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あなたの "大切な"「ごみ」は何? | 廃材アーティスト 石田真也 Interview

「ごみ」と聞いて何を想像するだろうか。
要らない?汚い?早く捨ててしまいたい?

では、あなたが不要と思ったその「ごみ」に、
新たな価値が見出せた場合はどうだろう?
少し見方を変えれば、「ごみ」認定してしまったモノにも
意外な可能性が見えてくるかもしれないし、
実は誰かにとってはとても魅力的なモノかもしれない。


廃棄されたあとの「ごみ」に延命活動をし、
新たな価値観を見出す
廃材アーティスト 石田真也 を取材。
これまでの活動、彼なりの「ごみ」の捉え方と、
そこから派生して感じられる様々なモノや人々との
関わり方を探った。



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石田 真也  Shinya Ishida

「みえない力」をテーマに、主に廃材(不要となったもの)を素材にし、作品を制作。モノが生まれてから無くなるまでのサイクルに僕が介入することで、そこに小さなズレが生じる。その狂ったサイクルに何か可能性はないだろうか。国内外を問わず訪れた土地で集めた廃品や漂着物、人が不要となった物を主な素材として立体作品を制作している。





延命活動、廃材アートのはじまり


石田さんがアート活動始めてそれなりに経つかと思うんですが、最初の時点から廃材って使ってたんですか?

石田
そうやね、最初からかもしれん。

その最初のきっかけって何だったんですか?

石田 : 
最初は、あれやね、作ることは作ることで好きやって。拾って置いて並べるみたいな、そこまで意識したことはなかったけど、思い返せば昔から何か拾ったりする癖みたいなのはあって。最初、僕も美術家を志た時に、いわゆるモニュメントみたいな、駅前に立ってるようなもんが「美術」やって思って、、、まあ美術教育もそんな良くなかったから。まあ、そうゆうものを真似て作ってたんやけど、なんか、これってほんまに自分が作ったもんなんかな?って出来上がった後にすごい感じてて。美術を背伸びして作るんじゃなくて、小学校の時にやってた図工のノリで、出来ること思い切りやったら良いんじゃないかって思って、それからがむしゃらにやれることやって。お金が無いのもあったんで、その時に素材になったのがたまたま「ごみ」、身近にあったもんやって。で、それらが繋がった時っていうのがすごい心地良くて。全然違うベクトルで進んでると思ってたものが、一緒に、一本になった、みたいな感覚を感じて。だから今まで続いてるっていうか。今でも自分の中で気になったことっていうのが、全ジャンル、畑違いのことでもやるようにしてて。どこかでまた繋がるんじゃないかなって思ってやってる。

石田さんのインスタグラムの名前、「石田延命所」じゃないですか。"延命所" の由来って何ですか?

石田 : 
由来は、元々は作品の名前やって。屋台みたいなの作った時に「石田延命所」って名付けて。どこでも行けて、そこで制作出来たり、ごみ拾ってそこで作れるみたいなイメージでやってたんやけど。その時の展示が終わって家に持って帰ったんやけど、でかすぎて、毎回作業する時に外に出してたんよ(笑)そこに「石田延命所」って書いてたから、その場所のこと近所の人たちが「石田延命所」って言うようになって。「延命さん」って呼ぶ人も出てきて。

石田延命所

石田 :
由来はほんまはエコとかじゃなくて。ズレっていうか、ごみのサイクルがあるじゃないですか。生まれてから死ぬまで、消えるまで。その、本来捨てて無くなってしまうところに僕が介入して、ちょっとだけ命が延びるっていうか。いずれ、それもごみになるんやろうけど、延びるやん。延びた時に、小さいズレが発生して、違う力が加わって、どんどん大きくなるんかなって思って。そのズレがどんどん大きくなっていった時に、何か、おもろい事起きるんじゃないか?!っていう意味を込めて "延命所" って。僕の好きな作家さんのウッキー富士原さんに言われたことなんやけど、「なんで作ってるんですか?」って聞いたら、池とかに石を投げた時の波紋があるやん、その人はそれを楽しんでるって言ってて。良いこと言うなあ、この人、と思って。それもズレと一緒で、どんどん大きくなっていくやん。全然知らん人にも届いてる、ってことやろなって思うと、おー!それ、いただき!ってなって(笑)

なるほど、良い名前ですね!

