【大人バレエ日記】100歳になってもパドブレ
舞台に出ることにしました。
初めての舞台から、かれこれ一年。
そろそろ今の自分を見つめ、また次の目標に向かってモチベーションをあげていきたいなと思ったのがその理由。
コロナ禍ではあるけど、いつまで続くかわからないこの状況の中、私たちシニアはいつまで踊れるかがコロナ以上に重要な問題で、悠長に収束してからなんてことは言ってられないのです。
先生にそのことを告げると、耳ざとく聞きつけた他の人たちの間にあっという間に広がり、スタジオはざわつきました。
誰かが舞台に出る、というとなぜか周りが異常に騒ぐのが大人バレエの世界。
あの人出るんだ。それなら、わたしだって出たい。ううん、わたしなんかまだまだ。でも、あの程度ならわたしの方がずっとマシ。
そんなふうに、きっといろんな感情が渦巻くんでしょう。
自分もそうなるので、よくわかります。
絶対、出ない。と唇をひき結び、必要以上に過剰反応する人もたまにいますが、そういう人に限って内心は「出られるなら出たい。でも自信ない」という自意識過剰からのことが多く、一度出ると呪縛から解き放たれたように、舞台はもちろん練習でも生き生きと輝いてるんですよねえ。
演目選びはこれからだけど、苦手なピルエットがなくて、ポーズとるだけで美しく見えるのがいいなー(そんなんあるかい笑)
どんなバリエーションがいいかなーと、YouTubeで動画を探していたら、こんなのを見つけました。
100歳で踊るバレリーナ。
立ってるだけでもしんどい年齢なのに、ポワントで、この姿勢で(スタイルを保ってるのもすごい)パドブレし続けるなんて。
膝だって、わたしより伸びてる!
みっともない姿は見せられないから、踊れるのはあと5年?10年?とか思って焦って舞台を決めたけど
100歳までなら、まだうん10年あるやん。
ホント、勇気と希望もらえます。
そして、最近SNSでよく見かけたこの動画も感動。
アルツハイマーの元バレリーナが、白鳥の湖の音楽を聴いたら踊り始めたという。
音楽とかダンスとか、やっぱり芸術の力は強いなあ。
人生の最後まで残り続けるんだよね。
ところで今日の帰りのロッカールーム。
「わたしなんか、踊ってるとこ、人には見せられへんわー」と舞台否定派さん。
「舞台は一瞬やもん。出ようよー。でも動画は残るから隠してる」とわたし。
「あかんよ、そんなんしても。家族が見つけて葬式で流されるねんで」
「そうそう、私らみんな、バレエが好きな人でした、とかナレーションで言われるねんで」
と他の誰かが言い、爆笑。
それもまーいっか、と思うのでした。