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音楽同士の相互性

1/29(水)にindigo la Endの新アルバム”MOLTING AND DANCING”が発売&配信された。
今回でアルバムとしては8枚目のメジャーフルアルバムになる。

川谷絵音さんが作り続けている音楽を聴き始めてかれこれ8年目になろうとしているわけだが。
毎度毎度新しいものが出るたびに、曲の完成度がパワーアップしているため本当に本当に圧倒されてならない。
なので、飽きるどころか彼の創り出す音楽に毎度のことのように惚れ直してしまうため好きな感情にどんどん深みが増してしまう。
出るたびに本当に本当に良いので。なんでこんなにもとてつもなく良いのだろうか……。

ちなみに、私は音楽を聴くのがかなり好きな人間であり(むしろ音楽がない人生なんて本当に本当に考えられない)、聴くジャンルも様々である。
洋楽、R&B、ソウル、ジャズ、ロックンロール、スウィングジャズ、エレクトロスウィング、ポップ、オルタナティヴ、吹奏楽、ビッグバンド、オーケストラ、ピアノ、アコーディオン、ミュゼット、ハープ、民謡音楽、映画のサントラ、ゲームのサントラ、インスト、アニメの曲、ボーカロイド、邦楽などなど雑多にかなり幅広く聴く。
その時の気分で聴く音楽を選んで楽しむ感覚がとてつもなく好きである。むしろそこに喜びを感じて生きているまである。
音楽こそ人生の彩り
ある時期から弦楽器の音色に魅了されて弦楽四重奏を聴くことにもハマり始めた。

私自身、幼い頃は少しだけマーチングバンドをやってみたり学生時代には吹奏楽をやっていたというのもあり、”音”に対する好奇心と異様な執着がかなり強い。
イヤホンを買う時は耳から入る情報の全てが心地好く馴染むか選びたくなってしまうし、ライブに行く時はホールや会場内での音の響き方がいかほどかとまで考えてしまうので、思っている以上にかなりしぶといかもしれない。
なので、楽器から鳴り響く自然な音色にも心地よさを感じることが多いし、歌声や人間の声帯から発せられる音の振動と周波数のようなものにもかなり引っ張られる。というか好き。かなり好き。本当に好き。
とにかくというものがすごく好き。
なので、好きな楽器の音色や好きな音楽や好きな声に出会った時の高揚感といったら、もう。
indigo la Endの曲の中でよく使われていることが多い川谷絵音さんが奏でる優しくて繊細なアコースティックギターの音色が心地良すぎるという理由で、コロナ禍にアコースティックギターを買って少しだけ練習したりもした。
とは言うものの、別のことに興味が引っ張られてしまっていて全然練習出来ていない。
ここしばらくアコギを弾いてあげられていないが、いつかちゃんと弾けるようになりたい。いや、なる、なるぞ。
(余裕があったらいつかアコーディオンが欲しい&弾けるようになりたいという淡い夢もある)
ちなみに、歌うこともとてつもなく好き

そんな私の話はこの辺にしておくことにして、
今回出た新アルバムがあまりにも良かったという感想を今回の記事にはつらつら綴っていこうかと思う。


少し前に書いた川谷絵音さん関連の記事内『ひとりの人間が創り出す音楽でどれほどの人が救われていることだろう』にもうっすら書いたのだが、
ある時期までは自身の人生模様のあれこれを曲を聴くことで消化すること多かったindigo la Endの曲だが、
前回のアルバムが出た時期あたりからはアルバム自体をひとつの”作品”として聴く楽しさが生まれた。

前回のアルバム、『哀愁演劇』。
このアルバムは洒落っ気と色気が混じり合ったかのようなアルバムだったなという感想だ。
この時期くらいからだろうか。
今の時代の流れもあるからなのか、同性愛がテーマに作られている描写が含まれるようになった曲もじんわり出てくるようになったような気がしている。
このアルバム内にある『名前は片想い』という曲は、二人の女性の失恋の形を表しているミュージックビデオになっている。
それもひとつの愛の形。

