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雨の日の少年と自転車
連休頭の土砂降りの夕方。
職場を出て走って車に向かう。
ドアをバタンと閉めタオルで鞄を拭いていた時だった。
少年が全身カッパを着て懸命に自転車を漕ぎ横切って行った。中学生位だろうか。
土砂降りの中何だか心配になったが
何故かその時、昔の自分とリンクした。
私も中学時代4キロの道をほとんど毎日
自転車で通学していた。
私も同じく全身カッパを着て雨の中を走り
朝の教室には沢山カッパが干してあった。
髪が濡れたまま1限目を受けるのが
自転車通学者の当たり前の日常であった。
いつしか大人になるにつれ車に憧れを持ち
教習所に通い、車を持ち、皆ドキドキしながら路上に出る。
そのうちスピードに慣れすぎて
少しでも遅いとイライラしたり
車を手にした大人の一部は執拗にあおったりルール無視して人に迷惑をかけたりしている
光景を連日目にする。
慣れは時に人を傲慢にし、他者への優しさを消し去る事がある。
大人になるってなんだろうか。。
私には一生懸命自転車を漕ぐその少年の方がよっぽど冷静な大人に見えてしまった。
慣れや欲望が恐ろしく感じた。
手に入れてしまうと更に欲が出たり
飽きたりする。
人それぞれ考えは異なるが
昔を忘れず謙虚な大人でいたい。
土砂降りの雨の中そんな事を思った。
「初心忘れるべからず」