石田 : 
「石田延命所」のロゴは作家友達のBemnmnに作ってもらったんやけど、その頃から自分一人で作ることに限界を感じてて。なんか、作っててやっぱ1番、ドキドキしたいっていう気持ちもあって、想像していないことが起きる方がやっぱテンションが上がるから。僕は最初にスケッチとかあんましないんですけど、例えば「このごみと、このごみを合わしたらこんなんなるやろな」って思うときもあれば、「えー、こんな力持ってたん、おまえ!」みたいな時もあって(笑)めちゃくちゃ気に入ってるごみは、それ単体でもう気に入ってしまってるから、意外と使えないな、みたいなのとかあるんすよ。だから、何がごみか分からんくなってきて。ま、それを楽しんでたんやけど、それも結局一人で出来る限度っていうのを感じてきてて。デザインやってる人とか、他のことやってる人と一緒に仕事出来たら、またそれも自分の想像越えてくることが出来るんかなって思って。今まで他の人と一緒にやるの嫌やって、自分一人で完結させるのが作家や!とか思ってたんですけど、それから反応とかもめっちゃあったりして。だから、これからも違う人と関わって面白いことしたいなっていうのは思ってる。
なんか、映画作ってる友達がそれ言ってたんよね。映画って、僕ら素人目で見たら監督が全部作ってるもんやって思うけど、実際、監督が想像してたものは出来てないらしくて。それぞれ照明さんとか、カメラの人とか、衣装さんとか、助監督とか、色々いるやん。そうゆう人らがそれぞれ、良い作品作るぞって向かっていって、考えた結果ああでもない、こうでもないってなって、やり合いみたいになるらしいんや。そうきたか、じゃこっちもこういったろ、みたいな。そうやって結果誰も想像出来てないものが出来る、って話を聞いた時に、めっちゃおもろいなと思って。それで、そうゆう仕事のやり方出来たら良いな、とか思ったりして。

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" Installation at Lujiazui Centre Green Space " | 2016 | Shanghai, China


ところで今、コロナ渦じゃないですか。それで、石田さんが廃材を持ってくるところって結構、海外が多かったイメージがあって。でも海外行けないから、今。どんな感じなんだろうって思ってたんですよ。

石田 : 
やー、行きたいね、海外。

(笑)あ、でも日本にも結構あるってことですよね、廃材ゲット出来る場所。

石田 : 
あるある。なんか師匠的な人もいてて、和歌山に。例えば「このシーグラス集めるなら、あの浜が良いよ」とか「大きめの流木集めるんやったら、あの浜が良いよ」とか、色々スポットを教えてくれるから。逆に買えるところもあったりとか。



場所を変えることで生まれる新しい価値観


石田 : 
実は、例えば海外行って「地球の歩き方」とか見て観光しても、あんまりピンとこうへんというか。歴史ある神社とか寺院とか行っても、あんまりその歴史を知らんからあんまりピンとこうへんかって。で、唯一しっくりくる、自分が好きなのが「ごみ集め」というか。どこにどんなもんが落ちてんのかな?って下見て歩いてたら、その土地の生活が見えてきて。それを1番表してるのが「ごみ」やなって思って。
例えば日本の中でも、海に行けば海のごみがあるし、でも街には海の漁具とかは落ちてないやんか。それを僕が作るアート作品を通じて、海のごみ、海で作ったものが街中に流れたりとか、街のものが違う場所に動いてったら、新しい価値観っていうか、何か生まれへんかなっていうのがあって。だから海外でやる時は日本のものを持って行くようにしてたりしてて、逆にどっか行った時は持って帰ってくるようにしたり。動かすことで価値観というか、新しい考え方が生まれたら良いなって、模索しながらやってるんやけど。

あの、PARCOが初めて?なのかな、巡業してたじゃないですか!まあ、あのPARCOの時は渋谷っていう、わりと狭いとこだったと思うんですけど、移動することで、行った先で何か変わるんじゃないかみたいな、そうゆう想いとかがあったんですか?今思えば、「移動」「場所を変える」みたいなとこがポイントだったのかな、と。

