不死鳥のプライドを傷つけた日のこと。
約2年弱、不死鳥もといはんめ──母方祖母と半同居生活を送っていた。20歳ごろ、関西の大学に通っていたときに京都にあるはんめの自宅で下宿をしていたのだ。以前にも書いたけれどはんめの家は元々は工場の横っちょに引っ付いてた休憩所で、はんめはその1階を住居にしていた。ぼくは工場がまだ現役だったときに職人さんたちの寮として使われていた3階の一室を使わせてもらっていた。つまるところはんめとは、同じ家に住んでいながら生活スペースは別だったのだ。その距離感がぼくたちの共同生活を円滑にしてくれたのかもしれない。
元々はんめのことはだいすきだったけど、毎日まいにち顔を突き合わせて生活するのと、年に2〜3回だけ会うのとではわけが違う。それにはんめとの半同居が決まったちょうどそのとき、とある問題が浮上していた。
はんめが、アルツハイマー型認知症であると診断されたのだ。
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