一刀両断
雨の世界
雫が窓にたくさん たくさん
雨の日の
曇りの空の向こう側を
部屋の中から直接見ることはできない
雲の向こうの青空と
自分の間には
窓についた雫のレンズたちと
幾重にもつらなる分厚い雲がある
手も届かず
直接触ることも出来ないけれど
確かにそこにある
雲の存在の不思議
雲のモヤモヤで
青空が隠されているのが嫌だな
そんな思いが心をよぎる
よぎった途端に
それは違うんじゃないかと思う自分が目覚める
それ本当?
本当に隠されているの?
なんでそう思うの?
え?違うの?
いろんな声がこだまになって聞こえてくる
隠されていることが嫌なのか
それともモヤモヤした雲の存在が嫌なのか
両方なのか
それとも他に
まだ氣がついていない何かがあるのか
いろいろいろいろ考えてみても
答えはモヤモヤの雲の中に吸い込まれていって
スッキリハッキリ見えてこない
こういう時もある
すぐに答えが出ないこともあるね
どっちがいいとか悪いとか
そういう問題ではないのかもしれないな
結論を急がない
それでも良い氣がしてきた
必要になったら答えの方からやってくる
それを待つには
別の意味の強さも必要なのだ
そんな風に感じながら外に出て
窓についた雫をサッと拭いてみた
雲はまだそこにある
雨もまだ降っている
それでも
たくさんの雫のレンズがなくなって
部屋の中から曇り空がスッキリ見えるようになった
自分にできる一刀両断は
こんな程度がちょうどいい
自分にできることを
無理のないところで
スッキリさせながら
毎日ゆるく「一刀両断生活」