石田 : 
あれは、一般的に美術館とかを志す人はいたりするけど、美術館とかギャラリーってもう既に日本やったらそんなに馴染みがないというか、みんなが行く場所じゃないと思うから。やっぱ行きづらいし。だから、逆にこっちから見せに行こうっていう想いで、強制的・ゲリラ的に見せて反応を見るっていうのが目的やって。そもそも、あれ「搬入マラソン」っていうイベントを自分でつくって。搬入って、マイナスなイメージを今まで持ってたんやけど、そうやって自分で祭り上げることでイベント化したら楽しく展覧会が出来るんじゃないかって(笑)だから道とかをずーっと予め告知して、何時にこのへん通りますみたいなの書いて、チラシ作って。交差点とかで友達が手振って待っててくれたりとか、そんな感じやって最初。

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なんか、給水係みたいなのもいましたよね、あの時(笑)

石田 : 
あの時なあ!(笑)そうそう、協力してくれたお店の人がやってくれた。それも向こうが勝手にやってくれたことで。そんなんなってったら面白いな、とは思ったけどな。
でも、やっぱり東京は東京で、東京の反応やな、っていうのは思って。みんなやっぱりイベント慣れしてるから、無視!みたいな感じやった(笑)京都とかでやった時は、おばちゃんとかに止められて説教されたりとかもしたりして(笑)「こんなことやってんと、お金稼ぎなさい!」みたいな、言われたりして(笑)土地柄が出るなって思ったけど。



東京と他地域、日本と海外


え、じゃあ東京でやった時はやっぱり、期待してたよりは反応が悪かったんだ、、?

石田 : 
あ、うん、悪かった。無反応って感じやった。

そうなんだ。あー、悲しいですね、それは。

石田 : 
でもそれが現状なんやなっていうのは思ったし、その後色々、東京の人らと仕事することもあったんやけど、あんまり温度を感じひんというか、そうゆうことが多くて。なんていうん、割り切ってんな、みたいな。「自分の仕事したら良い」みたいな。僕はなんかこう、全体的に、みんなで面白いもの作ろうよっていうスタンスで行ってるのに、それぞれが自分の仕事をこなして終わっていくみたいな。それは今でも、どうしたらええんかなって思ってるんやけど。

私も、東京にいながらなんですけど、よくまあ「東京の人は冷たい」って言うじゃないですか。本当にそうだなって思ってて。とは言え、私もそのいわゆる "東京の人" っていう感じでずっと生活しちゃってるから、全然そんなこと言えないんですけど(笑)でもやっぱ、例えば海外の人とかもそうですけど、他の地域の人とかにそうやって言われてる現実は実際にあって。やっぱなんだろう、冷たいというか、自分のことしか考えてないんだろうなって思うことは、自分から見ててもすごいあって。なんか不思議ですよね。世界的に言ったら東京ってすごい「面白い都市」みたいな感じのイメージが結構あるのに、実際に東京に住んでる日本人とかは意外と冷めてたりとか(笑)不思議な街ですよね、東京。

石田 : 
面白いけどね。何かやるんやったら絶対東京じゃないとあかんなって、思うけど。まあでも、みんな地方に動いてるって今言われてるけど。どうなんやろね。

コロナで考え方が変わった人は多いでしょうね。リモートが出来るっていうのが分かったから、みんな。別に東京に頑張って居なくても良いんじゃない?みたいな。そういう人はたぶん増えてると思う。会社によってはコロナになってからずっと家で仕事してる人も多いし。

石田 : 
コロナも、僕ら和歌山県とは違うんやろね、東京。色々ぴりぴりしそう、東京の方が。どこ行っても人いるもんね。

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" 搬入マラソン at Aquvii Art THE TERMINAL " | 2014 | 東京


