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v_8 五歳児が突然ルワンダに住むことに デメリット編
このエントリは、Voicyチャンネル 自分の人生を生きよう!by CK にて2021年10月15日に配信された「#0008 5歳児が突然ルワンダに住むことに デメリット編」を文章化しています。音声も是非、こちら↑のリンクからチェックしてみてください♪
5歳児が突然ルワンダに住むことになった話のデメリット編ということで、良い面と合わせてお伝えできればと思います。大きく二つあると思っていて、一つ目が教育面、二つ目が医療面です。今日はこの教育面についてお伝えします。
デメリットは教育、とは言い難いですよね。メリットとデメリットは表裏一体なので、教育面におけるメリットは前々回お話した通り、まずは英語を話せるようになること。そしてその時はお伝えしませんでしたが、IB(インターナショナルバカロレア)に準拠した学校だったので、欧州などの学校に転入できるというメリットもありました。やってないですけど。
繰り返しになりますが、メリットとデメリットは表裏一体なので、教育におけるデメリットもちゃんと押さえる必要があるかなと思います。具体的には、日本語の面と、学習内容の面と、日本社会への適応力という三つの側面で気を付けるポイントがあると思っています。
英語を話せるようになるということは、裏を返すと、そうなんです。日本語が弱くなるんですよね。 やり方次第だとは思いますが。 家庭内でどのぐらい日本語をちゃんと使って維持できるかというのと、現地に日本語の補習校はあるのかということ、あとは本人の適性ですね。本人が、読み書きとか言葉とか言語とかをどのぐらい好きか。
我が家の場合は、家庭内で私と息子でコミュニケーションをとるときは日本語を話すようにしていましたが、 特にルワンダに移って最初の1年は、そもそも私が家にいない。レストランの立ち上げがすごく大変だったので。年2回ぐらいしか休みがなく、しかも毎日夜遅くまで家に帰れない状態が続いてました。
日本語の補習校は、ルワンダにはないんです。どうしても、その国の日本人の人数がある程度多くないと、日本の政府が派遣する日本語の先生が、来られないんですよね。ケニアなど大きいところになると、日本語の補習校はあります。ルワンダにはありませんでした。
あとは、本人の向き不向きについて。うちの息子は日本語の読み書きを始める前にルワンダに行ってるので、ひらがなを書いたり読んだりするのはゼロから。そういうのが好きな方かどうかで言うと、全然好きじゃないタイプでした、だからけっこう苦労はしましたね。
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このあたりをどのぐらい気を付ける必要があるかというと、本人が将来どこで暮らしていくのか次第ですが、「将来は絶対日本の大学に行かせます」とか、「日本で中学受験することが決定してます」とかであれば、例えば小3、小4でいきなり英語オンリーの環境に入れるのは、気を付けないといけないですよね。
その子が勉強で使う言語、つまり今後どんどん学年が上がっていって難しいことを論理的に考えるようになるときに使う言語を、何語にするのか。その見通しを少し先まで立てた上で、今どのぐらい英語をさせて日本語をどのように維持するかを考えないといけないなと思います。
あとは、学習内容の面では、ルワンダは中学年や高学年、中学校や高校から外に出てしまう人が多いのは事実です。外国からルワンダに来ていたけれど、ある程度子どもが大きくなったとき、子どもの教育を考えてまた外に出る(例えばケニアに行くなど)、そういう人は多いです。
子どもを海外で育てるにあたって、日本社会への適応力をどうしていくかというのも、割と大事な観点だと思ってまして。これは日本語力ともかなり相関関係があるのでは、と思います。
例えば、全く日本語が話せないのに、完全に日本人みたいに振る舞う人って、あんまりいないと思うんですよね。言語と文化ってすごく密接に関わっていると思います。
日本語は省略されてる部分がとても多いですよね。「これってあれだよね」と言っても、ある程度通じてしまう。日本の文化は暗黙知がものすごく大きい。前提が広く深いレベルまで共有されているので、言わなくても伝わってしまう。1言うと、それはこういうことですねって5伝わる。
その感覚は日本人という組織、日本人という集団の中にいて初めて磨かれるものだと思うので、日本人の集団ではないところで暮らす年数が長くなれば長くなるほど、そこに戻りづらくなるというか、戻ったときにチューニングが必要になるというのは、ひとつ見落としてはいけないポイントだと思います。
以上を考えると、息子は日本語で日常のコミュニケーションを問題なくとれる段階(5歳)でルワンダへ行き、 そこで英語80%日本語20%の環境に入れられたのはすごく良かったなと。
子どももいろんな子がいるので、センシティブな子もいればそうじゃない子もいるし、適応がなかなか難しいという子もいれば問題なくできる子もいるので、子どもの様子を見ながら臨機応変にやっていくのがいいと思います。
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息子は特に神経質な方ではないので、そのときそのときで楽しく過ごしていたかなと思います。
息子が小学校2年生のとき、娘(息子にとっては妹)の出産の関係で日本に半年ぐらい戻ってた時期があります。その間は東京の公立小学校に通わせてもらったりしたんですけど、漢字などほとんどわからないなりに、楽しそうに通っていました。
「宿題、全然やってないけど大丈夫?」と聞くと、「うん!僕はルワンダからの転校生だから先生が宿題やんなくていいって言ってた」という感じで乗り切ってました(笑)。後から先生に聞いたら、「そんなこと言ってないです」っていうふうに言われましたけど(笑)。
でもそんな息子なりに、母親が背水の陣というか、なかなかの覚悟を持って「ルワンダでやるんだ」という意気込みでやっているってことは、感じていたのかもしれません。
ルワンダにスッと適応したように見えましたが、やっぱり大変なこともあっただろうし、最初はずっと毎日泣いていたし、「ていうかここどこ!?」て感じだし、そもそもいきなりすぎるし、いろいろ大変だったと思いますが、小さいうちはどうしても、親が決めてそれに子どもは従うしかない。そこは忘れちゃダメだよなと思ってます、親として。
子どもからすると、「ルワンダに来たから英語話せるようになったじゃん」とか言われても、「いや、そもそも頼んでないです」という感じというか。そこを親としては忘れちゃいけないな、と自分によく言い聞かせてます。
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というわけで、最後に若干話の趣旨が逸れてしまいましたが、何事も良い面と悪い面があります。悪い面というか、気を付けなきゃいけない面ですね。そこについては、ケースバイケースでいろいろと注意しながら対策を講じていければいいと思います。
明日はデメリット編その②、医療。医療体制ですね。言ってしまうと、日本に比べるととにかく劣るので、「そういうところに子どもを連れて行くのか問題」についてお話ししたいと思います。