Before便所とAfterトイレ
狭い・小汚い・情深いの三拍子揃った昭和チックなBefore便所が次々とキレイでオシャレで使い勝手の良いAfterトイレに変身を遂げている昨今でございますが、まだまだ昭和のかほりが残るBefore便所は現存しておりますので、消え去る前に記事に残しておきます。
便利でキレイな世の中になるのはよろしいが、情が薄れてゆくようで寂しいので。
日本の公衆トイレは清潔で機能的でオシャレでしかも無料。
…な所ばかりではございません。
高速道路の大きなパーキングエリアにあるトイレのクオリティが日本全国に染みわたっているわけでなく、なかには昭和で時代が止まってる空間もあるんですよ。
明らかにBeforeな公衆便所たる公衆便所を私はトイレとは呼ばずBefore便所と呼んでいます。
リフォームされてキレイになったらAfterトイレ、昭和の残り香が漂っていたらBefore便所。
Before便所は、壊れていたり、剥がれていたり、取れていたりします。
年季が入っていてもまだまだ使えるので、もったいない精神を炸裂させて何とかしようと知恵を絞っているのがBefore便所です。
果たして何があったらこの部分に消せないほどの線が無数につくのでしょうか。
Before便所ではいろんな知恵が出されております。
どうやら何かを掛けるためのフックではなさそうです。
「そっち向きに使えばちょうどいいんだね」と膝をポーンと打ちました。
姥捨て山の婆さんから出て来そうな知恵が詰まっているのがBefore便所なのです。
トイレの入口の反対側からトイレに来た人にわざわざ入口が真裏にあることを告げる表示プレートが親切です。
なんて情深いのでしょうか。
特筆すべきは女子用の服装にレベルを合わせたドレスコードを守って描かれているところです。
一時しのぎに手描きで表示しておいて、購入したプレートをあとから取り付けたのかもしれませんね。
手描きしてくれた人のプレートも撤去せずに残していることに情の深さを感じます。
Afterトイレも良いけど、Before便所も味わいがあるでしょう?