞いてみてほしい。
特定の病気では「ニオイ」を強く察知できることがあって、それに気付くのは私の周りでは女性が多い。

叔母の夫はがんで他界しているが、病気が見つかる前に「どうもいつもと違うニオイがするんだけど…」と言っていた。
夫の姉に言っても「そのトシなら加齢臭でしょ?」やら「お風呂でちゃんと洗えてないんじゃない?」やらの反応しかなかったが、入院をして同じがんの闘病をしている男性の奥さんに「ニオイがいつもと違って…あの時に病院に行けてたら…」と話したら「ウチもそう、異変はニオイが始まりだった」とのことだった。
これは私の勝手な推測だが「毒素」の匂いを嗅ぎ分けているのだと思う。

食べ物が腐っているかどうかをニオイで判断する人は周りに多いでしょ?
私感だが、男性は「腐敗臭」を嗅ぎ分けるチカラが弱くて腐ったモノを食べて腹を下す人が多いんじゃなかろうか。
ウチの男衆は皆「これ匂ってみて?腐ってる?」と、明らかに腐り切っているモヤシや牛乳を出してきたりする。

「え?!これ腐ってるのがニオイでわからんの?!」
「…腐ってる?わからんなァ…」
「火を通して匂ってもわからんの?あっためるとより腐敗臭て強くなるねんけど」
「火ぃ通したらますますわからんくなるわ、味付けしたら食べてもわからんやろ」
「本能の廃れっぷりがヤバいな…腐ってるモンを口に入れたら反射的に吐き出すねんけどな人間は」

毒でないモノが毒化すると「毒素」のニオイを放つ。
細菌性の食中毒であれば腐敗とは違って味やニオイで識別することは出来ないとされているが「腐敗臭はしてないけど食えん」と判断するニオイはしていることがある。
別の毒素のニオイがしているからであるがどんなニオイかと聞かれても説明は出来ない、その時々でニオイは微妙に違うから。
頑張って近いニオイを説明すれば、こんなカンジ。

工場の電気盤の裏のなんか線がいっぱい出てるような所の機械的な空気と床が混ざったニオイとか、プールの更衣室にあるカギ付きの貴重品ロッカーを開けたら白い粉が散乱してて「何だこれ?」おもて濡れた手で拭ってその粉を嗅いだ時のニオイとかね、頻繁に嗅ぐようなニオイではないけどな~んとなく雰囲気的にこんな感じのニオイか~くらいの輪郭はボヤンとわかるかな~要は「毒化してる」てニオイがしてるの。

食べ物の毒化にニオイがあるように、人間の毒化にもニオイがあるのよ。
汗のニオイや加齢臭などの体臭とは明らかに別の「病気臭」が。
何らかの病気であるニオイ、このニオイに嗅覚のピントが合う、という本能があるのだ。

