エピソード・ゼロ 〜クリスタル編〜
スピリチュアルな本を突然貸してくれたNさんが
教えてくれたものがもうひとつあった。
「不思議なオヤジがやってる石屋」
どういう流れで教えてくれたのかは記憶にないけど
「その人に必要な石を選んでくれるよ」と聞いて
興味を持ち、連れて行ってもらった気がする。
今でこそ、自他ともに認める「石好き」な私だけど
29年前の私は、「石屋」と言われても
どんな店なのかまったく想像できなかった。
連れて行かれた「石屋」は
木造の少し古い建物で
開けようとするとガタガタとうるさい
建てつけの悪い木枠にガラスの引き戸が入口の店だった。
石屋は(…当然…)水晶などクリスタルを売る店だった。
背の低い、どこを見てるのかわからない目をした
中年のオヤジがレジのところにいた。
「私に必要な石を選んでください」みたいなことを
お願いしたんだと思う。
そしたら、どこを見てるのか分かりにくい怪しい目を閉じて
おもむろに何かブツブツ言い出した。
今なら「お、リーディングが始まった…」と
特に動じることもないけど
まだスピリチュアルビギナーだった私は
ちょっとビビった(笑)
そして、オヤジは独り言みたいにこう言った。
オヤジ「お?なんだ?なんだ?
なんでこの娘はこんなに傷ついているんだ?」
大失恋直後だった私は
え?なんで言ってないのにそんなことわかるの?
と、ガッチリ心をつかまれてしまった(笑)
オヤジのお見立てでは
「失恋の痛手で魂が本来の三分の一にまで縮んでいる」
とのことだった(^^;
そして、「君はこれをもって行きなさい」と
小さな卵型のクリアクォーツを選んでくれた。
本当は基本、球体の水晶なんだけど
そこまで魂が縮んでいる時には卵型が必要、
今は球体ではパワーが強すぎる、って。
それが、私のクリスタルとの出会い。
何年も経って、Nさんとの付き合いも絶え
その店を思い出して1人で行った時には店は無くなっていた。
さらに年月が経ち、同僚にふと、その話しをしたら
その人がたまたまその不思議な石屋を知っていた。
元の場所から移転したと教えてくれた。
(今にして思えば、偶然じゃないw)
教えられた移転先の店を訪ねたら
店は自社ビルになり
店先にはオヤジのものらしきベンツが停まってた。
ずっと持っていた卵型の水晶を持って行き
金回りがよさそうになったオヤジに
何年も前の、買った時の話しをしたら
じっと私を見て
「今の君の魂は、すっかり元気になったから
これからはこれを持つといい」
と球体の水晶を選んでくれた。
卵型も持っていても問題ないと言われて
その後も結構長い間持っていたが
さらに時が経って
なんだか自分には要らない気がしてきたので
インスピレーションで
とある神社の土の中に埋めてきた。
理由も意図もなかった。ただ、なんとなく。
二度目の水晶玉は今でも手もとにある。
なんとなく、私のミタマ、って気がして愛しい(^^)
どちらも数百円の小さな小さな石だったけど。
私が石と仲よくなったのは、その時から。