映画『黒蜥蜴』〜Black Lizard/村田のちょっコラム✍🏻
『黒蜥蜴』〜Black Lizard
江戸川乱歩の長編小説の原作を、1961年、三島由紀夫が主演を丸山明宏(美輪明宏)として戯曲化。
それを1968年、深作欣二監督により映画化。
私が観たのは海外版。日本版?はどこへ。
伝説の"カルトムービー"。
三島由紀夫が寺山修司の作品「毛皮のマリー』を演じる丸山明宏に惚れ込んで口説いたと言う。
それはそれは熱烈なアプローチだったとのこと。
オーブリー・ビアズリーの絵が使われていたり、サイケデリックで淫靡、デカダンス独特の耽美な世界です。
エログロ、カルトムービーとは言ってもどぎつい汚さは無く、やはり芸術作品。
美輪明宏(丸山明宏)さんの妖艶な美しさには驚きですが
松岡きっこさんの美貌にも驚愕です。
日本、アジア人の美しさ、黒髪、黒い瞳、指先までうっとり美しい所作、めちゃくちゃ痺れます。
一つ一つ流れるような詩的なセリフに衣装、細部へのこだわり、その演出は、なまなま生めかしい〜けれど高貴で気高い品格。 松岡きっこの存在を潰す事なく丸山明宏のルックス、声も歌も火の打ち所なしでございます。
どうぞ、踏んづけてください!
そこに三島由紀夫も特別出演。これもまた筋肉美。
コンプレックスゆえ、天井しらずの美意識の高さは三島由紀夫文学ファンなら誰もが知る所ですが、美しい... 。
ちょっとムニッと重力に逆らえないくらいのお肉をお持ちでも全く構わない私としては(ムキムキは苦手かも)、
三島さんのこれは格好良い、素敵です。
お顔もデレッと落ちてなく、凛々しい表情がまた更に魅力的です。
鼻の下を伸ばしている残念なお顔は想像できません。
映画の見どころはやっぱり"接吻"💋でしょうか?
ちょっと?けっこう?気恥ずかしいシーンですがたっぷり鑑賞しましょう。
音楽には冨田勲。
高校学生時代、ピアノ科の同級生が練習に弾いていたクラシック曲のアレンジが、効果的に全編にわたり使われています。懐かしいです。
冨田勲はこの後、シンセサイザーで1974年発表のアルバム『月の光』がビルボード・クラシカルにチャート入り。世界的に評価されます。
1975年には日本人として初めてグラミー賞にノミネート。
そして、1968年、シングル「黒蜥蜴の唄 / 息子よ 」は三島由紀夫、丸山明宏と交流の深かった中村八大により編曲。
中村八大はこの頃、「上を向いて歩こう」でビルボード全米チャート一位を継続しています。映画では冨田勲の編曲。
小説、劇作家オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」の挿絵で知られるイラストレーターのオーブリー・ビアズリー。
この映画ではビアズリーの絵が使われていますが、ビアズリーは姉との近親相姦が疑われたり、オスカー・ワイルドは同性愛により告発され有罪、投獄経験もあり、イギリスでは戯曲の背徳感漂う内容から禁止令が出、上演出来なかった時期もあります。
そう言った側面からも彼らが分断された歴史のアンチテーゼに、色彩を重要とする耽美、芸術至上からのエロティシズムは丸山明宏、三島由紀夫にも影響を及ぼしたのでしょう。(しかし、ワイルドはビアズリーの挿絵を日本的で気に入らなかった。)
原作の江戸川乱歩もエドガー・アラン・ポーに影響を受けている事はペンネームでわかりますが、ビアズリーは1843年、エドガー・アラン・ポーの短編小説「黒猫」でも挿絵を描いています。
この映画、『黒蜥蜴』〜Black Lizard 、は類い稀なる魅力を持ち合わせた表現者たちの夢と憧れの大願だったのかもしれません。
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村田のちょっコラム✍🏻ピンク・マルティーニ「サンパティーク」
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