「風邪をひく前のニオイ」を嗅ぎ分ける本能

「…私一生この不毛な会話するんやろな…小学校の時のクラスメイトとかにもずっと言ってきてんやんか、同じことを。風邪悪化して熱とか出たらしんどいし学校も休むことになるからそうならんように言ってるんだけど、信じてくれないコたちはタイミング逃して次の日かその次の日くらいには風邪で学校休むのよ、そしたら信じてくれるんだけど風邪ひかんために休まんために治るタイミングで教えたのに、風邪ひいたから信じるわ~じゃ意味ない『ほんとに風邪ひいたわ~』て報告が一番いらんもんね。ほんで最初から信じてくれるコは、たくさん寝るから治るのね風邪ひかずに済む。そのために教えたんだからそれでイイのよ?私はね。そのコは風邪ひいてないし学校も休まない、だって治るタイミングでやることちゃんとやったら治るねんからサ、そうなったら今度は『お前ウソくつなよ~』てなるわけよ、風邪ひくから~て教えて風邪ひいてないもんね。みんなサ、独自の風邪をこぢらせない方法があるやろ?私は今このタイミングで自分なりの方法で治せてコトを伝えたいわけで、養生の共通項としてひとつ『たくさん寝な』を挙げてんだけども、喉から風邪が悪化するとわかってる人はハチミツ舐めて回復するとかサ、厚着して汗かいて寝て回復する人とか、フルーツ食べたら回復する人とか、それぞれに治る行動は自分でしてるから私は関与してないわけよ、私に『たっぷり寝ろ』と言わなくても毎日寝てんねんからアドバイスにカウントなんかされへんのよ。私はただの『風邪引く』ゆぅた大嘘預言者になるやんか。目的は果たしたから追加説明とかもいらんし結果だけを見たら『風邪ひかんかったやん!ウソつき~』『あ…よかったね』て。どっちにしろヤな後味よ…そら風邪のニオイなんか言わんくなんでのぅ…アホらし」
「助け損やな」
「事実、私は助けてないやん?私が何かしてあげるとかはないねん、言うだけやから。治るような行動は本人がしてる。わかる?この不毛なカンジ、どうしようかな~言おうかな~て迷うカンジ」
「言わんかったら絶対その人は風邪ひくん?」
「絶対じゃないよ、言わなくてもそのコがたまたまたっぷり寝たりして悪化せずに回復するとかもある。あ~もうニオイしてないからたっぷり寝たな~て思って終わり」
「全員わかるん?」
「全員じゃないし、毎回でもない。ニオイは皆違うねんけど風邪ひく前の匂いやなてのがわかる。友達とかのほうが気付きやすいよね、近くにいる時間が多いから」
「知らん人でもわかるん?」
「近づけばわかる時ある。呼気でわかんねん、だからある程度近寄らないと無理やね。レジの人で『レシートのお返しになりま~す』でわかる時もあるけど、さすがにレジの人に風邪ひきますよては言わんなァ。別のクラスの生徒と廊下ですれ違った時にわかる時もあるけど、それもよっぽどじゃないと言わんかな。駅ですれ違う時なんてテゲわかるけど、絶対言わんね。言ったら怖いコワイ~新興宗教か何かかと思われるで『アナタは幸福ですか?』と変わらんぞな『アナタは風邪ひきますよ』て。壺か印鑑を買わされるパターンやんけ」
「確かに。アヤシイもんな~」
「クラスメイトと同僚とご近所さんと身内だよねぇ、言うのは。ま、身内はねぇ~どうせ変人てバレてるから100%すぐ言うけど。他人は1日目が一番迷う、言おうかどうか。2日目もニオイしてたらさすがに言うよ早く行動しないと回復率下がるからね『今日たくさん寝ないと風邪ひくよ』て。なんで?て言われるから、風邪のニオイがしてるて答えるけど、もぅそっからはお決まりの不毛なやりとりよ?」

え?!体調とか悪く無いけど?
うん~そうだろうとも今はまだ。
風邪のニオイ、て何?
厳密には「風邪をひく前のニオイ」やよね
ふぅ~ん…

不毛・不毛、不毛が土下座してひれ伏してる、いつも何度でも。
繰りか・え・す・あ~やまちの、そ・の・た・び・ひ~とは

「なんか…役に立ってもウソつき、言ってもウソやと思われて、言わんかったら見捨ててる感じなんや?言わんで…えんちゃう?その人が悪化するのはもう自己責任てことで」
「やろ?キリないな…て、言わんようにするやん?自分の風邪のニオイはわからんから風邪ひくのよね自分も。しんどい思いすんじゃんかよ、熱も出てゲーゲー吐いて苦しくてサ。人間はな、痛みを知ることで他人の痛みに思いやりを示せるようになんねん、風邪は万病のモト…ダメ元で言っとくか~てなるのよ、言うだけで治せたらコスパいいもんな。ウソつき呼ばわりしたくばせぇよワシはオマエの救世主や~風邪ひくひく詐欺とでも呼べ呼べコッソリ守ったるから~」
「めっちゃ葛藤してるやん」
「このお知らせ機能が一番イヤやな、何~~~~~も得せんのよ私。言っても言わなくても後味悪い」

風邪ひくひく詐欺師と呼びたくば呼べ。

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