日輪の遺産/浅田次郎
読んだのは実は数年前で、ほとんど内容を覚えてない(!)のにも関わらず今レビューを書いているのはこの本の残したものが何か私の中に残っているから。
マッカーサーが日本へ来たとき、敗戦後数年の日本で、石炭だか木炭だかの自動車を見て、
「この国はものすごい力で復興するに違いない」
と言ったとか言わなかったとか。
その後日本は自動車業界はアメリカに嫌われるほど大きくなり、しかもその中の車のひとつには「遺産」というブランド名が付けられ世界中を走っている不思議。
みたいなことが後書きにあったと思う。
この後書きが、妙に心にしみた…(ちなみに自分は後書きから先に読むタイプ)
Legacyを造っているSubaruはかつてゼロ戦を作っていた中島飛行機。
海外で見るSubaruのコマーシャル。
日本で自分が運転していたLegacy。
そういうのがぐるぐるこの物語とまぜこぜになって、フィクションは溶けてなくなり、私の人生とつながったような錯覚が起こった。
でも錯覚じゃなくて、戦争って自分につながっているのかもしれない。意外に近いところで。
というような思いにずっと囚われています、話の内容は覚えてないんだけど。
だから浅田次郎って上手いと思うんだよねー。
2009年02月26日 01:58