自宅で作る鈍器本
お世話様です、千里印刷所です。
今回は一般家庭用コピー機(A4カラー・インクジェット)で出来る、背幅のある文庫本の作り方を紹介します。
多少のコツは必要ですが、材料は百均で手に入る物や代用がきく物ばかりなのでぜひチャレンジしてみてください。
◆事前準備1
本文と遊び紙をダブルクリックで束ね、定規をあてて、背幅をミリ数切り上げではかり、表紙の背幅を決めましょう。
今回は7.5mmのため、背幅を8mmで取り、表紙・背幅・裏表紙を合算して218mmで制作します。
◆材料
・背幅を含めた原寸の表紙
(A4サイズに印刷:
今回の表紙用紙はキュリアスメタルホワイト215kgに148mm×218mmで作成)
・本文(A6文庫サイズ:148mm×105mm):114ページ
・遊び紙2枚(サイズ本文と同上)
・スピン15cm前後
⇒しおり紐。使ってみたい場合はAmazon等で入手してみましょう
・ビーズ
(今回は水晶玉。文庫には8mmが適切)
◆道具
・カッター
・カッターマット(ダンボールでも可)
・木工用ボンド
・瓶、紙コップ等(ボンドを入れる容器ならなんでも可)
・筆(百均で十分)
・30センチ定規
・ダブルクリップ(慣れないうちはあると便利)
・スタンプ(金)
→小口染めに使用。百均で十分。小口染めをしない場合はなくても問題なし。
・糸通し
・ジェル状接着剤
→スピンにビーズを通す時に使います。スピンとビーズを使わない時は不要。
◆作業手順
※小口染めをしない場合はこの手順は飛ばしてください※
1.ノド以外の三辺に小口染めをする。スタンプを押しつけて、何度もすべらせ、インクを定着させて乾くまで待つ。
遊び紙のハイピカと組み合わせると高級感のある仕上がりになりました。
※スピンを使用しない場合はこの手順を飛ばしてください※
2-1.スピンの下準備をする。
ビーズの穴に糸通しを入れ、糸通しの穴にスピンの先端を入れる。
2-2.糸通しを引き抜き、先端にジェル状の接着剤を塗っておく。
2-3.少しずつスピンを引いて、スピンの位置が写真の通りになったら引くのを止める。あまった接着剤は指先でぬぐい、接着剤が乾くのを待つ。
3-1.表紙の切り出しを行う。
原寸サイズで印刷をおこなっているので、下のラインはカッターをあててそのまま切る。
3-2.上辺は色が乗っていないため、底辺に本文を一枚重ね、その上に定規をあててカッターで平行に刃を入れます。
3-3.残りの二編は実寸で色がついているためそのまま切り落とします。
★これで表紙の切り出しが完成しました★
プリンターとソフトの癖で実寸で印刷しても拡大縮小が若干入る時もあるので、その場合は臨機尾に対応します。
4-1.Attention!!
ここからが一番大事な場面です。本の仕上がりに大きく影響しますが、なれれば誰でも出来るようになるのでまずは挑戦する事から始めてみてください!
表紙側の裏に本文用紙を一枚当て、カッターのお尻の部分で折り線をつける。
※力の入れすぎに注意
4-2.背幅の折り線をつける。表紙の折り線を谷折りにし、本文を立てて背幅を取り、背幅の折り線を取る。
5-1.本文をのり付けする。木工用ボンドを容器に取り分け、筆に取り、適量を背幅に塗ります。慣れないうちはダブルクリップで背幅を固定すると作業がしやすいです。
5.表紙と合体させる。コツは、いきなり背幅のキワを狙うのではなく背幅の中央から少しずつ背幅の線へとずらしていく。背幅とぴったり重なったら、背表紙をボンド側へ押しつけてのり付けとしっかり定着させ、厚紙で挟んで固定する。
6.ボンドが乾燥すると完成です!!
ちなみに、千里印刷所で同様の仕様で本を作ると、以下のお値段になります。
・表紙:400円
・本文:480円
(114P-20P)=94÷4=24×20=480円
・無線綴じ:200円
・遊び紙:100円
・スピン:100円
・水晶玉:100円
・小口染め:100円
★合計:1480円
EX.あると便利な物
・業務用木工用ボンド
使っても使っても減りません。大量生産したい方に向いてます。
・デコプリンセス
ジェル状接着剤
ハンドメイドの定番。ニス塗り加工の代用など幅広い用途で使えます。
・裁断機1
真っ直ぐ切る用。カッターよりも手軽に。正確に。普段はカッターよりもこちらで作業しています。
・裁断機2
半分に切る時用。裁断機1と用途が違うため、A4を半分に切るなどが簡単に出来ます。
以上でメイキングを終了致します。
久々の更新でしたがこの機会に本を作る楽しみを知って頂けますと幸いです。
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
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