#15 不便さがいい仕事するときもある
今日、なにかでチラッとみかけた「ウィルコム」という単語が私の胸をくすぐった。
エモエモのエモだ。懐かしい、わが青春のウィルコム。
ウィルコムとは、特定の相手とだけ定額で話し放題のPHSサービスのことだ。
2005年~2014年までしか存在しなかったサービスだが、
当時はカップルでお揃いのウィルコムを買い、サブ機として持つのが彼氏・彼女持ちのステータスだった。
今でこそ「話し放題」のプランが当たり前だが、そのころはやっとパケホーダイが出てきたくらいの時代で、通話料は従量制だった。
恋人と長電話ができなかったから、当時のギャル達からすると神アイテムだったわけだ。
ちなみに私も当時の恋人とお揃いでウィルコムを買って持っていた。
これの青色。あ~~なつかし~~~~。
付き合って数週間で契約しに行って、別れたら解約する。そういうサービスだ(違う)。
ウィルコムを持っている人のことを「コム持ち」と呼び、
「コム持ちアピれ~」とか「彼女いるからコム持ちいらん!」みたいなことを掲示板に書くのが流行っていたのだ。
だまれ日本語しゃべれって感じだが、本当にコム持ちが一種のステータスだったのだ。
あの時代、TwitterやInstagramはまだなくて、SNSでいえば「mixi」の一強だった。
今考えても、無い機能が無いくらいになんでもある神SNSだった。
ブログとしてもコミュニティツールとしてもかなり優秀だったのに、衰退してしまって悲しい限り。
中でも「紹介文」という機能が好きで、私にとってこの人はこういう人というのを
書いて公開する機能だったが、手紙をもらうのと同じ感じがして好きだった。
ちなみにmixiでの相互フォロー状態は「ミク友」と言った。
いちいち死ぬほどダサくて最高。
「足あと」という誰が自分のページを見に来たかわかる機能で別れた恋人が見に来ているのを知り、
他にわからないようにその人にだけあてた日記を書いたりするのだ。
くううううううう~~~~~、エモ~~~~。はず~~~。
好きな人とメールでやり取りをしてた頃、
メールが返ってこなくて何度もセンター問い合わせをしたり。
電波が良くないウィルコムで、そんなに話すこともないくせに
2時間45分を超えそうになったら「こっちからかけるね」と約束して一回切ったり。※2時間45分を超えた連続通話は有料だった
気になるけど足あと残っちゃうから友達のアカウントから元恋人のページをのぞかせてもらったり。
プリクラを撮りにわざわざチャリで出かけたり。(ちなみにプリクラ機は「プリ機」と呼んだ)
不便だったけど、不便さやバカバカしさこそが青春だったよね。
あのドキドキとか物足りなさ歯がゆさというのは、もう味わえないだろう。
ググったらなんでも出てくるから「〇〇ができない」ということを探す方が難しい便利な時代だ。
あのころはよかったとは思わないけど、不便さ加減がいい仕事して育まれたものはあったなと思う。
好きな人からのメールがセンターで止まってた時の嬉しさ。
これで酒が飲める人は絶対同年代。