あの、カンボジア行ってたじゃないですか。昔ちょいちょい海外でワークショップみたいなやってたと思うんですけど、あれの経緯って何だったんですか。

石田 : 
カンボジアは、単純に、もう日本あかんわ!って思って(笑)尽く学歴社会を感じて。その頃、公募展とか滞在制作のやつに色々応募してたんやけど、やっぱり学歴というか、横の繋がりがある人を採ってるのをすごい実感して。優勝した人の作品見ても、こんな作品どこがええねん!とか思ってて(笑)で、実費で海外に勝手に行って、勝手に作って、写真だけちゃんと記録だけして経歴に残したろと思って。でまあ、行ける範囲がアジアだったんでアジア行こうと思ってたら、カンボジアで学校に行けない子達を開放した自分の土地に集めて英語教えてたりする人たちが現地におるんやけど、そうゆう人たちをバックアップしてるような日本人の子がたまたま友達にいてて。で、一緒について行きたいって言って、案内してもらって。

行った時、ちょうど学校が「あおぞら教室」みたいなんで、あっちは毎日スコールみたいなのが降るから、雨を凌ぐ小屋みたいなんを建てようとしてて。先生らもお金が無いから、柱になる木とかも、安く手に入るシロアリが食ったあとのやつ、スカスカのやつを使ってて。けど、そんなん、せっかく建てんのにあかんよって言って。僕らでちょっと出資して、最低限の柱と屋根まで造ろうって言って。現地の大工さんと子供たちと一緒に造って、僕が真也っていうんやけど、Shinya Class Roomって名前もつけてくれて。その後、その隣にまた違う出資者の名前のクラスルームが出来たりとか、どんどん大きくなってって。
で、僕はまあ僕で、滞在制作のつもりで行ってたから、勝手に学校の一角にオブジェ的なもの作って。その後、オブジェは一瞬で捨てられてたんやけど(笑)でも、その感じも面白いなと思って(笑)

石田 : 
制作するつもりで行ったけど、それどころじゃないなって思ったし、面白かった。今でもたまに、地震があった時とか連絡くれたりするから。子供たちもやっぱ大きくなってるやろな、とか考えたり。結婚式も呼んでくれたりして。今までやってきたなかで、結構1番残ってるかもしれん。アートイベントってやっぱその時限りのものやし、それが繋がっていくことってあんまり無いからさ。行政とか関わってて、担当者が変わっただけで全然話通じひんやん、とかあるし。

最近、小学校に招かれたこととかもあって。屋台引いて、マスク被って登場したりなんかして。図工の先生みたいなこともして。別に何を教えるわけでもないんやけど、子供たちと一緒に、「これをこうしたい」っていう子がいたら、じゃあどうしよう、とか、なんか一緒に作るみたいな。道具の使い方とかも教えてあげたりして。なんかそうゆうことが大事なんかなって。100人おって100人の一生に残ってるなんてのは思わへんけど、1人くらい絶対残ってるやろと思うから。それで人生大きく変わったりな。昔、公園に行ったらあった紙芝居とか型抜きとか、自分自身やっぱ覚えてるからさ。1回10円とかで型抜きさせてくれて、上手く抜けたら景品くれて。1回10円て、どうやって生計立ててたんやろって今になっても思うし、明らかにあの人らは善意でやってたなって。だからそうゆう不思議な人っていうか、あんまり成功してない人こそ教育で見せるべきやなってちょっと思って。で、僕はそれで呼ばれたんかなとも思って(笑)めっちゃ有名な人が来るわけでもなくさ、そうゆう姿勢っていうか、そうゆうのも見せるのが大事なんかなって思って。だから、何か教えるわけではなく、一緒に考えよう、みたいな感じやったんやけど。

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" Shinya Classroom " Construction of free school | 2014 | Cambodia 


確かに、学歴コンプレックスみたいな、日本ってなんか特に強いのかなって私も思ってて。日本の単純な授業とかでも、肩書きとか、名の知れた人を講師に呼びがちだけど、石田さんが言ったみたいにもうちょっとローカルっていうか、身近な人たちの方がためになる事って絶対あるなって。

