読書の登山〜私にたくさんの世界をくれる
2023年の季刊誌で 局地旅行家・作家の角幡唯介さんと モンベル代表の辰野勇さんの対談 「旅と共に生きる」に痺れました。
「未知を目指す登山や探検において「どの山に登るか」を思いつくことは、一番重要なことだと思います。山を選んで計画を立てて準備する。この時点で活動の半分、ひょっとすると8割は終わっているのかもしれない。残りの2割は自分の立てた計画を行動に移して、現地へ確認しに行くだけです。」
何!!登山もそうなの!?本当にそう!!って思ったわけで、20代でやりすぎて、その威力も知ってたし、思ったことは本気で叶うってことを感じていたのだけど、子育てを始めて、ちょっと違う?同じことをやってるとしんどいなと思い初めて違うアプローチを実践していて。
「目標設定」とかより、「今」どう過ごすかって、けどそれだとなんかホワッとしてるなって思うところがあったのです。
でもやはり、登る山はざっくり明確にしておいた方が「今」を動きやすいなと。計画実行しやすいんだなと。これ人生にもぴったりわかりやすい例えじゃない??
そんなふうに思って私の『ほぉ』だったわけです。
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他にも、旅の視点でキラキラしたお金がもらたらしてくれる豪華旅ももちろんいいんだけど、お金だと連れて行ってくれない世界も私は知っていて、そしてその世界がどれほど記憶に残るのかも知っていて、その琴線をこのコラムは揺らしてくれた
我々の、若い頃を振り返ると、未踏のルートや地域がまだたくさんありましたから、そのなかから選ぶことができた。しかし、それが難しくなった現代では、。
個人の経験や感性にもとづいた山選びが重要になっていますね。
角幡 :そうですね。今はかつてのエヴェレストのように誰にでも分かる未踏峰や、みんなで共有できるような冒険像がないので、より個人の創造性みたいなものが求められると思います
年末に 大学生の頃、ドイツからイタリアを電車で旅した時の話を友達としてたの。宿も決めずにね。旅をしてたんだけど、その時のドイツの宿で出会ったイタリア人の男の子たちにキャーキャー言ってて、その後に電車がたまたま一緒になり、ミラノで一緒に降りて、男の子の家まで遊びに行かせてもらって、ママのパスタを頂いたっていう話。ママのパスタは パスタとトマトでできたものだったんだけど、今まで人生で食べたパスタより、何より美味しくて、記憶にずしんと残ってる。
今はSNSで事前に調べて、そこに行く、レビューの高いところに行くなんてことばかりが普通になってるけど、そこに冒険性がどれほどあるのかなんてこともふと思ったりする。
角幡 :『極夜行』(文藝春秋)にも書いたのですが、4カ月ぶりに太陽を見るというのは、人間にとっての光とは何かを考えざるを得ないような、大きな経験でした。しかし1回経験すると、それはもう未知ではなくなります。
兎にも角にも、この経験はしたことがない人には語れない世界だし、私がそこまで冒険家かというとそういう欲求はなくって、もう少し違うベクトルの冒険家かなと思っています。 今は子供たちとするのは、大変だし無理なんて思ってたけど、こういう動きができるってことこそが私が彼らに残せる「生きる力」なのかもな。