海と私を結ぶもの
生まれた頃からアパートの近くに海があった。
母に手を引かれよく散歩に行き、ワカメを採ったり潮干狩りをした。
少し成長し戸建てに引っ越しても
たまたま海のそばの高台に長年住んでいた。
青春時代はそこで過ごした。
春夏秋冬 海の色は全く違って見えた。
夏は涼しく冷房を殆ど使わず、窓を開けて眠ると
ザブンザブンと波の音が遠くに聞こえていた。
それはまるで
貝殻を耳に当てると何となく聞こえる波音の様な優しい音だった。
大人になった今も車で数分行けば海があり
時々見に行かないと何故か落ち着かなくなる。
海と私は何か不思議な御縁がある様な感覚がする。
人生で離れた事が無い存在。
海は普段穏やかだが時折牙を剥き、自然の厳しさを教えてくれる。
それでも人は何故か海に行きたがり
海を見ながら静かに何かに、そして誰かに、想いを馳せたりする。
私も海から何故か離れられないんだよ。。
早起きして朝日を見に行きたい。
淹れたてのコーヒーをタンブラーに注ぎ
白い息を吐きながら。