普通になりたかった。なれなかった。ちょっこしアップデート版。

マリンバ弾きの木上智保子です。

振り返らなくても2020年、怒涛でした。

はじめての札幌での演奏会がコロナの為に延期、心の体調崩して病院に行ったら発達障害(傾向)判明、10月になんとか演奏会開催。

音楽活動にも人生にも今後に関わる色々を考える時間が本当に多く、楽になったり難しくなったりガチャガチャでした。

振り返ると2020年、私には悪いばかりの年でもありませんでした。

1番理解できてよかった事は、自分が普通になれなかった事の要因の一つが明確になったことです。ADHD強めの自閉症スペクトラム(傾向)が分かったおかげで、苦しくなった時「全部脳みそのせいー。どうやれば上手くできるか誰か教えてー！助けてー！」とプロフェッショナルを探すとゴロゴロ情報が出てきます。しかも女性向け情報はここ数年増えて来ているようで新しい情報が手に入りやすく、自身のカテゴライズがわかって本当によかったです。

お困りごとは多岐にわたりますがその中の一つ、『数字が苦手』が脳のバグとわかったのは救いでした。本当に扱う事が苦手で、理解出来ない事を理解してもらえず、苦労した事が誰も悪くなくて仕方がない事だったとわかったので、私も出来ないから助けて欲しいと言いやすくなりました。

私、わり算(かけ算もぼちぼち)が苦手で若干理解してるか不明な部分がでかいです。

半分はもちろんわかります。6を半分にしたら3。5を半分にしたら2.5。ここまでは大丈夫です。

フランスパンを3等分して下さいと言われて、2回切ると1本のフランスパンが3等分されるのが理解するのに回路がつながりにくしです。

2はどこからやってきた？と不安になり思考が止まってしまいます。2回切ったから3個になる以外ないのは目の前で現象として起こるので理解はできるんです。でも1つの物を3個にする為に2が出てくる事が不安なんです。不安という言葉を当てはめるのも不安なのですが、もやもやーっとして嫌な感じとソワソワするので不安になっていると思います。

普通に生活する中では簡単なたし算とひき算、1つずつ暗唱してでもかけ算、電卓を使えれさえすればこの歳で大きく困る事は特にありません。時間はかかっても物理的に数えてもいいし、人に頼んで答えだけ教えてもらうのもアリです。

しかし、私は違います。現代音楽が好きな音楽家です。恐ろしくわり算(分数)を駆使しなければなりません。音楽は、リズムは、全て数字の計算と深く関わりがあります。

4分音符は8分音符が2個。16分音符が4つで4分音符。これくらいは小さな頃から仕込まれてますのでパッと分かります。線が多ければ(高い音域や低い音域の)数えればどうにかなります。問題はフレーズの下に♪5:♪3と出現した時です。単純に8分音符3つの中に5個音を入れてちょ、という事なのですが途端に脳がフリーズからのパニック。解読の仕方としては3と5の最小公倍数を出して割って当てはめる下の図の様に解いていきます。

1拍の中に5連符を入れて3拍の間の1・4・2・5・3で叩けば3拍5連の完成です。

日本語の理解は出来ます。しかし何かが邪魔をして靄がかかってくっつかないんです。惨めになって感情が真っ黒になり絶望します。ゆっくーりから始めてようやくぼんやーりりかいできてきます。

これまで太鼓を叩く事が嫌いとずっと思ってましたが、リズムを叩く事が嫌いというのが最近分かってきました。そして、リズムを叩くのが嫌いというのは割り算が理解出来なくて怖いから嫌いという事がなんとなく発覚しました。

ポリリズムを開発した人爆発してしまえと穏やかではない感情を燃やしてきましたが、問題は自身の脳の特性で、回路がひっじょーにつながりづらく苦手な事をさせていて理解できない事が理解できたのは目から鱗です。普通の人なら8分音符5:3のなかの16分音符を8:5で弾いた時の音価なんて計算しなくても生きていけるのですが、私は現代音楽が弾きたい世界で生きるマリンバ弾きです。つながりにくかろうが、分かりにくかろうが対峙しないと生きていけません。

20年冬、メトロノームと向き合い頭痛と吐き気(ストレスで胃が荒れる笑)と戦い遂に片鱗を理解する事に成功しました。21年春、現在進行方ですぐに飛んでいくので毎日ブツブツ唱えてます。きっと…きーっと刷り込めばどうにかなると鍛錬してます。

ぱっかーん頭開いて新しい脳にバージョンアップ！出来る未来がいつか来るかもしれませんが、自分が生きている間はちょっと難しそうなので、これからも私はぶつぶつ唱えて足掻いていこうと思う今日この頃。足掻いているのはリサイタルで演奏する作品達です。

全国から私の足掻きを見れる動画配信はクラファンリターン限定です。是非…頑張りますのでよろしくお願い致します！！

生きるって難しい！！

CHIHOKO