石田 : 
飛びすぎるとちょっとイメージ出来へんっていうか。なんか、同じ事思ってんねやって思えたら、ちょっと嬉しいやん。人間らしいというか。
大竹伸朗さんが好きである時、講演で「なんで作ってるかなんて分からねえんだよ。分からねえから、作ってるんだよ」って大竹さんが言ってて。大竹さん自身ずーっと作り続けてた人で、自分も同じ気持ちやったから、そう言うのを聞いてすごい安心したっていうか。これで良いんやなって思えたし。僕みたいに10年足らずの人間が言うのと、ずっと作り続けてた人が言うのとではやっぱり重みが違うなと思って。だから、レスポンスが無くても続けることって大事なんやなってそこで感じて。何とか形になるんちゃうかなっていう自信がそこで出来たというか。
こんな僕でもやれてんねやから、みんなも美術出来るやろ、とも思うけどな(笑)やっぱ美術家って、あーやっぱ流石すごいですねーとか言われんねんけど。みんな、やってないだけで、やるかやらへんかやって恩師が言ってたんやけど。やる人はやってるだけで、やるかやらへんかの問題っていうか。なんか、そうやって遮断するんじゃなくて。みんな何かやってるやろって思うから、それを意識してやるんと、意識せんでやるんと、またちゃうから。それだけの問題というか。だから、また教育の話になるけど、それを消されてきたなって思うから。正解を求めるっていうか。それでこう、みんな個性を失ったんやなって、すごい考える。なんかもっと、変な人が増えたら良いなって(笑)面白い変な人。ほんまに変な人は嫌やけど(笑)



"そっちの人" じゃなくても良い


最近の活動的にはどうですか?石田さんのWEBサイト見たら、去年の11月?和歌山で何か展示やってましたよね。それ以外はどんな感じですか?

石田 : 
それ以外は、ちょこちょこあるけど。和歌山のNPOわかやま環境ネットワークが1年に1回主催してる「おもしろ環境まつり」っていうのがあって、そのステージのデザインとか作ったり。それも呼んでもらった時に「僕、良いですけど環境は全然興味ないですよ、それでも良いですか」って言って(笑)それでも良いって言ってくれたから、そやったらやろっかと思って。

" おもしろ環境まつり 2020 "  | 和歌山


最近SDGsとか、色々盛り上がり始めてるから。私も以前聞いたと思うんですけど、「環境問題とか考えてますか?」っていう質問が石田さんに対してめちゃめちゃ増えたんじゃないかなって。

石田 : 
あー、増えたかも。増えた増えた。でも、向こうが求めてる答えが分かるっていうか(笑)どうしたらええんやろって思ってるけど、まあ、嘘は言えへんから(笑)ごめんなさいとは言うんやけど、でも実際こう、環境問題に興味が無いわけじゃ無くて。知らんだけ、っていうか。興味は出てるって感じ(笑)だから、今はそうゆう人たちと関わるようにしてて。勉強にもなるし。それを自分のメインのコンセプトにはしないけど、知っておくべきことやなとは思う。

環境問題きっかけに声かけが増えて、何か変わりました?作品の作り方が変わったなーとか、思うことあります?たぶんそんなに深く考えようとしてないとは思うのですけど、、良い意味で(笑)だからある意味、変わらない部分もあると思うんですけど。

石田 : 
うん。変わってないかも。「平和をテーマに」とか「環境をテーマに」とか、前面にそれを掲げてる人っていうのが実はすごい苦手で。なんか、まあ悪いクセなんやけど、それだけでやってる人はもう見る気もせん、みたいな。。その人がすごい活動してたとしても、凄く見えへんというか。だから自分もそうはならんようにと思って。環境問題を意識してごみを素材にしてるわけじゃなくて、ただ好きなものが「ごみ」だったっていうか。それが自分の売り込みポイントやと思ってんねんけど(笑)
だから、「エコのために」とか言っちゃうと、ちょっとダサいなとか思って。やってることが結果的に環境のためになってたら、まあ10%でも、良いかなっていうぐらいのノリです(笑)海外行っても好きなもんしか拾わへんし。

うん、、良いですね。(笑)そう、でも、あからさまに環境問題!って打ち出すみたいなのは、私もこのプロジェクトではやりたくなくて。どっちかって言うと、全然知らない人たちに届けたいから、そうゆう人たちってあからさまにこう言われても、引いちゃうっていうか。

石田 :
 "そっちの人" ってなってまうもんね(笑)

