ルナラビさん風船メッセージカード
糸奇はな様の3rdワンマンライブ「PRAY In The FLAME」(2019/3/10開催、渋谷区・原宿「VACANT」にて)でお渡しした、メッセージカードの製作過程(メイキング)です。
このようなカードを作成するのは初の試みで、また期間が短く私自身が不器用なのも相まって不恰好な箇所が多くありますが、こうして目に見える形として残しておきたいと思います。
また、なるべく簡潔にまとめたつもりですが、画像も挟みますので長いです。
【※】画像内のルナーラビットさん、ファントムリリーちゃん及びその他モチーフは、糸奇はな様による創作世界を参考元とさせてもらっております。
1)材料説明
・タント紙
通常の折り紙よりも厚手で丈夫、紙質が固く若干折りにくい。力を入れすぎると当然ですが破れます(100枚入/100色)。
・ファンシーペーパー
いわゆる色画用紙のようなもの、今回はA4「黒」とA5「ゆき」を選択(初めて見た時、「マーメイド紙」の文字に反応してしまった)。
・ハサミ
・ものさし
・両面テープ、のり
・ラッピング用の紐(白×灰)
・赤リボン(幅約1cm)
・鉛筆とペン(白、黒、銀、メタリックグリーン)
・気持ちを伝える勇気!
2)カラフル風船&ルナラビさん風船
まず、最初にカラフルな風船を作成しました。糸奇さんのお名前にちなみ、10個にしようかとも考えましたが、バランス的に5個(+ルナラビさん風船)に落ち着きました(お名前を考慮したら110個になるよ?というツッコミが飛んできませんように…!)。
こちらは、今回のメッセージカードの舞台を飾る主役、ルナーラビットさんの風船です。
糸奇さんのイラストを色んな角度から、何度も凝視しながら書く→切るの作業を繰り返しましたが、特にシルクハットとお耳のバランスを取るのが難しかったです。
今回のライブタイトルの「炎」を意識して、目の形をまん丸から炎の形に。
また、シルクハットの「つば」の部分をもっと細くしたかったのですが、後々紙に貼る面積を考えて(細いとシワがよったり破れたりが不安だったので)太めに切りました。
バランスが良い具合に取れているかを確認するために、先ほどの5つの風船とルナラビさんの風船を並べてみました。
バランス確認後、風船の配置を写真の通りに変更し、ルナラビさん含む前方3箇所に紐をつけ、それらを束ねて赤いリボンで結びました。
紐は出来る限りおしゃれなデザインのものを使いたかったので、ラッピング用の白×灰のストライプ模様を選びました。白×黒もありましたが、材質が硬すぎて貼るのには適してなかった(紙にシワがよる)ため、断念。
3)ライブタイトル文字「PRAY In The FLAME」
当初はライブタイトル文字を直接紙に書くつもりだったのですが、緊張のあまり手汗と手の震えが酷くなってしまい、しかも文字一つ一つの大きさ・配置バランスを念頭に置くと「完成へ向けてのハードルが一気に上がってしまう」という、崖っぷちに立たされていることにこの時初めて気付き、しばし頭を抱えました(計画性のなさが露呈する)。
色々と考えを巡らせた結果、前回のライブタイトル「PLAY In The FRAME」の「FRAME」、つまり「枠」…"四角い世界"の中に文字もモチーフも込めよう!と、これまたハードルの高い作戦を思いつきました。
最初はこの案が吉と出るか凶と出るか、また一つ一つを上手く作れるか不安でしたが(まさに一か八かの大勝負状態)、実際にやり始めるとこの作業が思いの外楽しく、また、形にすることに成功したのでほっと胸を撫で下ろしました。
・【「PRAY」と「FLAME」】
始めに縦約1.5cm、横約1cmの長方形を描きます。次にその枠内にアルファベットを書き入れます。そして白線とそこを越えた黒い紙の部分をわずかに残しつつ、また四隅の角を斜めにハサミで切り落として出来上がりです。
・【「IN」と「THE」】
大きさが前述のものより少し小さいです。記憶違いでなければ縦約1cm、横約0.5cmだったかと思われます。
貼りつける前に並べた図。
黒い紙のブロックは白ペン、赤い紙のブロック(反転文字/R,L)は銀のペンで、それぞれ書きました。
赤い紙の色に関してですが、写真は見えやすくなるように明度や彩度を弄っています、本来はもっとずっと落ち着いた色です。
個人的には「R」と小さいサイズの「IN」「THE」が気に入ってます。
4-1)PHANTOM LILYちゃん折り紙シャツ(ver.1)
・ダイヤ型の目 : オレンジ
・涙型の目 : 青
・真ん中の鼻 : 赤
各パーツの色は、糸奇さんの過去の刺繍作品の写真を参照させてもらいました。それぞれ違う色のタント紙に鉛筆で下書き後、ハサミで切り取り、青のタント紙で折ったシャツに両面テープで貼り付けました。
こちらのリリーちゃん、お口の部分はまだ下書き段階でしたね…(写真が他になかった)。
4-2)PHANTOM LILYちゃん折り紙シャツ(ver.2)
