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【大人バレエ日記】ああ、加齢とケガ
「足のトリセツ」という本をAmazonで試し読みした。
日本で唯一の足の総合病院の医師たちによる本で、その中のある記述に愕然とした。
それは、「足の耐用年数は50年」というもの。
ご、50年。。
すでにめちゃくちゃ過ぎている。
そりゃ、あちこち痛めるはずだわ。
ものすごく納得がいった。
というのも、このところ気づけば足のどこかを痛めているからだ。
冬の舞台前は股関節だった。
舞台直前はふくらはぎの軽い肉離れ。(おかげでまともに立てず、舞台はぐだぐだだった)
そしてつい先日、今日は絶対がんばる!と張り切ったバロネのとき、ポワントの中で左足の親指がぐぎっと鳴り
あっけなくレッスン途中退場。這うようにして整体に駆け込んだ。
幸い、骨に異常はなく、直後の冷却処置が早かったおかげでかなりよくなり、もうバレエできるかも?と基礎練に出たら、これまたあっけなく痛みが逆戻り。。
親指が使えないと、ルルベもジャンプも、バレエなんて何ひとつできないことを思い知った。
件の本の中で、人は人生の最後、3つの階段を降りていく、と書かれている。
ひとつめが「歩行」という階段。
歩けなくなると、トイレに行けなくなる(2つ目の階段)
そして食べられなくなり(3つめの階段)死を迎える。
私はこれを読みながら、「歩けなくなる」の前に、大人バレエは「踊れなくなる」のだな、まともに、と。静かに、ほんとうに静かに現実を受け入れる気になったのだ。
今まで、なんとかあらがって、あらがって、今までのように、いえ少しでもうまくなりたい、とケガと闘ってきたけれど
そうか、しょうがないんだ。耐用年数過ぎてるんだから。
ケガが増える。それは自然な姿なんだ。
続けたいなら、ケガしない程度の強度でやらないと、踊れないどころか、歩けない階段へと一気に滑り落ちかねない。
ポワントは、先日見た舞台の人じゃないけれど、パドブレだけでもできるように、これ以上「踊れなく」ならないように。最悪「歩けなく」ならないように、無理せずつきあっていくことが、うまく年をとることなんだろう。
そう思ったら、今までなんて悲愴な思いでバレエに取り組んできたんだろう、と一歩引いて眺めることができた。
必死にならなくても、流れにまかせればいい。
もっと気楽に、楽しもう。
自由に動ける若い人たちをうらやむこともない。
彼女たちだって、遠くない将来、この現実と向き合う日がくるのだ。
父の口癖を思い出す。
「これも順番」
痛めた親指は、まだ当分引きずるだろう。
ひょっとすると、この先もう以前のようにルルベはできないかもしれない。
それでもいいじゃない。
その時はその時。まだ歩けないわけじゃない。
舞台に出れなくても、バーレッスンができるだけでも、ありがたく思える日が、いつかはくるのだから。
それまでの日々、加齢の現実を受け入れながら、身の丈にあったことを楽しもう。
試し読みだけでそんないろいろを思った「足のトリセツ」。
kindleで本編を買うべきかなあ。どうしよう。
買ったら、本の指南の通りにまた足のケアにせっせと励んで、怪我と闘う往生際の悪い自分になりそうで怖い笑