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ペルーのシャーマンと 植物から知恵を得る儀式 ディエタ 〜②〜


夜が明けてきて、鶏の鳴き声が聞こえた。

朝だ!2日目まだ薄暗いジャングルの朝、
マパチョ(浄化として使われるタバコ)を吸いながらジャーナリングを書く。

ディエタ期間は時計を所持していないので、 
何時か分からない。
そのため太陽の位置を見て時間を予測していた。


大体8時か9時頃になってから
シピボ族の女の子が朝食を届けにきてくれた。
今日から本格的にディエタが始まるため
食事はとにかく質素になる。
バナナ味で芋を潰したようなドロドロしたスープだった。

アヤワスカを夜に控えているからだろう。

シャワーを浴びたくて、昨日みんなで集まった小屋の近くにあるシャワールームに行く。
ルームと言っても簡易的な作りで、水シャワーだ。
それでもジャングルの中にいると私は全てが恵みに感じた。
水シャワーあるだけ最高だという気分。

小屋に戻る道中に参加者に会うけれど
会話はだめなのでアイコンタクトのみで過ごした。(本当はアイコンタクトもしないほうがいいらしい笑)

自分の小屋に戻ってからは
ハンモックで大好きな昼寝をしていた。

昼寝に最適だったハンモック

昼寝をしていたらブラスがやってきた、
何か質問はある?とわざわざ来てくれたのだ。

飲み水やゴキブリについて尋ねた、
セレモニーに関しては
やってみなきゃ分からないから質問はないというと
ブラスも理解を示してくれた。

ブラスが帰った後、
ランチが運ばれてきた。
大量のキャベツ、にんじん、そら豆みたいな豆、
いも!

なんて豪華なんだ!とベジタリアンな私は感動して食べた。笑

時計を持たない生活は一日の時間が長く感じる。
昔の人は現代人より長生きではないが
体感として、寿命が短くても納得できる。

現代人は働きすぎだなとジャングルで身をもって感じた。

だんだん夕陽色の空になってきた。
大体6時頃に儀式をするセレモニー会場(ここではマロカと呼ぶ)に集合することになっていた。

教えられたマロカに向かった。

今年作られたばかりのマロカ

アヤワスカセレモニー初日

まずはマロカの外にある場所で
裸が人に見えないようにシャーマン、マチルダが
メディシーナ(薬草)を体に塗ってくれる。
水で浸した薬草を頭からかぶる。

その後タオルでささっとふいて、
またマロカに戻った。

ひとりずつにマットレスが用意されていた。
名前が貼ってあって
私の場所はクリスとマイクに挟まれていたので
彼らの間に座った。

マロカの中心では焚き火で火が燃えあがる。

外が真っ暗になってきた。
アヤワスカをする前にブラスが
ラペをする人はいるかと尋ねていた。

初めてのラペを体験することに、
鼻の中に吹きかけるから、それを吸わないように口で呼吸してと言われた。

浄化作用があると言われるラペ
口で呼吸する、ツーンとして涙が出てきた。
呼吸に集中する、
瞑想でゾーンに入った時のような
静けさが広がった。

これがラペか!とその時は感動した。

アヤワスカセレモニーが始まる、
一人一人天狗が持つような葉っぱを持ち
シピボ族シャーマン(フランシスコとマチルダ)の前で意図を発表する。

幻覚剤を使用するときは
セットとセティングが重要。(安全な場所の確保と意図を決める)
幻覚剤は役に立つか マイケルポーラン

私は初めてだったのでアヤワスカについて知りたいと意図を決めた。

初めてだからフルドースではなく半分の容量からスタートすることに。

一人一人アヤワスカを飲みに行く
アヤワスカの味はペプシを悪くしたみたいな味で私はそこまで嫌いな味ではなかった。

焚き火が消され、マロカは暗闇になった。
静寂の中ジャングルと一つになるような暗闇。

30分ほど経ったとき、フランシスコが歌い出す。
イカロが降りてきたのだ。

ディエタした植物が伝える囁きを「振動」のデザイン(≒ 植物がもつエネルギー)として知覚し、イカロと呼ばれる治療歌に変換する。
植物が伝えるこの治癒の振動エネルギーはKenéと呼ばれる
NATIVE SOON 


一人一人の前でその人に合ったイカロを
フランシスコとマチルダが歌う。

気持ち悪さが込み上げる、吐きたいけれど吐けない。
フランシスコが私の前にやってきた。
目の前で歌い出したとき、精霊が彼を通して私に語りかけてくるのがわかった。

問い詰められるかのような激しいイカロ 
"私たちにお前は何ができる?心配してる?迷ってる?君は何?"
なんだかそう言われている感じがした。
私はあぐらをかき、うずくまって下を向いていたが背筋を伸ばし
you’re right, 私は分からない、ここに来た目的も。と心の中で言ったら
しばらくしてイカロが止まった。
フランシスコは私の頭に3回息を吹きかけ
合掌した手の中に再度息を吹きかけた。

その瞬間、私の中に何かが入ってきたのがわかった。
たしかにその瞬間、なにかが私の体の中に入ったのだ。


フランシスコは手を握ってきて
"頑張った、頑張った、GOOD!"

あれ、日本語!?と私は驚いた。
シピボ語かスペイン語が日本語に聞こえたのか今でも分からない。笑

フランシスコは隣にいたマイクに今度はイカロを歌い出す。
隣のマイクが時々イカロに合わせて口ずさむ、
申し訳ないけれど、その音がとても気持ち悪く
彼に悪いスピリットでも憑いているんじゃないか、、と感じていた。

しばらくしてフランシスコのイカロで
私はとめどなく吐いた。

普通に吐くのと違って
体の底から何かが自動的に上がって出てくるようなブロロロロォォォという音ともに
とめどなく出てくる。

マチルダが私の目の前にやってきた。
優しいイカロで温かく、全てが大丈夫。そんな感覚がした。

セレモニーの最後、
フランシスコが植物の名を読み上げる

ボビサナの名前が呼ばれたその時
私の体が勝手に動き出した。
頭が上下に揺れる。

自分がディエタをする植物は
精霊によって選ばれる。

私はこの時、わたしがディエタをする植物は
ボビサナなのかもと思った。

音楽が聴こえる、なんだか精霊たちがマロカの屋根に向かって踊っているような感じがした。

それからわたしは朝まで眠りについた。

朝目覚めると隣のウクライナ出身のマイクはいなかった、
そしてそれからマイクの姿を再び見ることは無かった。彼はジャングルの湿気に耐えきれないと言って去ったのだった。

でもわたしは彼に感じた黒いものを今でも覚えている、彼が去ったのは本当に彼自身の決断だったのかは今でも分からない。

そして、まとめると初めてのアヤワスカで
ビジョンはほとんど見えなかった。

わたしのアヤワスカを知りたいという意図は成し遂げられたのか分からなかった。
でもイカロを通して

embrace the unknownと教えられた気がする
(未知なるものを受け入れろ)

尚且つアヤワスカの最中、体が焼かれるように熱くなって気持ち悪く苦しかった。
10日間だけのディエタにしといて良かったとほっとした。
なぜなら他にも20日間、30日間、40日間も選べたからだ。

一回一回が死に値する苦しみ、これを交換にして彼らと交流しているのかもしれないと思ったら
ヤバいとこ来ちゃったというのが率直な感想だった。


マロカから自分の小屋に帰った早朝。
3日目、

わたしは机に向かってジャーナリングをしていた。

"本当にアヤワスカに呼ばれていたんだろうか"

全て自分の思い込みだったんじゃないかと疑問が浮かんでくる、、、。



〜パート3に続く〜




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