過去の話3 キャンプ場経営の続き
皆さんこんにちは〜、前回から少し間が空いちゃってすみません。
色々あってむしゃくしゃしていたので、予定も無く新幹線に駆け込み、広島に観光しに行ってました(笑)
前回の続きからまた書いていきますが、内容が被っていたりしたらごめんなさい〜。
キャンプ場経営開始……の前に
前回お話しした通り父達は自力でコテージを建て、更には岩風呂、露天風呂までもを造り、いよいよ営業の準備は万全の状態でした。
しかし父は考えたんです。
「折角オーガニック系の店を持っているのに、キャンプ場で提供する食材に拘らないのは勿体ないのでは?」
…と(笑)
そんなわけで、大工仕事の次はあらゆる農家を周り新鮮な野菜を求める旅に向かうことになります。
良いお肉は既に知り合いづてに確保していたので、とにかく無農薬、オーガニック野菜を大量に、定期的に入荷してくれる農家さんを探し回りました。
元々のお店でも野菜やフルーツは取り扱っていましたが、キャンプ場で一年中食材を提供するにはそれだけじゃ足りなかったんですかね?
店は一旦雇っていた従業員の皆さんにお任せし、私達家族はキャンピングカーで寝泊まりしながらの冒険へと向かいました(笑)
具体的にどの県に向かったのかは…すみません、覚えてません(笑)
まだ私は小さかったので、自分が今どこにいるかはしっかりと把握していませんでした!大体キャンピングカーの中で寝ていたらよく分からん場所に到着していたので(笑)
でも凄く楽しかったです、起きて窓の外を見たら美味しそうなフルーツが沢山実ってる場所で、農家の皆さんは私を可愛がってくれて、お土産を沢山くれましたし…。
時々海に寄って、父と兄二人は夜釣りを楽しんでました!
私はまだ夜の海が怖かったので、明るい時にカニを釣る程度でしたが(笑)
次男が夜中に大きい魚を釣って、その場で捌いたお刺身を食べたりもしたかなぁ。
次男はちょっと寡黙で怖いんですけど、職人肌で料理が好きで、よく魚を捌いてたんですよ。
で、結局何日旅をしたのかは分からないんですけど、最終的に満足のいく内容の取引が成立したようです。
特に青森で出会ったリンゴジュースが凄く美味しくて、オーガニックのお店でも取り扱わせていただけるように頼み込みました(笑)
今だにあのリンゴジュースの味が忘れられないレベルで美味しかったので、いつか自力で見つけ出したいです(笑)
営業開始
と言うわけで、食材も確保しとうとうキャンプ場の経営を開始しました。
その頃私は保育園に通っていたんですが、送り迎えをする余裕がない為保育園を辞め、家族と一緒に一日中キャンプ場で過ごしていました。
初めてのお客さんが誰だったとか、そういったことはさっぱり覚えていませんが……夏の時期はいつもコテージは満員。
常にキャンプ場は賑わっていました。
と言ってもコテージは全部で4つ。
2、3人で泊まる小型コテージが一つ。
5、6人の大型コテージが二つ。
10人ほどが泊まれる超大型コテージが一つで、一度に泊まるお客さんの数はそんなに多くはなかったんですけど……。
人数が少ない分お客様一人一人に丁寧なサービスを、という父の方針もあり、お客様の満足度は高かったみたいです。
毎年必ず来てくれるリピーターさんも沢山いました。
田舎町の森の中なので凄く静かで夏も涼しく、カブトムシも捕まえられますし、駐車場の目の前にある川には蛍もいます。
食材にはこだわっているのでバーベキューも美味しいし、ペット可のため大きいワンちゃん達も存分に走り回って楽しむことができるんですよ。
我ながら凄く良いキャンプ場だったと思います(笑)
お客さんが少ない時期は大工仕事とか、もう一つのお店の方をメインでやってましたけど……やっぱり私は夏が一番好きでしたね。
だって毎日キャンプ場に色々な人たちがやってくるんですから。
私は看板娘(笑)で、泊まりにくるお客さん達に沢山遊んでもらっていました。
田舎町で子供自体少ない地域で、遊び相手のいない私はずっとペットの犬か兄二人が遊び相手。
あとは一人でゲームをするか漫画を読むか、空想に浸って頭の中で冒険をするか……そんな私でしたが、キャンプ場が始まってからは沢山の友達ができたんです。
家族連れのお客さんや、子供数人とママ友で…なんてお客さんも沢山いたので、親御さん達がお酒を呑みながらのんびりしている間、私は子供達と遊んでいました。
都会から来た子達には私がきのみや植物、虫なんかを使った遊びを教えたりもして、誰が一番セミの抜け殻を集められるかを競ったりもしましたね(笑)
私の趣味嗜好は結構男っぽかったので、おままごとよりも良い感じの木の棒を持って男の子達と走り回る方がノリノリだったような気もします。
ワンちゃん連れのお客さんの時は、よく大型犬に追いかけ回されてました(笑)
小さいワンちゃんも凄く可愛くて、正直動物好きの私にとってはワンちゃんが来る時が一番嬉しかったり…。
でも他のワンちゃんの匂いをつけたまま自宅に帰ると、ウチの子達はちょっと不機嫌だった気もします(笑)
夏だと大学生のお兄さんお姉さんが団体で泊まりに来ることも多くて、その時はよく揶揄われてました(笑)
けど夕食時のバーベキューでは一緒にやろうと誘ってくれたり、近くの川に遊びに行くときは一緒に連れて行ってくれたり、本当に凄く優しいですよね(泣)
