見出し画像

2024年9月4日

この間までの夏の日差しが嘘みたいに
季節はちゃんと巡ってきた。

空も風も、秋を連れてきている。
そして足元にある草たちも、そんな顔をしている。

今年から借りた畑は、最初は広すぎてどうかなと思ったけど
そもそも全てを作物にするつもりはなかったので
緩やかなゾーニングができそうでワクワクしている。

前にこの畑をしていた人は
農薬を使わずに肥料もいれずに畑をしていたそうだ。
数年前に畑にあった大きな木が倒されてしまったのはもったいなかったけれど、隣接する畑もないため、私のやろうとする畑づくりをするには最適の場所。

そして岡山県津山市でハーブ農家をする香草工房さんに教えてもらいながら
ハーブや土の勉強会をしているので、本で得た知識や抱えてきた想いを実践するよい機会に恵まれた。

そもそも、私の畑への興味は長い。

私は子どもの頃に、母親が仲良くしていた農家さんに行って
いろんな経験をさせてもらった。
小さな畑、大きな畑、いちご畑、キャベツ畑、ニワトリの世話
おばあちゃんのトラクターに子どもたちがわんさか乗って
そこから転げ落ちて背中を擦りむいた日のお風呂は
因幡の白兎の気分だったな。

または父方の祖父母がしていた
北海道は函館に近い一ノ渡大野町の大きな畑で
初めて見たアスパラガスの苗
もぎたてのトウモロコシ
そして農作業小屋の水色や道具

中学を卒業するにあたり
私は本を読むのは死ぬほど好きだが
数学が7点だったり、勉強のための進学は意味がなかった。
けれど、湖陵高校というところに農業と造園を学べるところがあると聞いて
なんとか滑り込んだ。

ただ、ほとんどの10代がそうであるように
青春とは忙しいものなので
学業には対して打ち込まなかった(先生ごめんね)
私がそこで覚えたのは「窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)」以上。

もう一つ、入学後に気が付いたのだけど、
私が知っていた「農業」と学校で教わる「現代農業」のギャップ。
新しい農場だったから、土が、なんというか新しすぎて綺麗すぎた。
(私が好きな畑、こういうのじゃないんだよな)

そこで、もう一つの興味であった「造園」の方に舵を切り
ラウンドスケープやゾーニングを学び、高校卒業後は空間デザインを学ぶことにした。

とまあ、人生で必要なのは「寄り道」であるということは
なんとなく腑に落ちている。

学校で見た「畑」と子どもの頃に見た「おばあちゃんたちの畑」
この違いがなんであったかを、この寄り道の最中に知ることができた。

そして畑をするにあたって、資材や肥料を買うことに違和感があり
ずっといろんな本を読んでいたら、つまるところ「土」ではないか。
ギャラリーカフェふくを通して香草工房の内藤さんに出会ったことで
私の妄想の畑づくりは、現実のものになった。

この夏は、暑かったけど、早朝5時の畑は、本当に楽しかったな。
さあ次のシーズンへ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?