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完璧にみえるあなたでも、

迷ったり間違えたり、背伸びしてしまったり、不安でどうしようもなくなったりすることがあるの? なら私はうれしい。あなたが不完全で不格好で迷子であるほどうれしい。困ってるとこが見たいんじゃないよ。あなたの歪みを心から愛してるだけ。

一緒に大声で泣いたり笑ったりしたかった。置いて行ったり教育しようとしないでほしかった。とことんダサく、みっともなく、落ちるなら手を繋いでる時がよかった。お互いぼろぼろの傷だらけ。なんで泣いてるのかなんてわかんなくていいから、あなたの傷を舐めたいし、私の傷を舐めてほしかった。

人はいつ、かわいくなくなるんだろうか。人は、いつまでもかわいい。歳をとっておばさんになってもおじさんになっても、素直でさえいればいつまでもかわいい。

なんの武装もしてない自然体の人間が、ただの人間であることをわかってただがんばるただの人間が、私はすきだ。人が作ったものの中で優劣を競っても、ずっと人。所詮、人。猫の方がすごい。あいつらあんなに優しいのに、本気出したら人殺せるんだぞ。

かっこつけなくても充分かっこいい。綺麗じゃなくていい、不細工でいい。その方が愛らしい。自分はどうだろう。あなたのそうゆうとこ、ほんとに、ぜんぜんかわいくない。

見た目の好みなんか人によるんだから、清潔感さえあれば実際にかわいい必要なんてない。ただ人としてかわいい人ではいたい。見た目がかわいい人よりも、可愛げのある人の方がすきだよ、断然。

あーあ、平気なふりしなきゃよかった。いちいち取り乱して大騒ぎすればよかった。弱音とかもっとゲロゲロ吐けばよかった。いいこともわるいことも、もっと体の外に出せばよかった。そうか、私が可愛げのない生き物だったんだな。

戦争のことや、ハラスメントで自殺した人のこと、しんどくて見るのをやめてしまった。現実はしんどいから、作りものばかり見てた。同じようなことを、私は人との関わりの中でもやっているんだろうな。人間をサボってしまったんだ。

炊き立てのご飯とお味噌汁とだし巻き卵。お気に入りの柔軟剤。トイレットペーパーのストック。大の字で寝る猫。撫でる手。これ全部しあわせと呼んで差し支えないよね。

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