【太陽は殺人鬼】宮崎の夏の昼休みはテゲテゲで長い
「明日さ、海で溺くれて昼寝してから仕事するわ。もし夜になって来なくても心配せんじょって。疲れて昼寝が長くなってるだけやじ」
「あ~い自分の采配で仕事してちょ~よ」
「昼寝が本格化したらもうよこいにすっわ、どしてん明日じゃねとイカンのだけやっちょいて、朝早く行くじゃろ?残りは夜中行って私やるわ~」
「ほいほ~い」
チキン南蛮・宮崎牛・はまゆうポーク
宮崎の100億円企業ランキング1位は「児湯食鳥」(チキン)
2位は「ミヤチク」(牛・豚)
畜産業が盛んな宮崎で、我が父の職業は養鶏家。
帰郷すれば稼業の養鶏を手伝う「働かざる者食うべからず」
しかし日当はちゃっかりいただく働き方改革「令和の出稼ぎ」
学生の時から手伝ってるけど初めて見たなガイドブック、あるんやな飼養衛星管理基準。
養鶏家不足が進んでいるからか若者ウケしそうなキャラクターがあしらわれているが70を過ぎたウチのジジィには刺さらなかったようだ、書類と一緒に事務所の机に無造作に置かれる雑な扱い。
「鳥インフルが~」ゆぅて毎年のように話題になるけど、菌が発生して当たり前の環境でやってるのが養鶏で「菌に感染しないように」するのが養鶏家の仕事。
そのために養鶏家の父が何をしているかを、私は知っている。
「立入禁止」の札がかかったロープを入口にせっせと張って部外者を敷地内に入れない。
森の中にある鶏舎でひとりぼっち。
孤独なんである、職種に関係なく経営者つぅのは。
宮崎の養鶏家の昼休みは長い
孤独な畜産の自営業をしている宮崎の昼休みは、フランスよりも長い。
フランス人は2時間、宮崎の養鶏家は夏ともなれば5時間以上である。
本能で生きてる鶏は暑すぎるとただ寝てる、人間がやる仕事はない。
見つければあるにはあるが、暑い最中にわざわざやるほどでもないから誰もやらない。
夏の宮崎は、生きてるだけで疲れるのだ。
「テゲテゲでいっちゃが~死ぬばい」(テキトーでいいんだよ死ぬぞ)
テゲテゲ、宮崎人の一番好きな言葉である。
殺人的な暑さの宮崎では「生きる」のが仕事なのだ。
夏の宮崎でうっかり上着を忘れて運転なんかすると、ものの10分でうっすら火傷をする。
宮崎の太陽は殺人鬼。
真夏の8時前後には30℃になる。
35℃を超えたら昼休み。
昼休みは時間じゃないで、気温やで。
真夏は早いと9時台で昼休み。
日陰の駐車場に車を停め窓全開で眠る、この光景は宮崎あるある。
どう見ても自営業じゃないサラリーマンもスーツ姿で寝てたりするので、時間制で働いている職種でも宮崎では昼休みが長めか、サボっているかのどちらかだろう。
日本の海外である宮崎はカラッとしているのも海外と一緒なので、日陰で涼んでいると気温はすぐに下がる。
日陰で30℃だからといって油断はしないように。
16時を過ぎるまでは侮れない、日陰じゃなければ37℃あるんだから。
日によって暑さが違うので昼休みはまちまちだが、我が養鶏業はだいたい11時~16時の間は昼休み。
海で泳いで20時から仕事をした私は2時間半でサッサと終わらせた。
仕事の仕方も海外スタイル、やることをやりゃぁいいのだ。
リフレッシュも仕事の一環である。
宮崎の公園や駐車場には平床(ピョンサン)東屋がある
宮崎の公園や駐車場には東屋がある。
屋根付きの休憩所は、韓国式の平床(ピョンサン)であることも多い。
平床(ピョンサン)とは、韓国ドラマでよく見る庭に置いてる縁台のこと。
宮崎人はココで昼食を取り、昼寝もする。
平床東屋では寝転がって足を投げ出し、遠慮の無い恰好で知らない者同士が会話をするのだ。
「今日もてげなぬきぃねぇ~」
「じゃかいよ~太陽がまばいしてのさんね~」
「いてして、けしぬわ~」
「じゃっどじゃっど~」
寝転がっている人間は敬語を使わない傾向にある、初対面でも。
宮崎の平床東屋で寝転がっている時は、タメグチでいい。
この態度で敬語を使ったところで、ウソ臭いだけだから。
宮崎の夏は、だらけろ。
テゲテゲは宮崎の合言葉。
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