慶應義塾大学通信教育部の志望理由書の作成ガイド②「何を学ぼうとしているのか」編
1 「何を学ぼうとしているのか」
最初のテーマは「何を学ぼうとしているのか」です。
例えば、文学部第2類を志望されている方であれば、おそらく文学に関心があるのだと思います。
その中でも、特にどんなことに関心があり、大学でどのようなことを学びたいのかを書いていきます。
基本的には、1~2文でよいと思います。ここで詳しく説明してもいいのですが、この後の「①過去の学習体験」「②将来の展望」で説明すればよいからです。
最初に、短く、簡潔に、「何を学ぼうとしているのか」が書かれていればいいと思います。
なお、「~です・~ます」「~だ・~である」といった語尾については、全体で統一されていれば大丈夫です。
文章が長く書けなさそうなら、字数稼ぎのために「~です・~ます」にしてもいいでしょうし、逆に長くなりそうなら「~だ・~である」にしてもいいでしょう。
まずはどんどん書いてしまって、最後に整えれば大丈夫です。
2 過去の学習体験
この場合、「①過去の学習経験」では、文学に興味を持ったきっかけや、読んだ本などについて述べます。
「学習経験」とあるからといって、必ずしも授業で勉強したとか、この本で勉強した、といったことを中心に書く必要はありません。
その分野に関係する具体的な作品や、テレビ番組や雑誌の特集、映像作品や動画でも大丈夫です。
その学びたいことに関心を持ったきっかけや、そこからさらに触れてきたものについて、詳しく説明すればいいと思います。
学びたいことについて、「こんなふうに関わることがあった」「こんな影響を受けた」、そしてそれらから「こんなことを考えるようになった」ということを自由に書けば大丈夫です。
ただし、それだけでは詳しく説明するには中身が薄くなってしまったり、長い文章で書くことが難しくなってしまったりすることもあるでしょう。
ですので、提出までに時間があるのであれば、何かしらその分野について書かれた本に挑戦してみるのもいいと思います。
その本について十分に理解する必要はありません。理解できた範囲で「こんなことが勉強になった」「こんなことをもっと知りたいと思った」ということを書けばいいのです。
そのような本で理解が難しいからこそ、大学で学ぶ意味があります。
このように「本に挑戦すること」については、志望理由書の2つ目のテーマにも関わってきますので、後述します。
3 将来の展望
次に、「②将来の展望」では、大学でどんなことを学びたいか、そして将来それをどのように自分の人生に活かしていきたいかを述べます。
「将来の展望」というと、就職や転職に活かすとか、そういった人生設計が思い浮かぶかもしれません。
もちろんそれでもいいのですが、大学での学びは、必ずしも就職や転職のためのものではないでしょう。
実際に学んでみないと、大学での学びがどんなふうに自分の将来に活かせるのか、活きていくのかはわかりません。なんなら、学んだ後でもわからないことも多いでしょう。
ですので、ぜひ自由に発想を広げて、「こんなことができたら楽しいだろうな」「こんなことをしてみたいな」ということを、自分にとっては大それたようなことでもかまいませんから、つづってみるといいと思います。
4 指定字数以内にまとめる
まずは、上記の内容を書いてみることが大事です。あまり文字数にとらわれず、どんどん書いてみます。
ある程度書いてみたら、690~720字の文章にまとめます。
多少文字数が少なくても大丈夫かとは思いますが、720字を超えてはいけません(句読点も文字数に含めます)。
また、極端に文字数が少ないと、通らない可能性が出てきます。
内容の配分としては、
何を学ぼうとしているのか:50字程度
過去の学習経験:300~350字程度
将来の展望:300~350字程度
くらいが目安になります。
手順としては、以下を参考にしてみてください。
「~です・~ます」「~だ・~である」に統一する。統一できているか確認する
文章量が多いところ、少ないところのバランスを整える
全体を通して文章が不自然ではないか読み直す
字数がなるべく720字に近づくように調整する
最後に「720字に近づくように調整する」というのは、690字や700字ではダメということはないでしょうが、なるべく指定の文字数ぎりぎりにしておいた方がベターだということです。
このような文章を評価する側からすると、「指定の文字数ぎりぎりまで書かれている」ということだけで評価が高くなることが、ままあるからです。
ただ、元の文章が不自然になるほど無理やりに文字数を増やす必要はないでしょう。
5.どんどん次のテーマへ!
大事なことの一つは、他にもテーマはありますので、どんどん書いていくことです。
志望理由書は「提出すること」が一番大事です。提出すれば合格の可能性がありますが、提出しなければ絶対に合格できません。
なるべくクオリティを上げたい、納得した文章を作成したい、という気持ちもあるかもしれませんが、提出までの期間を考えながら、まずは完成させることを大事にされるといいと思います。
その上で、もし提出までに余裕があれば、ブラッシュアップしていけばいいのですから。