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運転能力や適性度とは別モノなのが免許取得なのだよ

我が故郷、宮崎県は全体的に公共交通網が麻痺していると言っていい状態で、宮崎市内中心部以外では自家用車が無ければ身動きが取れないと言っても過言ではない交通事情である。

身ひとつで帰郷していた10年前に私は弟夫婦の前でつぶやいた。
「オトンの車でも借りとこうかな」
それに対し弟が、言う。
「ジープだからオートマじゃねぇよ」

「ゆぅてすまんがマニュアル免許なんでね」
「えーーーーっ?!意外!!」
と叫んだのは、離婚前の弟の嫁である。
アクティブな中年女の最初の車はたいがい中古のマニュアル車で、バンパーはボコボコ、ドアがヘコんで塗装が剥げ、挙句に錆びてきて1年後には廃車だと思うが。
ちなみに私は最初の中古車には数カ月しか乗らなかったよ、家出したからね若気の至りで。

久々に宮崎に帰ると、その度に道をすっかり忘れている。
かつて踏切だった所ではついつい一旦停止をかましてしまう。
安定のド方向音痴であることも認めよう。
「給油口てどやって開けるんやっけ?」とガソリンスタンドで毎回聞いている。
我が家の車がグレーということだけを覚えていて知らないグレーの車に乗り込もうとしたこともあるし、同じ車種の違う人の車を自分のキーで開けようとしたことも50回以上ある。
「カーナビが示す曲がる箇所を教えてくれる人間」が同乗していない時には、カーナビが曲がれと言った瞬間に通り過ぎているというハプニングが100%起こっている。

だけども私は間違いなく、マニュアル免許を取得している。
しかも合宿でもないのに最短の20日ばかしで取ったさ、無職でヒマだったからな。
マニュアル車で講習を受けてちゃんとパスしたので、マニュアル免許を持っている、そしてマニュアル車を運転した経験も、もちろんあるのだよ。
ただし高速教習が導入された年だったかその前かだったので、実際に高速に乗ることはなく、シュミレーションマシンによるバーチャルな教習であった。

運転適性度は低いのだろうな、との自覚はあるので自家用車を運転することはあまりないが、免許を取得すること自体は運転技術とは別モノなのだよ。
運転に不向きな人間が全員「オートマ限定」の免許なのではない。
私が教習所に通っていた時代にも「オートマ限定」の免許は取れたが、それは「オートマ限定の免許にしたい」と本人が希望した時である。
運転技術や能力や適性が低いからオートマ限定の免許にしろと言われることはないのだよ、選択権はこちらにある。
選択した免許が取得出来るよう講習をする、それが教習所。

教習所に通っていた時にオトンが乗っている車がジープのマニュアル車だったので、借りて乗るためにはマニュアル免許が必要だった。
それが私の免許がマニュアルである理由なのだ、どうだ単純明快な答えであろう車を買う金はなかったのだ。
免許取得は、そのひとの能力や適性とは別モノ。

現在の私はもうマニュアル車を運転する自信が無いのでオートマ車しか運転しないし、マニュアル免許が必要かと言われたらマニュアルである必要は全くもってない。
オートマ車じゃないと乗らないとまで言っているが、いくら免許の更新をしてもマニュアルのままなのだから、ずっと意外がつきまとうよね。
それが運転免許つ~もんなの。
別モノなのよ。

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