【般】ヘパリン類似物質スプレー0.3%の処方がきたら?
先日、ヘパリン類似物質スプレー0.3%の処方がきて、ヘパリン類似物質外用泡状スプレーを調剤すると鑑査者から「外用スプレーもあるけど、泡のほうでいいのかな?」と言われて即答できなかったので調べてみた。
一般名処方に対し該当する薬品
準先発品とされるヒルドイドフォーム
後発品のヘパリン類似物質外用スプレー(以下、外用スプレー)
後発品のヘパリン類似物質外用泡状スプレー(以下、外用泡状スプレー)
以上3パターンが考えられる
それぞれ同等性試験の標準品が異なる
まず、外用スプレーについて、これはローション剤と同等性試験を行っている。ローション剤の後発品ということになる。
そして、外用泡状スプレーについて。実はヒルドイドフォームの販売以前に薬価収載されていたものが3品目あった。これらもまたローション剤と同等性試験を行っている。厳密にいえば、これもローション剤も後発品という位置付けになる。
一方、ヒルドイドフォームはヒルドイドクリームと同等性試験を行っている。
つまり、ヒルドイドフォームと後発品とでは、異なる標準品を用いて同等性試験を行っていることになる。
まずは用量を確認
準先発品のヒルドイドフォームは92g
後発品の外用スプレー、外用泡状スプレーともに100g
処方箋が92g/本で処方されているか、100g/本で出されているかでどちらを調剤するか決まる
外用スプレーと外用泡状スプレーどちらを調剤するか?
どちらも一般名は「ヘパリン類似物質スプレー」なので、どちらでも調剤可。
しかし、外用スプレーはローション剤を噴霧、外用泡状スプレーはローション剤を泡状で出す、と異なってくるため、使用感も異なる。
そのため、医師がどちらを処方する意向だったかを確認したほうが無難と考えられる。
今回の場合、どうしたか?
医師に疑義紹介し、外用スプレーで処方する意向だったことを確認。
投薬時に患者さん家族に話を伺ったところ「以前はヒルドイドローションを使用していたが、入院中に処方してもらった外用スプレーが使いやすかったので、そちらを処方してもらった」とのこと。
やはり外用スプレーで間違いないと確認できた。
ちなみにヒルドイドフォームで処方がきた場合
患者さんが後発品希望であったとしても、ヒルドイドフォームと後発品の用量が異なるため、疑義紹介なしで後発品変更は不可である。