今回の新アルバムにも同性愛含む四角関係が描かれたミュージックビデオがある。
そもそもシンプルに曲がとてつもなく良い。
このMVを観て聴きながら心にすごく沁みてしまって私はぼろぼろと涙を零してしまった。

さあそして、今回の新アルバムだが。
前回のアルバム全体で感じた洒落っ気と色っぽさが、更に増している印象を受けている。
しっとりした大人の落ち着いた色っぽさとでもいうのだろうか。
本のページを捲る音、雨の音、ドアを閉める音。
そんな音までも曲の中に混ぜ込んで、音楽の演出材料にしている。
とにかく音の作りが細かい。本当に丁寧に繊細に作り込まれている。

アルバムを上から下まで通して聴くと、
それぞれの曲同士のパワーバランスと存在感が本当に絶妙で、本当に凄いアルバムだなと感じている(語彙力のなさ)。
アルバムにある数曲は、1年ほど前からひとつひとつ先に配信されていて単体で聴くことが多かった。
だが、アルバムとして作品になることで、単体で聴くよりアルバムの中にあるからこそ存在感が出たり映えたり化けたりする。
なんだこのアルバムは。

前回のアルバムでは、
初めから最後に向かって曲が前に歩いて進むように移ろっていく感覚や、全体で末尾を結んでいくような流れのようなフレーズのような感覚があったのだが、
今回のアルバムは、
そんな感覚もありつつも、曲同士で曲同士をお互いに惹き立てあっている感覚が本当にとてつもなく強く、それが魅力になっている。
前回のアルバムと今回のアルバムとで比較して聴いてみると、
雰囲気も曲の表情も全く違くて、その違いによってまた新たな聴き方が生まれたり今までの印象とは違う感覚が生まれたり今までの感覚が覆されたり変化したりする。
続けて聴くと高揚感が本当に半端ない。ガラリと変わるので。
これだから音楽は本当に本当に奥が深い
だからとてもとても好き。ないと生きていけない。ない人生とか本当に考えられない。
そんな気持ちが溢れてしまう。

そして、タイトルの“MOLTING AND DANCING”という名前の通り、
“東京の静かな夜で踊りながら溶けていく”みたいなイメージが強い。
東京の気取った洒落っ気ぽさが強調されている気がしている。

アルバムのちょっとした説明にも
“Melancholic Tokyo night.
Don’t leave me out Tokyo.”
“憂鬱な東京の夜。
東京から私を追い出さないで。”
(とか”東京から離れたくない”とかそんなニュアンスだと思われる)
という記載があるため、本当に、まさにそうで。
それを音楽で表現出来てしまうという川谷絵音さんに対して本当に本当に尊敬でしかありません。
煌びやな東京の夜の静けさの中で、ひとりの女性が揺らめきながら踊っている情景が浮かんでくるかのようだ。
時間帯は深夜1時くらいだろうか。
街灯だけが静かに光る夜の深い誰もいない東京で歩きながら聴きたい。
そんなアルバムだなという感情に駆られている。
昔のindigo la Endっぽさを思い出すような曲もありつつ、これからの未来に向かう新しいindigo la Endを見せていただけるようなそんな、アルバム。

まだアルバムが発売&配信されてから3日ほどしか経っていないが、
今回のアルバムのツアーもとてつもなく良いんだろうな、という気持ちで気分が高まって仕方がない。

ついこの間アルバム出したばかりなのに、もう曲作り始まろうとしているらしくて、既に楽しみでしかありません。

ありがとうございます。敬愛。
これからのindigo la Endや、川谷絵音さんがこれから生み出して下さるであろう音楽をとてもとても楽しみにしながら、これからも絵音さんの作り出す音楽を愛でていきつつ味わい尽くしていきたい。

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