その時の私は嬉しい!!とは思いつつどの若い団体さんも必ず私と遊んでくれたことに対して疑問を持ちませんでしたけど……今考えると、お客様に恵まれすぎていましたね、本当に有難いです。
私に会うためだけにまた半年後に泊まりに来てくれるお姉さん達もいて、本当に本当に有り難かった…(泣)
けど、遊んでもらうのも勿論嬉しいんですけど、私はお客さんがいるキャンプ場の雰囲気がとても好きでした。
夕方になるとバーベキューが始まって、虫の鳴き声に混ざって少しづつ炭火の匂いが漂ってくるんですよ。兄が薪を割って、お風呂の準備をし出すとより一層、夕方になったんだなって感じがし出すのです。
陽が落ちる頃にはお肉の焼ける良い匂いに変わっていて、みんなが美味しそうにそれを頬張る姿とか、楽しげに談笑する声が聞こえて、特別な幸せで満ちていて。
母はさっさと帰っちゃうけど父や兄二人は遅くまで残ってるから、時々お客さんに誘われて一緒にビールを飲んだりして、みんな凄く楽しそうなんです。
私もその輪に入れてもらってバーベキューを楽しんだり、コテージの中で子供達と遊んだり、懐中電灯を持ってカブトムシ探しに行ったり。
人のいない暗い芝生に腰掛けて、星空を見るのも好きでした。
田舎だから星が綺麗で、遮る建物も何もない広い夜空を独り占めするのが、子供ながらに特別な時間でした。
暗いけど、周囲からは楽しげな声と良い匂いがしているから、何も怖くないんですよ。
時々虫に襲われるのは恐怖でしたが(笑)
それでも、あの時の星空よりも広くて幸せな空は見たことがありません。
そしてみんなが一通りバーベキューを終えてお腹いっぱいになったら、父はお客さん達を駐車場前の広場に呼び出すんです。
運が良い日はそのままみんなで蛍を見ます。
見れない日もありますから、完全に運です(笑)
それで、お客さん達が集まったらみんなで花火大会をするんですよ。
花火代は無料で、参加費だって勿論無料です。
完全に父の善意で、ただ思い出を作りたいって気持ちだけで開催する、赤字の花火大会です(笑)
それが凄く楽しいんですよ、キャンプ場にいる人達全員でやる花火だから凄く賑やかで。
たまたま同じ日に宿泊した、初めましてのお客さん達同士が、皆んなで仲良く花火をするんです。
家族連れで来た中年のお父さんが団体の大学生達と凄く仲良くなってたり。
お母さんがママ友達で来た団体様と意気投合してずっとお喋りしたり。
家族連れ同士が仲良くなって、来年また同じ日に泊まりに来ましょうと約束をしたり(翌年本当にどちらのご家族も同じ日にまた来てくれました)
花火が終わるとお風呂の時間になって、子供やお母さん達はすぐにお風呂に向かいます。
で、花火で仲良くなったお父さん達は一緒にお酒を飲み始めるんです。
賑やかではないけど穏やかで、幸せそうで、でも私にとっては寂しくて嫌いな時間でした。
だって皆んなもうすぐ寝ちゃいますし、私は家に帰るわけですから(笑)
でも場合によっては私達の仕事はまだ続きます。
その場合っていうのは、お子さん連れのお客様がカブトムシを捕まえられなかった場合です。
折角来てくれたんだから、楽しいまま帰ってほしいじゃないですか。
だからその場合は、父か兄の運転で家の周囲を徘徊(笑)し、カブトムシやクワガタムシを数匹捕まえておくんです。
一番大きいクワガタは私のモノですけど(笑)
そうしてまた朝早くにキャンプ場に行って、朝食をお出しして、昼頃にお客さん達は帰っていきます。
私は基本的には毎回そのお見送りをしていました。
また来るからね、また遊ぼうね。
どのお客さんも私にそう言ってくれるのが凄く嬉しかったなぁ〜。
それで、帰っていくお客さん達を乗せた車が見えなくなるまで、ずっと家族皆んなで手を振り続けるのがお決まりでした。
多分私だけじゃなくて、父や兄達も沢山お客さん達と思い出作ったんだろうなあ。
お客さん達は一泊だけの場合もあるし、何泊もしてくれることもあります。
一泊だけでも十分帰りは寂しかったけど、やっぱり何泊もしてくれたお客さんの時は寂しかったですね。
凄く仲良くなっていることがほとんどでしたし、お子さんがいる場合はその子も泣いて寂しがってくれていました。
まあ、そのまま連泊して良いですか!?って言って、予定より一週間長く滞在してくれる人達もいましたが(笑)
今頃お客さん達は何してるのかなあ、とか、まだキャンプ場を経営できていたら、いまだに泊まりに来てくれたり、お客さん達にとっても思い出の場所になっていたかなぁとも思います。
例えばあの時子供だった子達は今はお父さんお母さんになっててもおかしくないし、もしかしたら自分の子供を連れてきてくれていたかもなあ、とか。
何度も泊まりに来てくれた人たちにとっては、思い出の場所を失くしてしまったなあ、とか。
あの時の記憶は宝物ですが、だからこそその場所が今はないという事実が少し寂しくもあります。
私が大金持ちになったらまたあの土地を買い戻して経営再開しようかな(笑)
というわけで今回はここまでです。
次回からはまた少し辛い記憶になるのですが、しっかり書きたいと思います。
読んでくれた皆さん、いつもありがとうございます!