見出し画像

ゴーン会長の事件に関する感想

19日の夕方にこのニュースを知ったわけだが、ほとんどの人と同じように大変驚いた。兼ねてよりゴーンさんは高給であることに多くの批判があったが、それが過少申告であることにも驚いたし、それを理由に逮捕まで踏み込む当局の行動にさらに驚いた。

振り返ってみると、ここ数年は日本を代表するような大企業で多くのスキャンダルがあった。電気メーカーによる粉飾決算、自動車メーカーによる燃費データ改ざん、部品メーカーによる耐震データ改ざん、これらのスキャンダルは社会的インパクトにしても、各社の業績への影響にしても本件よりはるかに大きいように感じる。しかし、これらの会社のトップは逮捕されていない。

この事実と比べると、ゴーさんの逮捕はいかにもバランスが悪いように感じる。さらに、ゴーンさんを逮捕する直接な理由は金融商品取引法違反(有報の虚偽記載)だと理解しているが、報道などでも指摘している通り有報は社長・会長が作成するものではなく、経理部門が作成するものである。司法取引に関する報道もあるが、それでもいきなりのトップ逮捕に違和感がある。

では、ゴーンさんと上記各社のトップとの違いは何だろうか?思いつきベースではあるが書き出してみた。

1.日本人ではない
 人種差別と言うべきかどうか判断が難しいところではあるが、やはりトラブルになった時にこれは大きなハンデになったのだろう。日産規模のトップで日本人であれば、政府関連の仕事も多くなるだろうし、政府要人とのパイプが太ければ、誰か何を言わなくてもいきなり逮捕という事態は避けられたかもしれない。また、日本人ではないということは海外逃亡の恐れ(?)もあったのだろうか?

2.自分の会社に刺された
 これまでのスキャンダルでは、経営陣が関与したと認められた場合でも、会社と経営トップが一体になって謝罪してきた。しかし日産のスタンスは、会社にも一部の責任はあるものの、根本的な原因はゴーンさんに逆らえなかったことである。つまりゴーンさんは諸悪の根源とされている。

3.お金を多くもらいすぎた(?)
 先述の通り、以前からゴーンさんの報酬は多すぎるという批判はあった。このような世間の反感があったので、当局も動きやすかったのかもしれない。堀江さんが逮捕されたときのことを思い出す。

ゴーンさんが逮捕されてから今日で3日目になるが、不明な点はまだ多く、これから解明されていくのだろうと思われる。個人的な疑問は以下のようなものがある。

1.ゴーンさんと逮捕されたもう一人の役員にほぼすべての責任があるとすれば、二人はどのように虚偽記載を実行したのか?

2.過少申告となった報酬はどのように支払われたか?(金銭or実物)

3.その経理処理はどのようになされたか?(財務諸表の誤りを指摘する報道はまだ見かけない)

4.税務申告は正しく申告されていたか?(ゴーンさんの税務申告はどの国になるかはわからないが、脱税という報道を見かけていない)

5.会社資産の指摘流用について、その実態はどういうものか?例えば、不動産の名義は会社なのか?ゴーンさん個人なのか?

野次馬根性といわれたらそれまでだが、現時点ではやはり多くの点で違和感がある事件に思う。こういった疑問点がうやむやにされたまま、判決がなされるのは避けたいものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?