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私の就職活動(していない)

これは個人的であいまいな少し盛ったかもしれない記録である。

はじめての就職

私はX世代。就職活動をしたのはバブル崩壊の少し前。
理系の学生は、企業――というより、その企業に就職した先輩や採用担当者が大学までやって来て、学生はその中から選ぶ、という仕組みだった。(もちろん、他の方法もあったが、主流はこれ。)
私の大学では「総合テスト」なるものが行われ、その順位順に呼び出され、企業リストの中から好きな会社を選んでいくスタイルだった。まるで、ToDoリストが順番にチェックされていくように、枠が埋まっていく。
私の時代にはすでに「大学院限定」枠が出始めていたが、学部卒でも十分に選択肢があった。私もリストを見ながら企業を選び、面接の日を決め、ほぼ確実に通るであろう面接を受け、会社を見学させてもらい、無事に内定。
これが私の就職活動の全てである。
つまり、私は就職活動をしていない……!


離婚後の再就職

結婚を機に退職し、派遣で働きながら優雅に趣味を謳歌していた。そんな生活を続けていたが、ある日突然、その時はやってきた。
「就職せねば!」
しかし、何をどうすればいいのかわからない。
とりあえず、就職情報誌「とらばーゆ」を購入し、じっくりとチェック。
「23~40歳位迄」「分析(データ集計・分析)」
なんと! 40歳までOK! Excelが堪能であればOK! こんな仕事があるの?
いいの? やった~! さっそく応募だ! ……と思ったものの、
「履歴書って、どこに売ってるの?」
そこからのスタートである。しかも、当時はまだ手書きが基本。汚い字で何とか高校卒業から大学名、前職を書いて、履歴書完成。
あとは会社へ行き、面接を2回、SPI試験を受けて、そのまま入社。
つまり、私は就職活動をしていない……!


定年前の悪あがき

どうしても定年がこわい。いや、それ以上に、もっともっと働きたい。コミュニティが欲しい。そう思い、就職活動をしようと心に決めた。
しかし、「職務経歴書を書く」となった途端、何をどう書けばいいのかわからない。さすがにここまで生きてくると、「履歴書」もちゃんと書かねばならない気がして、もう何をどうすればよいのか、まったく分からない。
ここで 元人事の友人(と勝手に呼んでいる人) に相談。
Excelでひとつひとつ時代ごとの聞き取りをしてくれ、それを生成AIでまとめる、という作業を繰り返した。おかげで、ものすごく立派な職務経歴書が完成。
だが、問題はその先だった。
エージェンシーなるものもさっぱり分からず、とりあえず2社くらいに履歴書と職務経歴書を登録。しかし、音沙汰がない。かなりのキャリアっぽく仕上がったのに、まったく反応がない。
気になって上司に相談してみた。
「ぜんぜん、うんともすんとも連絡来ないのだけど?」
「当たり前だ! 俺は採用の立場だから当然推薦がくるが、基本むこうも年齢で選ぶし、こっちも年齢は重視する。よっぽどでない限り、あと1年の方を採用しようとする会社はないし、まず年齢の部分でもう中身は見ない。」
「えええええ、一生懸命書いたのに……!すごいものが出来上がったんだよ!」
ということで、就職活動というより、書いてメールを待っていただけで終了。
つまり、私は就職活動をしていない……!


そして、結局私は就職活動をしていない

一生、まともな就職活動をせずに終わる人間がここに。
贅沢であることは確かだが、1社目も2社目も、本当に運に恵まれたとしか言えない。
自身の努力は皆無。
運のみ。運に感謝!


おわり

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