夢のような瞬間、最高の母の日
最高の母の日
少なくとも人生のうちで、一度はテレビなどでオーロラを見て、実際に見てみたいなーと思ったことがある人は多いと思う。
私もその一人だ。
そして、前回の子供の頃の夢じゃないが、○○したいなーと思っていても、なかなか行動に移せないことの方が多いと思う。
今回は身近なことだけど、思い切ってやってよかった事の話。
そして、それが最高の母の日のプレゼントになった。
磁気嵐?嵐?
主人が「今日は磁気嵐が起こるかもしれないんだって」と言ったのは先週金曜の話。子供達は嵐と聞いて、怖がっていた。
というのも、最近、嵐のせいで家の近くの木がバキッと折れて(かなり大きい枝)ちょうど、そこに停めていた我が家の車に大きな傷を残したからだ。
しかし、主人が「その嵐じゃないよ。でも、停電になったりインターネットが悪くなってテレビが見られなくなるかもね」と言ったら、子供達からブーイングが上がった。
フローズン(アナ雪)の世界
次の日の夜、早い母の日のお祝いとして家族みんなが好きなイタリアンレストランで買ってきたパスタとピザを食べながらの会話。
子供:嵐が来なくてよかったね!来てたら、テレビ見られなくて嫌だもん
主人:でも、磁気嵐でオーロラが見られるかもってテレビで言われてるよ。
僕も一度だけ子供の時に見たことあるんだけどね。
私:毎回、その子供の頃の話を聞くたびに、北欧やアイスランド、カナダなどの
極寒北半球でしかオーロラは見られないと思っていたから、オーストラリア
でも見られるなってびっくりしたよー。でも、南極に近いタスマニア辺りで
しか見られないんじゃない?
子供:え?フローズンのノーザンライト?見られるの?あ、ここはノーザンじゃ
ないや。オーロラ見られるの?見たい!
そんな会話をしていたが、美味しい夕飯で満たされ、アイスを食べて満足の子供達はベッドへ。チビの寝かしつけをしていた隣の部屋にいる主人からメッセージが。
“Xでオーロラ見られるかも?って書いてあるから、ちょっと外に出てチェックしてみれば?“と。バルコニーに出たけど、まあ、そんな感じのはなかったので中に入り、自分でもXチェック。
え?
近所のビーチで見てる人、いっぱいポストしてるじゃん!
旦那から次のメッセージで、“子供達も見たいって言ってたし、これからの人生で見られるか分からないから、行ってみる?ママ次第だけど。“と。
次の瞬間、子供の部屋のドアを開けて、電気を点けた私。
上の子は、え?どうした?という感じだったが、「オーロラ見に行くから、あったかい格好して」と私が言うと、オーロラになのか、夜更かしできるからなのか、一気にテンションUP!
下の子は、半分寝ていたので、まさに、ぐでたまのようにぐでーんとしていたが、とりあえず、されるがままに色々と着せられて、「エルサのオーロラ見に行くよ!」と言うのが効いたのかある程度、目を覚ましたので、いざ車へ!
車のライトが眩しすぎる
Xをチェックしながら、みんながどこでオーロラを見ているのか確認しながら車を走らせる。もうすぐ11時。
さすがに週末とはいえ、いつもならそんなに人も車もないはずだが、すごい混みよう…しかし、空は真っ暗。オーロラなんて人生で見たことないから、どんなもんなのか分からないが真っ暗。そして、至る所に路駐している車がいて、しかもライトつけっぱなしなもんだから、全然空の様子が分からない…
走れど走れど、夜空にオーロラっぽいものは見えない。焦る…
せっかく、子供を起こしたのに見えないのは悲しすぎる。
でも、子供には「もしかしたら、見えないかもしれないよ?でも、何事もやってみないと分からないから、とりあえず出来ることはやってみよう。」と言って、車が少なくなるまでビーチ沿いを走る。
もうすぐ11時半という頃、主人がもうそろそろ戻るか、と車を止めて、一旦、車の外へ。下の子は寝てしまったので、私と上の子だけ降りる。やっと暗がりを見つけられた。
人生初のオーロラ
日本にいた頃は、旅行会社に勤めていて海外添乗が多かった。
しかし、オーロラツアーの添乗はなかなか過酷だし、そもそも添乗員からも人気なので下っ端の私が添乗に行くことなんて叶わなかったし、そんなにしょっちゅうツアーも催行決定するものではない。なので、私の人生でオーロラを見るチャンスが訪れるなんて思ってもいなかった。
車を降りて、少し暗がりに行って、空を確認すると、何だかもやーっと雲?のようなものが見えた。なんせ、私は目が悪いし、コンタクトレンズをつけていてもはっきり見えないので、娘に「あれ、何だと思う?雲?オーロラ?」と、聞いた。娘だって、オーロラを見たことないから、分かるはずがない。「うーん。雲っぽいけど、なんかちょっと光ってる?」と言うので、携帯カメラで写真を撮ってみる。
しっかり、オーロラが写真として収まれているじゃありませんか!
慌てて、寝ている下の子と一緒に車で待つ主人の元へ。
携帯を見せたら、え?という顔。
そりゃそうだよね。だって、裸眼ではそんな風に見えないもんね。
でも、カメラ越しだとちゃんとオーロラなのよ!
まだ寝ぼけている下の子を抱えながら、暗がりへ行ったら、さっきよりもやーっとしているのに、色がついて、ところどころ、光線のようなものがある?と思って、またカメラ越しで見てみると…
やはり、カメラ越しだと色も綺麗。光線もはっきり写る。
こうなると面白くなってきたので、子供にカメラを託し、私は主人と交代で下の子を抱っこして、何とか起こそうとしていた。ここで起こさずに、後で写真だけ見たら絶対に泣くのは分かっていたし、この子達のこれからの人生の中でもオーロラが見られるか分からないので、こっちも必死だ。
時間が経つにつれて、赤やピンク、紫も見えるようになってきた。
ここでやっと、カメラがなくてもはっきりとオーロラが見えるようになってきた。そして、下の子も「ノーザンライト?」と呟いていたので、「そう!エルサと一緒のノーザンライト。まあ、ここは南半球だから、サザンライトだけどね。オーロラ見れてよかったね!」と、言ったら、目をキラキラさせていた。
これがこの夜の私たちにとってのクライマックスのオーロラだった。
カメラなしもではっきり、この色だった。
子供が寝ちゃったから、夜遅いから、寒いから、などと言い訳を言わずに家を飛び出して本当に良かった。
気づくと時間は12時半過ぎ。上の子に「あ、ママ。Happy Mother’s Day」
と、言われ、日付が変わっていたことに気づく。
「最高の母の日のプレゼントになったね。眠いのに一緒に来てくれてありがとう」と、娘に囁いた。