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線香花火 -よさこいチームちるらむ発足前夜譚- ⑤のだめ編

■前置き

はじめまして。「ちるらむ」で五役なるものをやらせていただきながら、
曲制作および練習担当も兼任しております、のだめ、と申します。

今回このnoteに寄稿するにあたって何を書こうかとキーボードを前に構え、悩むこと数日、頭に思い浮かぶのは、やはりお披露目したばかりの今年度演舞『花途』。
このチームに入って2度目となる演舞制作そしてお披露目して思うことを、私がこのチームの立ち上げに携わるきっかけや初年度の思い出と絡めて書いてみました。

■「ちるらむ」の立ち上げに携わったきっかけ

今から2年前の9月頃、ちえみから一つメッセージが唐突に届きました。
内容は「よさこいチーム作るんだけど興味ない?」というもの。

まさかの人物から、よさこい、しかもチーム立ち上げ!?と最初は驚かずにはいられませんでしたが、少し経って次に感じたことは、

「よさこいの演舞、創りたいなぁ」というワクワクでした。

当時の私は、仕事も徐々に慣れ、さぁ趣味として創作活動を本格的にしてみようかな、なんて考えていたところで、創作活動なんてカッコつけた言い方しましたが、まずは自分の表現したいものを言語化するところからと、スマホのメモ帳にひたすら創りたいものを羅列していました。

偶然か必然か、その言語化していたリストの一部には、「大勢の人の力」「空間、空気」「一瞬の景色、全力」「心が沸き立つ、奥底からこみ上げる熱さ」「心臓に響く音」「その世界に人を惹きこむ」などの言葉が並んでいて、

これはよさこいにも当てはまるなぁとふと思い、次の瞬間には
「制作として興味がある。詳しく話を聞かせてほしい」とちえみに返答していた気がします。

■ドタバタのチーム結成1年目に気づいたこと

そんなこんなで色々あってチーム設立に携わりながら、演舞制作にもありがたく関わらせてもらうことができ、まずは初年度。

「このチームは1年目に何を表現したいのか(伝えるのか)」をひたすら考えるところから始まった制作は、言語化がなかなかできない自分の語彙力のなさに打ちのめされながらも、作曲家さん交えつつ制作メンバーで少しずつ議論を重ねていき、『喜喜』の誕生へとたどり着きました。

そして来る初回練の日。
チーム内に『喜喜』をお披露目した後、ここまで来ることができた!という達成感からか、制作終わってしまったなぁなんて若干の安心と寂しさを感じていました。

が、
まったくとんでもない。
制作は終わってなんかいませんでした。

出来立てほやほやのチームに飛び込んでくれたたくさんのメンバーたちは、本当に奇跡のようで、すぐには実感できていなかったのだと思いますが、

みんなが「喜喜」の振りを少しずつ覚え、踊れるパートが増えるたびにさらに笑顔になって踊っていく、そして良い演舞にしようと隣にいるメンバーと一緒に練習を重ねていく、そんな様子を見ていくうちに、

「制作が終わったなんて何をバカなことを」
このメンバーたちが踊ってこそ『喜喜』が完成するんだ

と当たり前のことに気がつきました。

初年度ゆえのドタバタと、社会人であるがゆえの時間のなさに翻弄され、練習担当として未熟さをさらし続けた日々でしたが、

みんなの意識が一つに重なって驚くほどの一体感をみせた練習風景も、
「宴」の世界を堂々と原宿の道路上に創り出し、初参加で表参道まで踊ることができた『喜喜』お披露目の時も、
踊ってくれるメンバーたちがいたから、全部見られた光景だったと思います。

■さぁ2年目に突入!

さてさて2年目きたよ、どうする?
と、高田馬場の川沿いに座り込んで尽きない議題を夜中まで議論してみたり、メンタルに振り回されたり、1年目の倍近くまで増えた人数に驚きで白目向いたり。

新たに気を入れ直して望んだはずの2年目の初回練は、気合を入れた分だけ高まった緊張と、増えたメンバーの多さを実際に見たときの圧倒さもあり、記憶が曖昧というちょっぴり情けない滑り出しになりましたが、
先日、ついに、2代目演舞『花途』の完成お披露目までたどり着くことができました。

正直『花途』難しすぎではと、練習担当として初めて「こうしたら良くなる」という道が一切見えなくなり、1年目以上に余裕がなくなったこともあったのですが、
慣れない振りや複雑な隊列移動にも折れることなく練習を重ね、向き合ってくれた踊り子たちを見て、

「踊り子が踊って演舞は完成する」という1年目の気づきを再認識すると同時に、
「みんなと一緒に、もうちょっと、あと少し…!」
と頑張りたい欲が練習のたびに芽生えていました。

ついてきてくれたメンバーの皆さまには本当に感謝しかないです。
ついてきてくれたというより、むしろみんなに引っ張って支えてもらっていた可能性が高いかもしれないです。
いつもありがとうございます。

メンバーが撮影してくれたお披露目動画や写真のなかでは、強く生命力溢れる華のような踊り子たちが、息の揃った一体感のある歩みを見せていて、
また一つ記憶に残る景色を見ることができました。

また、これからいくつもの本番(お祭り)を経て踊り子たちの進化や想いが積み重なっていった『花途』は、もっともっと輝けると思っています。

夏はこれからが本番。
さぁ、まだまだ頑張るぞー!


文・のだめ


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