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スタジオジブリ/風立ちぬ

実はちゃんと見るのは2回目。
以前見たときはまだ21やそこらで、しっかりと内容が理解できなかったように思う。
三十路を目前に改めて見てみると当時と180度違った感想を持った。

ひとつ下の当時の彼と見たこの映画はどんどん成長していく主人公に関する情景が上手く理解できなかった。
恋という恋を経験したことがなかったこともひとつの要因だろう。

思い焦がれるような恋、おいそれと会えず、全てを捨てる覚悟で次郎の元で暮らすと決めたヒロイン奈緒子は、初めて出会った頃からずっと強い部分を次郎に見せ続けた。
対する次郎も彼女を気遣いつつも自分の夢を叶えることに必死だった。

それぞれがそれぞれの理想を叶えようと必死だったのだと思う。
苦しくも彼が成功を納めんとする時、2人の時間にタイムリミットが訪れた。

今の私は、どちらにも共感せざるを得ない状況にある。
きっと次郎も全てを捨て彼女の元へ駆けつけたかったろう。
大粒の涙をこぼしながら、それでも仕事の手は止めない次郎の姿に、自分の視野の狭さを思い知らされた。

同時に、彼に心配をかけないようにと振る舞う強く優しい奈緒子。
私もこんな風になれたらどんなによかったろう。

【風が立つ、生きようと試みなければならない。】

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