そうそう。それはやっぱやりたくないって私も思うので、そうゆう意味では石田さんみたいな意識の持ち方は有難いなと思う。

石田 : 
僕も昔から思うんやけど、やっぱり人って群れるっていうか。同じ考えの人で集まっちゃうから、その「間」を繋ぐ人ってすごい大事やなって思ってて。橋渡しする人と言うか。アーティストもそうやけど、やっぱりアーティストだけじゃ、そのまま世に出んと死んでいく人もいっぱいいると思うから。それをこう、繋いでくれる人、見せてくれる人って大事やなって思う。こうやって取材してくれるのめっちゃ有難いし。だから、そうゆう人が1番大事、大変やけど大事な気がするというか。これからやろうとしてることが共感できるというか。がんばれー!って思う(笑)なんか、どうなるか分からへんけど、すごい大事なことやと思う。直感で。

あと、頼まれて作ったのに結局、その何年か後にはお金かけて撤去してたりとかあって。リスペクトが無い人ともう仕事したくないなって。なんか、その場限りでそんなもん作ってもあんま意味無いなとは思うんやけど。お金も要るから、最近はそんなこともしなあかんくなってきたりとか。お金との関わり方が難しい。みんなどうしてんねやろって思う。
でも結局それで落ち着いたのは、自分でコアの部分を持ってたら、色んな仕事しても良いんちゃうかってバイト先で言われて、そうやなって思って。とりあえずやりまくって、どっかで何か、何年後かに返ってきたら良いって感じでやってる。目先のことばっか考えてたらあかんなって。もっと、大きく考えんとって思ってます!(笑)

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" Raven Syndrome " Exhibition at Third Space Gallery | 2015 | Denmark
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" Echolocation " at 紀の国トレイナート | 2019 | 和歌山
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" 愛媛さんさん物語 " アーティストinファクトリー | 2019 | 愛媛
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" 隠岐しおさい芸術祭 " | 2012 | 島根 | Photo by 西村浩一


私もいずれ、いわゆるアートギャラリーみたいな空間は目指していて。この石田さんの取材もnoteに記事載せたりとかっていうのは考えてるんですけど、WEBに情報載せるだけでも全員には届かないじゃないですか。だからやっぱり、リアルの場でギャラリーみたいなのを開きたいなとは、ね、いつか出来たら良いなとは思ってるんですけど。

石田 : 
やっぱ体感って、全然違うよな。体験っていうか。記憶に残るよな。

そう。だからもし、そのタイミングがいつか来たら、石田さんにも是非(笑)

石田 : 
是非、是非。楽しみですわ。

久々に喋れて面白かったです!

石田 :
 
ねえ。でもあんまりなんか、ちゃんと喋ったことなかったもんね。

うーん、そうですねえ。でもその割に、なんだろう、あのPARCOの一瞬でしか会ってないと思うんですけど、石田さんなんか面白いなっていう印象が私のなかにはずっとあって。

石田 : 
えー、嬉しいそれ。僕もなんか、ちょいちょい見に行ってたで。

(笑)でもその、面白いなって思ってた感覚ってたぶん、これに繋がってたんだな、みたいな。

石田 :
 
嬉しい。そうやな、その時間を経て。。。面白いね。

そう。ありがとうございました!


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Q | あなたの "大切な"「ごみ」は何?

これまで何気なく買ったり貰ったりしてきた、今あなたの周りに存在するモノたち。汚れたり、使えなくなったり、不要になれば「ごみ」になってしまうのだけど、果たして、そのタイミングがそのモノたちの寿命と言えるのだろうか。もしあなたが、それまでに考えもしなかった可能性を見出した時、そのモノたちが「ごみ」となるまでの時間を延ばすことが出来るかもしれないし、ひょっとしたら、それまで以上に大好きな、あなたにとって "大切な" モノに生まれ変わることだって出来るかもしれない。

想像してみよう、あなたらしいやり方を創造しよう。あなたの「声」を #ChirudaVoice で聞かせて。


Recorded | 2021.3.26
Interviewer | Haruko Kubo (CHIRUDA)
Editor | Haruko Kubo (CHIRUDA)

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