こちらが正式にカードに使われた方のファントムリリーちゃんです。「ver.1」からの変更点は、シャツの色と襟元の形状が変わったこと、口が新たに書き加えられたことです。
今回のグッズのTシャツが紺色だったのと、青い目とのコントラストをはっきりさせる為に、シャツの色をより紺に近い暗めの色に変更しました。口は暗い色の上でも映える白ペンを使用。
5)メッセージカード(裏側)
この工程では、まず最初に糸奇さんへ送るメッセージをスマホにざっと綴り、PCで「Excel」を起動して推敲しつつ入力します(本当は手書きでGOしたかった)。
文書作成ソフトの「Word」よりも表計算ソフトの「Excel」の方が扱い慣れているため、後者を用いることにしました。
今回、使用させてもらったフォントをURLと共に明記しておきます。
続いてプリンタを起動し、A5「ゆき」ペーパーに印刷。
文字色は、リリーちゃんシャツの暗め青~紺系と合わせるのも良かったのですが、やはり糸奇さんがお好きな青緑っぽい色を。
そして、最後にファントムリリーちゃんシャツを、右上の空いたスペースにペタリ。仕上げにメタリックグリーンのペンで書いた自分の名前を右下に添えて(写真撮り忘れた…)、裏側は完成です。
6)最終段階
一気に飛びますが風船、ライブタイトル文字、トランプカードなどを貼りつけた図です。これで完成!…するには少し黒い部分が多くて寂しかったので、これ以外のモチーフを後日追加しました。モチーフについては、貼りつける前の状態の写真がなかったので、貼りつけた後の写真で説明します。
7-1)モチーフその1(トランプカード)
ライブは今回で1、2、3度目…!という事で、3枚のトランプカードでそれを表現しました。太字のペンで細かい数字やハート、ダイヤの記号を描くという作業はかなり難易度が高かったです。カードの裏面はファントムリリーちゃんです(こういうグッズも欲しい)。
7-2)モチーフその2(糸奇さん創作世界)
こちらは、糸奇さんのCD・動画作品などでおなじみのモチーフの数々です。すべて銀ペンを使って描いています。上から「紙人形ちゃん」「なふだ」「こころ(わたしの心)」の3つです。
これらのモチーフは、下記のリンクより一部ピックアップさせてもらっております。
7-3)モチーフその3(「ぼくは 見たい」)
最後は閉じた目と開いた目。
「目」は"スイッチ"、"ねがいごと"、"体内時計"、"EYE"、"きみでないのなら"などなど様々な作品に入り込んでいる、ひときわ印象的なものだと個人的に感じました(アルバム"PRAY"のジャケットにも!)。
制作過程をまとめる最中にも、糸奇さんの初期〜最近の楽曲を聴いていたのですが「目を閉じる、目を開く(開ける)」「見えない、見たくない」または翻って「見たい」という表現、「目(瞼、瞳)」に関する描写があらゆる曲に込められている事を改めて感じ取り、糸奇さんの中でも印象が深いものの一つなのだろうな、と思ったり…。
私自身、今回初めてのライブ参戦が決まり、「閉じた目を開ける時が来るんだ…!」とひとり「はじまりを描きながら」このモチーフを作った記憶が蘇ります。
また、作れるものに限りはありましたが、どのモチーフも「糸奇さんの好きなものを紙一面にたくさん散りばめよう!」という想いを込めて作ったつもりです。
8)全体図
改めまして、全体図はこんな感じです。
当初は表裏一枚のメッセージカードにする予定(リリーちゃんカードの方の端の余白を切り落とし、四隅の角を丸く切って黒い紙の裏側に貼るつもり)だったのですが、時間の関係と失敗を恐れて結果的に二つに分かれる形となりました。
あとがき
今回「ルナラビさん」と「風船」を「主役」にしようと考えたのは、CD"SLEEP HOUSE"の発売がライブの数ヶ月前にあり、この新譜がお気に入りになったこと、"Nightmare"、"EYE"、"きみない"の印象が強かったことが主な理由ですが、他の作品も好きであるのには変わりなく、決してそれらを蔑ろにはしたくなかった(あくまで主観ですが、糸奇さんはご自身の経験・思考・感情・価値観…などから生み出された作品そのものと、作品と作品の繋がり、構築されてきた世界観をいつまでも忘れることなく、慈しみ大切にされている方だと思っている)ので、作れる限りの様々なモチーフを以って、糸奇さんの創作世界への敬意を表したつもりです。
何日かに渡り頭の中で構想(妄想?)を膨らませ、形にしようと決意した時にはライブが間近に迫っており、急ピッチで仕上げねばならず、雑な部分が生まれてしまったことは少し悔やまれますが、完成できたこと、ライブに初参加できたこと、そして糸奇さんにお渡しできたことが何よりの喜びです。
(ここまで見てくださった方、Twitterで感想をくださった方、ライブスタッフの皆様方、そして糸奇さんに多大なる感謝を込めて)
(▼ボツになったデジタルメッセージ画像)
2019.4.10